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私の通訳ガイド奮戦記(第8話)     

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高宮 暖子さん
(2002年度当校合格者)

フリー通訳ガイド

通訳ガイドのイメージ、裏切ります!

お客様:

地質学者(主に大学教授)、オランダ、カナダ等、欧米諸国から9名
期 日: 2006年9月1日(金)
旅行地: 吉野ヶ里遺跡・柳川(佐賀)、太宰府・九州国立博物館(福岡)

吉野ケ里

第8話となる今回は、通訳ガイドのイメージを裏切ってみたいと思う。

通訳ガイドのイメージ・その1: 外国人客相手に一人で駆けずり回っている

通訳ガイドは協業である。バスやタクシーのドライバーはもちろん、時には旅行会社の担当者や日本語バスガイドが同乗し、一緒にツアーを行うケースが多々生じる。そこで問われるのは協調性。いかに彼らと上手くコミュニケーションを取り、協力し合って円滑にツアーを進め、結果としてお客様に満足していただくか、である。

今回のツアーには日本語バスガイドさんが同乗したので、何よりも先ず、責任範囲の分担を話し合って決めた。誰だって自分の仕事を取られるほど面白くないことはないと思ったから、である。例えば、景色のみえる一般道路では観光情報に詳しいバスガイドが説明し、私が逐次訳す、景色のみえない高速道路では外国人客のツボを抑えた通訳ガイドがもてなす、といったこと。相手も自分も仕事をしに来ているのだ。お互いのキャリアや人格を尊重し合い、手を取り合い、相乗効果を生む方向に持っていくことが肝要である。

通訳ガイドのイメージ・その2: ちょっと英語が話せるからって高ビー

通訳ガイドには語学に長けているのはもちろん、留学経験者や優秀な学歴を持った人が多い。本人には決してそんなつもりがなくても、言動の端々に高飛車なオーラを発してしまうことがあるらしい。それ故に周囲から浮いてしまい、仕事が上手くいかなかった、なんてケースを聞いたことがある。そんなことで仕事をやりづらくしては勿体ないので、私もドライバーやバスガイドへの接し方には相当気を遣っている。

これは先手必勝。お客様が現れる前に自分から挨拶し、和やかな雰囲気を作っておくのだ。次に相手の名前を覚え、何か尋ねるたびに名前を呼びかける(「ドライバーさん」、「バスガイドさん」、「すみません・・・」ではなく)。時間があれば、少し話して打ち解ける。たとえば、普段どちらの観光を多くやっていらっしゃるのですか、今日は雨が上がってよかったですね、などサラリと話しかける。仕事の分担を話し合う際には、「このようにしたら、○○さんにとってやりやすいでしょうか」、と相手に寄り添った話し方をする。おしぼりや飲料を配るといった、いわゆる雑用は積極的に手伝う、など。

いずれも多少なりとも人と接して仕事をしている社会人ならば、自然に実践していることなのだろうが、フリーランスの通訳ガイドとして、自分自身を看板として仕事をしている以上、特に気をつけていたい。

通訳ガイドのイメージ・その3: 毎回同じことを話せばいいのでラク

会議やイベントの通訳とは違い、観光通訳は歴史や地理を一度覚えればいいので楽だという人がいるが、これは大間違いだと思う。たとえば今回案内した九州国立博物館。ツアー前日の日経夕刊には、昨秋のオープン以来、入場客が200万人に達したというニュースが載っていたので、私は記事を切り抜いた。

当日のバスではその紙切れを手に掲げながらニュースを読み上げ、「さあ、今日は皆さん、日本で4番目にできた、10ヶ月で200万人もの人が押し寄せた話題のミュージアムに行くんですよ!」と、盛り上げてみると・・・お客様の目がぱっと輝いた。ポケットティッシュ程のサイズの小さな紙きれに何が書いてあるのか、見えるはずもない。それでいいのだ、リアルタイムな感動を伝えられれば。常に新しい情報を取り入れ、ワクワクさせる演出、同じものを何倍にもおもしろく見せる工夫を、これからも続けていきたいと思っている。

以上、通訳ガイドのイメージを裏切るというテーマで書いてみましたが、いかがでしたか。

ツアーの詳細と裏話は、個人ブログ「明日は博多の風が吹く」(9月1日記事)に掲載しています。よろしければこちらもご笑覧ください。
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