2004年の九月にエジプト旅行を計画したのですが、現地で直前に小規模なテロ事件が起こり家族の反対でキャンセルしなくてはならなくなりました。そこで旅行用に用意した資金をこの際何かの勉強に振り向けようと思い立ち、街の公民館で仲間達とともに学び続けていた英語を生まれて始めてお金を払って勉強し直してみようと英語スクールに通うことに決めました。それもはっきりしたゴールがあった方がいいということで語学では唯一の公的資格を目指して、通訳ガイドのスクールをインターネットで検索することから始めました。インターネットといえば前年度の本試験の問題を富士通訳アカデミーのサイトで手に入れ、それを見て少なくとも英語に関して言えば、何度か挑戦すれば登れない山ではないかもしれないと思えたことがそもそものきっかけだったのかもしれません。結局旅行用の資金とほぼ同額だったからという費用面での理由と交通の利便性、そしてインターネットの書き込みを考慮に入れて富士通訳ガイドアカデミーに通うことに決めました。
英語遍歴を語れとのことですが、団塊の世代の私は大学で英文学を専攻、クラブ活動はESS、在学中にした二ヶ月間のアメリカ旅行が最長の外国滞在、あとは時折出かける海外旅行。専業主婦をしながらまたぞろ地元のESSに所属、他に新聞コラムの英訳の会やスピーチの会を友人達と作って活動を続けてきました。英語が趣味のベビーブーマーの一人です。
■英語
最高の教材は毎月行われる模擬試験でした。授業の度に受けられる小テストがそれに準じます。遠方に住んでいるため模試の解答解説の授業にはあまり出られませんでしたが、解答用紙はすぐに入手して念入りにチェック。読解問題で出てきた単語を自分の単語帳に追加してゆきました。英訳の模範解答も自分のオリジナルをどう手直しするかの参考にさせてもらうために使おうと割り切りました。自分流にこだわりながら、足りないところ、未熟なところをいかに修正していったらいいのか。簡潔な言い回しや、時事英語的な単語使いなどずいぶん勉強させてもらったと思います。また、“必ずでる!!必須「時事単語」”は非常に役に立ちました。のんびりと始めたのですが、途中でこれは間に合わないと気が付いて、かなりのハイスピードで消化してゆく努力をしました。数が多いので覚えたと思ってもすぐに忘れてしまうので、とにかく繰り返し暗記しました。冷蔵庫の扉にコピーを張って、とにかく見て、つぶやいて、そして書いて覚えました。現在進行形の社会問題の単語チェックも模擬テストで問われますから、ジャパンタイムズや週間スチューデントタイムズなどから拾ってそこに付け加えていきました。最近はインターネットで新聞も買わずに読めるし便利です。あとこれは私の個人的な趣味ですが、英語の小説はよく読みました。さすがにこの一年間は受験勉強を優先させたのであまり数は読めませんでしたが、400〜500ページのペーパーバックを月一冊のペースで読んでいました。本試験で「思わずよだれが出そうになる」といったような文章の英訳がありましたが、お気に入りの作家が何度かmouthwateringという言葉を使っていたのを思い出して助かりました。スクールでの英訳は時事英語っぽいものや旅行業務がらみの硬いものが多かったのですが実際に試験に出たのは自由闊達なエッセイが題材でした。やはり間口は広くなければいけないと思います。和文英訳に関して言えば、授業での知念先生の言葉の選び方、言い回しのセンスに学ばせていただくこと大でした。どこまで意訳してもいいのかという見極め方のようなものは、本校で学ばなければ分からなかったことだと思います。
■社会科
社会科は私にとってのアキレス腱でした。福井、福岡、福島県の区別も曖昧な地理音痴というか一般常識の欠如した人間が一年間で本試験に備えようというのだから、これはかなり大変でした。本校の「一次試験対策、社会科テキスト」、「一次試験対策、地図帳」をとにかく暗記しようと、地図帳の各ページをコピーして、これも冷蔵庫の扉に日替わり、週代わりで貼り付けひたすら覚えようとしました。
この歳になると、覚えたと思ったそばから忘れるので、ある程度のサイクルで何度も見直し、忘れているものを覚え直します。テキストの国立公園と国定公園の章にはほとんど全ての日本地理の要素が詰まっていて、本試験での解答のヒントもずいぶんあそこにから拾うことが出来ました。毎月行われる模擬試験ではテキストの内容がどのような形で出題されてくるのかを教えられます。この形というのが様々に変化するので気が抜けません。身につけた知識の落とし穴ばかりがうまく出題されていたような気がします。そうやって本試験に備えていってくれていたのですね。一般常識も社会化テキスト一つでほぼ必要事項の70パーセントは満たしていると思います。あとの20パーセントは毎月の模擬試験の問題と本試験の過去問がカバーしてくれています。残り10パーセントは本人の社会への関心度にかかってくるような気がします。富士の社会科の一般常識の章は非常に充実していると思います。日本史は高校生に戻った気分で山川の教科書と向き合いました。日本の歴史は嫌いではなかったのですが、前年度の本試験で針の先でつついたような細かい知識が問われていたので、下線部の下の注までも覚えなくてはならなかったのが結構辛かったです。人名、地名、年代、芸術作品姪…覚えるべき細かい知識があまりに膨大で頭は途中でパンク状態となりました。そこで毎月の模試と本試験の過去問の出題内容は丸暗記、あとの教科書内容は適当に取捨選択して覚えようと割り切ったら気が楽になりました。ま、これは賭けのようなものですね。とにかく毎月の模擬試験の問題と回答こそが、素晴らしいもう一冊の教科書でした。
本校の二次対策はかなり役に立ちました。様々な設問に対して一分間くらいに要領よくまとめて話す訓練は実際に本番でも役立ちました。日本人について主観的ではなくあくまで客観的に語るという習慣がなかったので, we 言わずできるだけthe Japanese people , または theyといって話をするというのはここでの訓練無しで身に付かなかったことだと思います。ホーマン先生 ありがとうございます!あと友人から借りた日本の文化を項目ごとに手短に解説している本が富士通訳ガイドアカデミーから出版されていたらと思いました。日本の文化、いざ説明しようと思うとどれほど自分が知識不足であったか思い知らされました。広辞苑も役立ちました。英語で話す機会は多い方がいいに決まっています。私の場合地元のESSサークルを大いに活用させてもらいました。
ほとんど運で通ってしまったような私がアドバイスできることなどありませんが、とにかく目標は高く設定してチャレンジする、チャレンジするからには決してあきらめないということくらいでしょうか。勉強を始めた当初は、英単語、時事用語、社会科の項目ごとの覚えなくてはならないことの膨大さに圧倒されて途方に暮れましたが、自分のペースでコツコツこなしてゆくしかありません。模試で点数を取ることよりも解答の見直しを繰り返すことを目標にして、敵は何しろ国家試験なのだから大変で当然と自分自身に言い聞かせて一年間の長丁場を乗り切りました。おかげ様で56歳にして初挑戦での合格。どういう経路でか、通訳ガイド試験にチャレンジしている五十代の女性として朝日新聞社のアエライングリッシュの取材を受け、なんと紙面に掲載されてしまいました。あらためて通訳ガイド試験の社会的認知度、注目殿の高さを思い知らされた出来事でした。
とにかく親切です。出席曜日も好きに選べて、その都度の変更も可能ですし模擬試験の解説も含めると週一のコースを選んでも月6回の出席が可能で、かなりの割安感です。やむを得ず授業に欠席しても次回の模試に備えるために小テストを家でやっておきたいと電話でお願いするとすぐに郵送してくださり、ずいぶん助かりました。欠席者への配慮は講義の録音テープの貸し出しなどとても行き届いていると思いました。約一ヶ月間に及ぶ連日の二次試験対策のセミナーは在校生無料で内容も充実していて本当に助かりました。他校の生徒さんもずいぶん申し込まれていたようです。知念先生の授業で英語を日本語に置き換える技術の妙のようなものを見せていただくのが毎週とても楽しみでした。
とにかく親切です。出席曜日も好きに選べて、その都度の変更も可能ですし模擬試験の解説も含めると週一のコースを選んでも月6回の出席が可能で、かなりの割安感です。やむを得ず授業に欠席しても次回の模試に備えるために小テストを家でやっておきたいと電話でお願いするとすぐに郵送してくださり、ずいぶん助かりました。欠席者への配慮は講義の録音テープの貸し出しなどとても行き届いていると思いました。約一ヶ月間に及ぶ連日の二次試験対策のセミナーは在校生無料で内容も充実していて本当に助かりました。他校の生徒さんもずいぶん申し込まれていたようです。知念先生の授業で英語を日本語に置き換える技術の妙のようなものを見せていただくのが毎週とても楽しみでした。
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