国際電話がまだ独占事業であった時代に国際電話局でオペレーターとして働いていました。英語を使い、且、女性が管理職になれるその職場で定年まで働きたいと思っていました。しかし育児休暇中に長男の耳が聞こえないことが分かり、聾学校へ毎日付き添いをしなくてはならなくなり、泣く泣く辞表を提出しました。3人目の長女も高度聴覚障害で生まれ結局聾学校の付き添いが7年続き一時は手話の道へ進もうかとも考えました。そんな中、主人の英国駐在が決まり、決死の覚悟で家族5人ロンドンに移り住み、子供達は日本人学校、幼稚園に通わせました。福祉先進国英国で子供達の為に出来る事は全て試み、障害児認定・特殊教育支援プログラム・人口内耳プログラム等実現しました。体当たりで役所や病院の職員と面談・交渉をし、いつの間にかブリティシュアクセントが身についていました。5年間の滞在を終え、子供たちは日本でも普通の学校に通えるようになり、私は市川市のボランティア通訳として英国での感謝を還元するつもりで働き始めました。しかしあくまでボランティアであり、また内容も行政に限っているのでもっと幅を広げて、もっと多くの外国の方々と触れ合いたいと思うようになりました。国際電話局時代の同期の伊集院幸子さん(富士卒業生2005年度合格)に相談したところ、彼女は富士を強く勧めてくれました。心から信頼する友が勧める所ならば、と一大決心し富士に申し込みました。
■一次試験英語攻略法
全ての教材が不可欠だと思います。そして毎日必ず勉強すること。単語は初めのころは紙に書いて家事をしながら見ていましたが、次第に書く事で満足している自分に気付き、それからは青い本ごと持ち歩くようにしました。精読用英文が一番私を鍛えてくれたと思います。私は週2回コースでしたが、授業の前日に必ず和訳をしました。難しくても分からなくてもどうにか文章にしました。そうすると授業の時の食付きが違います。知念先生はどう訳すのかな〜と楽しみでした。予習をしなかった日は一度もありませんでした。ある夜、家中どの部屋に行っても子供がテレビをつけていて集中できず、玄関で勉強した事もあります。また、小テスト・模擬試験・二次対策教材などに出てきた時事単語はどんどん時事単語集に書き込み、漏れのないようにしました。単語コンテストもご褒美の文房具を子供に持って帰るのが楽しみで毎回頑張りました。それから電車の中はとても貴重な勉強空間でした。学校へ行く時は単語を必死で覚え、学校からの帰りは小テストの解説を熟読しました。とにかく富士の教材を最大限に活用する事が近道なのだと思います。
■一次試験社会科攻略法
高校時代から英語と体育だけが得意だった私は社会、特に歴史は白紙状態でした。初めて教材を目にした時は途方にくれましたが、コンプレックスを克服する絶好の機会だと発想の転換をし、挑みました。毎回の授業の範囲を確実に丁寧に焦らずに勉強しました。地理は白地図帳を何枚も拡大コピーして、国立公園・国定公園名及びその特徴、主要河川・山・湖・湾・岬など書き込んで台所中の壁に貼りました。料理しながらずっと見て覚えましたので、包丁を使うポジションの壁にあった中部山岳やら南アルプス国立公園の名を見ると今でも人参や玉葱が一緒に浮かびます。歴史は一次試験対策の社会科テキストの内容をやはりカレンダーの裏などに転写して洗濯機・乾燥機などに貼りました。主婦のエリアには必ず貼り紙をしました。それから浴室には小学生のお風呂用歴史年表を貼り、油性マジックでどんどん書き込みをして、非常に高度で詳しい内容の年表にし、毎晩湯船につかる間見ていました。これは今でも子供達の為に残しています。一般常識はとにかく新聞を読む事と、やはり教材に載っているデーター的な内容を転写してこれは冷蔵庫やお手洗いに貼りました。家の中が耳なし芳一状態で子供の友達が遊びに来ると怪訝な顔をしていました。また、過去の本試験・模擬試験は手に入るものは全て解きました。しつこい性格がモノを言いました。次男が使っていた中学の地理・歴史・公民の資料集や問題集も全部目を通しました。夏休みに子供をプールに連れて行ってもプールサイドでずっとこれらを読んでいました。なんと本試験ではこの公民の重要用語集の内容が数問出ていました。私は富士の教材以外はこのように家にあったものだけで済ませ、相当安く上げたと思います。
私は11月生でしたが、入ってすぐに二次対策の授業を取りました。これがよかったと思います。英語が喋れるだけでは駄目でテクニックが必要というのを叩き込まれました。一次対策とは違う日本の文化・伝承事象を説明出来るようになる為に、英語のガイドブックやパソコン等で情報を集めました。二次試験直前にはノートに全て自分の言葉で説明文をまとめ、何を訊かれても答えられるように準備しました。ブラウン先生の回転の速い厳しい授業が特に緊張感溢れて鍛えられました。オハラ先生のユーモアあるパンチラインも染み込みました。グリフィス先生の西洋的思考の説明は根本的理解へとつながりました。一流の講師陣で今でも受講したいくらいです。また私は日頃から英語で独り言を言う癖があり、考え事もなるべく英語でするように心掛けています。そして分からない事があったらすぐに電子辞書を引いて確かめる習慣もあり、こういう奇癖が役に立ったように思われます。どんな話題でもとっさに自分の意見が言えるようになるには常に英語を準備しておく事が大切なのだと思います。
膨大な試験範囲と勉強量にめげそうになっても、合格発表で感涙する自分の姿を想像して頑張って下さい。私は一年で結果を出したいと思っていました。ある時「一年で受かろうというのはある意味虫がいい話」というのを小耳に挟み、自分は調子に乗っているだけで実は身の程知らずなのかな…と子供にこぼしたところ、長男に「じゃあ、お母さんが証明して見せれば!」と励まされました。耳が聞こえない為にうまく喋れなかった、聾学校に毎日手をつないで通った長男が今度は私を激励してくれたのです。家事以外は勉強ばかりしていて、特に夕食後の家族の団欒の時にテレビも見ずに勉強していて、これ以上家族に迷惑を掛けられないとも思いました。小・中・高、三つの学校でPTAの役員を引き受け、ボランティア通訳活動も続け、富士の宿題も絶対にやると自分に課したノルマを達成するのは相当きつかったですが、今までの子育ての苦労はこんなものではなかったと、自分を励まし、自分をたたえ、自分を信じました。日本の主婦の底力を見せてやる!の意気込みでした。但し、過去の合格率5%の時代でしたら私なんかは何年かかっても受からなかったと思いますし、今回の試験は受かり易かったのは事実だと思うので謙虚に受け止めなければ、と自戒しています。それでも、とにかく受かる為には今日何をすべきか、すべきことを実行し、今日一日は無駄では無かったか自問自答して寝床に着く事です。有言実行です。
低価格高品質。浮気をせず富士の教材を最大限に活用すれば大丈夫だと思います。知念先生は私たちの事をとても考えて下さっているので、少しでも問題があればすぐに解決して下さいました。また二次対策の講師陣も超一流でこれは外部でも有名らしいです。そして、こじんまりしたクラスなのでみんなとすぐに仲良くなり、情報交換・勉強法など切磋琢磨できました。ひとりだったらきっと不安に陥って精神的に続かなかったかも知れません。特に仲良くなった方達とは今でも時々食事に行ったり、メールでやりとりしたりしています。かけがえのない友人が出来たのも富士のお陰です。それから、模擬試験で自分の位置を知るのも指標となり、やり甲斐になりました。富士で用意されたプログラム全て意味があり、意義があります。富士での一年間は本当に楽しかったです!頑張れました!
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