私は長野県長野市に在住しています。仕事は地元の民放で、技術局という所で働いています。ご存知のように長野は1998年に冬季オリンピックを開催し、私もボランティアとして、IBC(国際放送センター)のインフォメーション、パラリンピックの開会式でのお手伝いなどをする機会がありました。また通訳ボランティアグループにも属しておりますので、オリンピック後、様々なコンベンションが長野で開催される際にも参加しております。
こうした機会を通じていつも感じますのは、自分が長野のこと、そして日本のことをよく知らないということです。例えば、長野は善光寺で有名ですが、詳しく説明出来ない、あるいは観光地までの交通手段などを的確に案内出来ないなどなど…。英語が少々話せるだけでは全くダメなのだと痛感しました。これがガイド試験を受験する動機となりました。
英語に関しては、プライベートレッスンを受けたり、CNNのニュースを視たりしていましたが、やはり基本をしっかりやり直さなければと思いました。富士通訳ガイドアカデミーを知ったのは、「時事英語」や「通訳翻訳」といった雑誌からで、他校の案内等と比較したり、各校に電話で問い合わせたりしました。その際、富士通訳ガイドアカデミーの電話の対応がとても丁寧で親切でしたので、やってみようかなと決心しました。当初何回か長野からスクールに通学したのですが、仕事柄日程がとれず、通信に切り替えました。スクールでの緊張感と知念先生の熱意に直接触れられたことで、自宅での学習も続けられたと感謝しております。
知念先生手作りのタイムリーな教材をいつも「すごい!」と感心しながら四苦八苦。特に精読用英文は毎回ウームとうなりながら和訳し、解答と照らし合わせていました。どんなに難しくても、自分で考えてみることが大切だと思いました。それは1次試験の会場で英文を読んだ時に、以前なら解らなかったであろう言外の意味が多少なりとも解ったからです。小テストは時事的な内容で、リスニングコンプリヘンション、英作文、英文解釈が作成されていて、とても興味深く学習できました。私の苦手は「日本を語る」の内容で、覚えようとするのですがなかなかうまく行きませんでした。毎日口に出して読んで自分のものとすれば、2次にも役立つと思います。単熟語集は毎日寝る前に何ページかずつ覚えるようにしました。熟語を覚えるのが大変でしたが、そのうちに、単熟語を見るだけで知念先生の声が聞こえるような感じになりました。模試については通信ですので、時間をきちんと計ってやりました。生来怠け者なので、英作文の添削をして戴くべきところを、すぐ解答を見てしまいました。今では反省しています。与えられた教材をしっかりやるというのがカギだと思います。それと日本の社会保障など、日本社会についての知識も求められるので別途学習する必要があると思います。
正直なところ、2次対策はほとんど出来ませんでした。一度、2次対策講座に申し込んだのですが、結局1回くらいしか参加できず、テープをお借りしました。1次試験終了後に送って戴いた2次対策クラスのテープを聴いて雰囲気を感じとったり、皆さんの答えを参考に自分でも答えてみるといったことをしました。特訓用の2日間のうち1日に参加し、実際の試験さながらの先生方と受験生の気迫に圧倒され、どうしようと思いました。しかし、この時のイチローの話題や日本文化についての質問が、実際の試験で大変役立ったと思います。あと、英字新聞の論説や日常の事件について、自分の意見を口に出して言う訓練も必要だと思いました。また、2次試験で問われたのは「なぜ、日本人は過剰包装するのか?」「なぜ、日本人は盆栽を作るのか?」「なぜ、盆栽をミニチュアにするのか?」といった、日本人には当然と思われることで、外国人にとっては疑問に思うことでした。日本文化の事象のみならず、その背景も知っておく必要があると痛感しました。
1次対策の教材も2次に役立つものがたっぷりあります。活用するといいと後で思いました。面接時間は5分なので、あまり抽象論や精神論を語るとまとまらなくなるので、簡潔な表現と主旨を明確にすることも大切だと思います。
私は日本の地理、歴史が大の苦手で、どうしてこんな試験を受けることにしたのだろうと思ってしまうほどでした。3次試験対策のテープと教材を必死でやりました。日本の県の位置もあやふやで、歴史の年号もおぼつかない有り様でしたが、戴いた教材と白地図を活用しました。白地図は何枚もコピーして、国立公園、国宝公園用、遺跡用といった風に書き入れ、何度も見直しました。白地図で大切だと思ったのは、古い国名(備前とか河内など)を書き入れ、しっかり覚えることです。本番の試験でそのことを実感しました。地理については、中学生用の参考書を2冊解きました。そのおかげで、本番で出題されたグラフも解りました。それから都市名、地名を漢字で書く練習は必要です。と言いますのも、3次対策の先生があんなにしっかり教えて下さったにもかかわらず、私は那覇の覇の字を間違えてしまい、試験会場を一歩出てアッと思いましたが、後の祭でした。歴史の問題は難問が出題されます。私は高校生用参考書を2冊使い、特に文化のところに力を入れて学習しました。今回の試験内容を見ますと漢字の読みも出題されているので、かなり突っ込んだ学習が必要だと思います。ちなみに私は、読みの方はほとんど出来ませんでした。経済社会は参考書で学習しましたが、環境問題以外は役に立ちませんでした。これは日常、新聞や雑誌で幅広く吸収していくほかないのかなと思います。私の感想は、歴史、地理をしっかり学習することが基礎点数を稼ぐ必須条件だということです。
私も今まで通検やTOEICの試験を受けたことがありますが、ガイド試験ほど難しい試験はないと思いました。なぜなら語学力をベースに幅広い知識を問う試験だからです。私はこの試験を通じて、やれば出来るという自信と学ぶことの厳しさと、楽しさを知りました。この過程で学んだ知識、物事の捕え方、考え方は、今後の私の人生に多いに役立つと思います。皆さんも是非頑張って、チャレンジして下さい!
知念先生、本当にお世話になりありがとうございました。「富士アカデミー」で学んで本当によかったと思います。知念先生はじめ、各先生方の誠心誠意な講義、タイムリーな教材、親身になって下さるスタッフの方々…。とても全体が暖かく、学ぶということは知識のみでなく、それ以上の豊かなものを習得することなのだと実感しました。一例を揚げますと、私がスケジュールを間違えて、2次対策クラスのない日にスクールに伺ってしまった時、知念先生は「残念でしたね」とおっしゃって、クッキーと缶ジュースを下さいました。そして「その日の分は他の日に振り替えて下さい」とおっしゃいました。なにげない事ではありますが、アットホームな感じは受験校という私のイメージを払拭しました。またリーズナブルな費用も魅力でした。学習することで、充実した時間を過ごせたのも収穫でした。
私は放送局に勤務し、日々ニュース等を送出しておりますが、このスクールで、より深く考える・より奥を見つめるという、本来ジャーナリストに必要な姿勢を改めて学びました。チャレンジする精神と学ぶことの大切さと楽しさを今後も持ち続けたいと思います。
貴校の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
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