高校から大学を米国の学校で過ごした経験と、卒業後、日系の銀行を経て外資系の証券会社、銀行等の金融機関で20年弱働いてきました事で、英語に関しては、まさに習うより慣れろ的に身についていた・・・と富士アカデミー入学まで思っておりました。
一身上の都合で会社を辞めた時に、米国の観光局で働いていた友人から通訳ガイド試験の事を聞かされ、自分の今後の人生に役に立ちそうだなとの軽い気持ちで受験を思いたちました。
一発合格を狙うならどこかの学校へ通ったほうが良いなと考え、ケイコとマナブで見つけたのが富士アカデミーでした。
無謀にもそれまでガイド試験がいかに難しい試験なのかもよく知らずに一発合格を狙った自分の愚かさ思い知らされたのは、オリエンテーションの日にいただいた小テストの問題を見た時でした。
即刻、目標を一発合格から5ヵ年計画へと切りかえてマイペースで勉強し続けた私でした。(先生は、5年は長すぎる。せめて2〜3年で合格できるように、とおっしゃいましたが・・・)
■一次試験英語攻略法
私の場合、特定の分野には強いのですが、エッセイなどは、日本語で書かれていても敬遠しがちでしたので、まず精読用英文でこの苦手意識をなくすよう努力しました。
とは言ってもどんな文章を読むにもまず必要なのは単語力です。まず、単熟語集、時事単語集は、くり返し、くり返し、くり返し・・・覚えるようにしました。一度に覚えるのはとても無理です。忘れても気にせずまた覚えます。
私の場合、こま切れの時間を利用して、10分、15分の間に何度も見て書いて覚えました。
単語テストでよい点数を取ると、クリアホルダーのほかに筆記用具をいただけたので、それを目標に毎月がんばった記憶があります。いただいたシャーペンやマーカーは非常にありがたく使わせていただきました。何せ、どちらもアッという間に使い切ってしまうのですから。
模擬試験は私にとって毎回地獄でした。それも受ける時よりも採点された後の自分の解答用紙を見る時が。
しかし先生がおっしゃっていた「模試の結果はあまり気にしないように」というお言葉を私は勝手に「どんなに成績が悪くても、たかが模試、本番で合格すれば良いのだ」と解釈し、本当に点数はあまり気にしませんでした。むしろ、たくさん間違っていた分、赤ペンでアドバイスを受けるチャンスが増えるんだと割り切っていました。どこが違っているのか、なぜ違っているのか、どうすれば良かったのかを赤ペンで本当に丁寧に指導していただいたおかげで、復習のときに非常に役に立ちました。
また、英作文においては、一語一句訳すよりは、大意を日本語でまず考えてから英文にする復習をしてきたことが良かったと思います。
■一次試験社会科攻略法
社会科の中で特に私が苦労したのは歴史です。
日本の高校を卒業していなかったので(と、これは言い訳ですが)学校の教材として山川出版の教科書をいただいたのが、日本史のテキストに初めてお目にかかった時でした。
それからは暇さえあればこの教科書を本文はもちろん、表紙の裏から、口絵、フットノートまで全てをくり返し読んでいました。もしもその頃に、愛読書は何?と聞かれたら、即、「山川出版の日本史の教科書」だと答えていたと思う位、読んでいました。
苦しかったけれど、日本史は知れば知るほど興味がわいてきて、大河ドラマやその他テレビで歴史番組を見る時も、何か、以前よりも視点を変えて見ることができる様になったと思います。また、そうすることで、教科書に書かれている事がより知識として定着しやすくなった気がします。
地理や、一般常識を覚えるのには、白地図や新聞、毎日のテレビのニュースを見たり、読んだりのくり返しで自然に身についていきました。
最終的に社会の知識を整理するのには、やはり社会科テキストと一問一答が非常に役に立ちました。特に一問一答は問題と答えをさらにノートに書いて即答できるように努めました。
また歴史教科書にでていた口絵の写真や本文中に出ている写真はよーく記憶するようにしました。
どれも有名なものばかりなので頭に残りやすいのですが、なるべく時代と作者も一緒に覚えるようにしたことが試験でも大いに役立ったと思います。
1次合格の通知を受け取ってから2次試験本番まできっかり2週間しかない上に、私の場合、2次試験対策をまったくしていなかったのでワラにもすがる思いで通知を受け取った日に学校へ電話しました。“自主卒業”していた私も卒業生枠で無事直前2次対策クラスに入れていただくことができ、本当に感謝、感激でした。
過去の経験により、普段の会話や特定分野での話なら特に問題なく話す自信はあったのですが、ガイド試験に合格するための話し方、及び、日本人としてしっていて当たり前の事柄に関していかに説明することが難しいかをいやという程思い知らされました。
そこで学校に通うのは一日おきにして、自宅で知識のインプットと話の組み立て方をひたすら練習しておりました。ともかくインプットがなければ当然アウトプットもできない訳で、学校の2次対策の教科書を参考にして自分なりに想定問題集を作りました。
そして今考えてみると最も効果的だったのが面接の直前まで、クラスのお仲間の方々との口慣らし、お互いに英語のインタビューをやりあったことが良かったと思います。本番で、全く同じ質問がでるわけはないのですが、お互いに出し合う問題に答えられたことで何となく自信につながり、そのノリで試験に臨めたように思います。
また“極”直前情報により、何と日本語の質問もあるとの事で、急遽対策を立てられたことも幸運だった気がします。
最後に、リスニングの練習にこんな方法をお勧めします。テレビのニュースでよくネイティブスピーカーが話している映像とその下に日本語訳が出ますが、この時、わざと画面を見ないで聞き取りに集中するのです。わずか10秒ほどですが、繰り返せばかなり良い訓練になると思います。日本語のニュースで一般常識の知識を得るのと同時に2次対策もできると言う訳です。
何と言ってもまず1次試験に合格することが一苦労でした。特に英語の試験に関して私が個人的にお勧めするのは単・熟語を身につけるために英語の雑誌を読むことです。私の場合はニューズウィークでした。なぜJapan Timesではないのかというと、第一に、写真、挿絵、グラフ、記事の内容、どれをとっても新聞より興味があり、読んでいて飽きないことです。次に、持ち歩きにかさばらず、読むのが楽、新聞を広げたり小さく折りたたんで読む苦労はしたくないです。見た目もスマート、年間購読すれば一部あたりの値段もぐっと下がるし、良いですよ。
社会科の知識を身につけるには新聞はもちろん、「東洋経済」をおすすめします。新聞より詳しい解説や、いろいろな統計データもあり、興味深い記事も豊富です
とは言っても人それぞれですので、私の場合は、この2誌が大いに役立ったということにしておきます。
特に後輩に伝えたいことは・・・さし迫った理由がない限り、試験は何度も受けてやる、少しくらい模試の点数が悪くても気にしない、という気持ちを持ち続けることです。
先生のお人柄、少人数制のアットホームな雰囲気、いつでも質問できる環境、教材の良さ、授業の振替が自由な上、テープまで借りられること、そして豊富な教材は、どれも手作りの暖かい温もりが感じられ、その上、即、実践に役立つものばかりです。
ケイコとマナブで偶然見つけたこの学校ですが、何もかも素晴らしい富士アカデミーで勉強できたことは、私にとって本当に幸運でした。
そして先生が励ましの言葉でよくおっしゃる「継続は力なり」「やればできる」という言葉通り、結果を出すことができて本当に良かったと思っております。改めて先生に感謝すると共にお礼を述べたいと思います。
長い間、本当に・・・
ありがとうございました。
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