受験生へ

これから通訳ガイド試験を目指される受験生へ
また何度かガイド試験に挑戦されてきた受験生へ
これまで、大勢の受験生に受験指導を行ってきた経験から得た「受験の心構え」を
かいつまんでお話しします。
また、通訳ガイドを実際に経験した一人として、忘れ難いエピソードを終わりに添えます。

必勝祈願

今まで懸命にやった努力を信じて試験に臨もう。今年こそ長年の悲願を達成しよう。
受験生は誰も心細く思うもの。不安なのは自分だけではないことを自分に言い聞かせること。
こんなにやったんだから落ちるはずがないと思える人は受かる確率が高い。
しかし、自信過剰は禁物。油断大敵。あくまでも謙虚に。
自信過剰だと、うぬぼれから注意散漫になり、思わぬところでミスをしがちだから。気を引き締めよう。

不安な気持ちで一杯のあなたへ

問題を解きはじめていくうちに、知らない単語がいくつも出てくる。今年も駄目かと思いがち。心配無用。
あなたの知らない単語はほとんどの受験生も知らないと思って間違いない。
一つの長文に5個や6個の知らない単語はあって当たり前と思いなさい。
試験会場で勉強不足を嘆いても始まらない。
実際、合格する受験生も準備不足を痛感しながら受験している人がほとんどだと思う。
では合否はどこで決まるのか。
わからない単語、熟語、構文、文法が出てきたら、もうそこで弱気になって諦める人は永遠に合格しない人。
合格する人は、「何とか解けるはずだ!」と前向きに考え、何度も英文を読み返し、
前後関係から自分の今までに学んだ背景知識を総動員しながら、問題に取り組む人。
ここが合否の分かれ目。土壇場では精神力の優る者が勝つ。
これはテニス、野球その他のスポーツを考えてもよく分かる。
勝利を手にする人は最後の最後まで諦めず、精神力で乗りきる人。勉強もせずに「精神力だ!」は別問題。

合格答案を書く際の心構え

細心の注意を払って答案を作成すること。
句読点、ピリオド、誤字脱字などを一つ一つ点検するぐらいの思いやりが必要。
答案は美しい文字で書く必要はない。しかし下手な字でも必ず丁寧に書くこと。
丁寧に書くということはこの試験を真剣に考えていることの表われなのだ。
採点者が読みやすいように気を配って丁寧に書こうという気持ちがあれば答案を書く心構えとしては申し分ない。
老婆心からもう一度言わせてもらう。答案は自分の努力の結晶をみてもらうものであるから、心を込めて書こう。
あたかも読めと言わんばかりに、決して殴り書きしてはいけない。
このような答案には小さなミスがたくさん発見される場合が多いから。

語学のプロを目指そう

ガイド試験合格は語学の専門家になるための一つの大きな登竜門。
そのような試験にがっぷり四つになって果敢に挑もう!難しいから価値ある資格と考えよう。
いったん合格してしまえば、プロガイドの仲間入り。
国があなたの語学力を証明してくれるので、免許を取得した日から報酬をもらって好きな語学を思う存分活かして仕事ができる。
そのためには少々のことは我慢し、全力を上げて準備をする必要がある。
勉強を続けていれば必ず合格することを信じて試験に臨もう。
語学で身を立てたいと思っている人にとっては、ガイド試験合格はスタートラインだということも忘れずに。

日本をもっと知ろう

この試験で私が一番学んだ事。それは日本という国の事。
この試験の勉強をすればするほど日本という国に惹かれていった。
特に地理、歴史を学んで行くうちに日本という国の美しさや奥深さに引き込まれていった。
ガイドとして、日本の良い面、悪い面をしっかり学び、外国の人々に日本の実状を伝えるのはガイドの使命だと思う。
日本、あるいは日本人は不可解だと言われて久しい。いまだにそうである。
日々の新聞、雑誌等で様々な問題が取り上げられているにもかかわらず、同様の問題が跡を絶たない。
このような事が頻繁に起れば、外国の人が日本は不思議な国だと思うのも不思議ではない。
もうそろそろ我々国民一人一人の声を国際社会に伝える時代が来ているのではないか。
通訳ガイドがまずこの任務を果たそう。
日本を正しく認識して、分け隔てなく、ありのままの日本を外国の人々に伝えよう。
大袈裟に言えば、ガイドの仕事は日本の大切な文化遺産と日本の心を伝える仕事。
ガイドになれば、いつでもどこでも日本、日本、日本・・・・ 日本だらけなのである。
今のうにちにたくさん日本の勉強をして、ガイドになった暁には外国人にしっかりと日本と日本人の心を伝えて、日本と外国の架け橋となろう。

ガイド時代の忘れ難いエピソード一つ

朝の慌ただしいホテルのロビーで富士箱根ツアーのバスを待っていると、 お客さんの一人が「覚えているよ。ガイドさん」と言って、「さくら、さくら、やよいの・・・・」の歌が聞こえてくる。 この方は1年ぐらい前に私のガイドする富士箱根ツアーに参加したお客さん。 さくらの歌をバスの中で教えたのを忘れずに覚えていたのだ。 きっと何度も口ずさみながら心の中で暖めていたのだろう。 「こんな人もいるんだ。これがガイドの醍醐味か。この人はバスの中できっと何か大切なものを学んだに違いない」 と思わずこのお客さんを見つめていた・・・・ 皆様のご健闘をお祈りします。

富士通訳ガイドアカデミー 代表 知念 保則