通訳ガイド当校合格者山田 由起子さん
2005年11月開講受講生
2007年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

20代の頃にイギリス留学をした際に、日本の事をきちんと説明できない自分に気付き、いつかは通訳ガイドの資格を取りたいと漠然と思っていました。その後、ツアーコンダクターの仕事につきましたが、英語の勉強より次のツアーについて調べる事が忙しく、時が過ぎてしまいました。そして、結婚出産後、いつかは通訳ガイドの資格を取りたいと強く思い始め、子どもの幼稚園入園をきっかけに、子どもたちがいない午前コースの学校に通う事に決めました。

1.1次試験英語対策

英検準1級を十数年前に取得した後、これと言った勉強もしてこなかったので、毎日勉強をするという環境を作る事、その中に自分を置く事が最初は大変でした。単語を覚えても頭に入らず、週2回コースを取っていたのですが、予習をすることに精一杯で、復習は出来ない状態でした。幼稚園のお迎えのため、授業が途中でも切り上げて帰らなければならない日もありました。そんな環境の中で1年目は①休まずに学校に行く②予習をする③課題を必ず出す事を目標に勉強を続けました。しかし、初めて受けるガイド試験は不合格でした。2年目は復習をしなければ身に付かないと考え、学校を週1回にしましたが、幼稚園の役員を引き受けてしまい、その週1回の授業もほとんど土曜日に振り替えているような状態でした。それでも1年目に頭に入らなかった単語が2年目には少しずつ入ってくるようになり、キッチンに精読用英文や小テストを貼り、家事の合間に暗唱するようにしました。長文の翻訳は朝早く起きて、静かな時間にやりました。単語は子どもの習い事の待ち時間、通学時の電車の中を利用しました。試験前はスタバなどを利用しました。思ったよりも電話などで邪魔される事もなく、集中して勉強が出来たので、ファミレスやカフェは私の勉強場所としては最適でした。また、2年目からはインターネットコースが始まり、通学生も見られるようになり、授業で見逃してしまった点、休んでしまったところ、特に授業後時間が取れずに質問等をできない私にとっては有効で、たくさん活用させていただきました。

2.1次試験社会科対策

社会科は1年コースの富士のカリキュラムにそって勉強しました。.「国立公園、国定公園は覚えましょう。」と先生から言われたので、白地図をA3にコピーして、これもまたキッチンに貼り付けて、家事の間に覚えました。ツアーコンダクターの新人時代に国内旅行も行きましたので、実際に見た場所がたくさんあるというのは、私にとってプラスでした。一般常識については、毎日新聞に目を通すことぐらいしかやっていません。そして私にとって、一番の難関は歴史でした。とにかく範囲が広く、山川の教科書もちょっとやそっとでは読破できません。そこで市販の大学受験用のコンパクトにまとめられた教材を購入し、日本史の流れをつかむようにしました。その中でとても役に立った事は、山中先生の社会科集中講座でした。試験前の7月ぐらいにやっていただいたと思いますが、過去の問題を中心に、一般常識の最新のデータなどを歯切れよく熱心に教えてくださり、重要なポイントがよくわかりました。そして、社会科3教科は無事に1年目に合格でき、2年目は英語に集中する事が出来ました。

3.2次試験対策

私の実力では1次試験にはまだまだ受からないと思っていたので、私の2次試験対策はお粗末な物でした。1次の合格通知を手にした時には、1.年コースに組み込まれている1ヶ月間の2次対策に参加したのみでした。発表から2次試験までの2週間、毎日2次対策に通い、セミプライベートは希望の時間は取れなかったのですが、キャンセル待ちをして、1回だけ受ける事が出来ました。あとから考えてみると1年コースに組み込まれていた2次対策の授業で、ネイティブの先生方から外国人の視点から見た日本を教えていただき、その積み重ねが自然と試験対策になっていたのだと思います。また、1次試験の勉強と違い、2次試験はスピーキングの授業なので、他の受講生ともお話しする機会もあり、自分の知らない日本を発見し、とても楽しく過ごせました。個人的にはリスニングとスピーキングの不安が大きかったので、毎日NHKの英語ニュースをポッドキャストで聴いたり、イングリッシュジャーナルのCDを携帯に落として聴いたりしました。これは今でも続けています。スピーキングは決して上手ではないのに合格できたのは、ネイティブの先生方がいつもアドバイスしてくださった“smile”と”eye contact”を終始心がけ、通訳ガイドとして何でもあなたの質問に答えますという姿勢で臨んだ結果と思い、先生方には感謝しております。

4.これから受験される方へのアドバイス

運良く合格してしまった私なので、えらそうな事は言えませんが、あきらめずに勉強を続ける事が大切だと思います。長い間モチベーションを持ち続けることは大変ですが、学校に通い、一緒にがんばっている方たちを見ると私もがんばろうという気持ちになりました。そして、1年目は模試の点数も伸びず、このまま続けていても受かるのかなという不安がありましたが。2年目に入り、少しずつ合格点に近づいていきました。忙しい人にとっては、タイムマネジメントが大切だと思います。私は主婦なので、幼稚園や子どもの習い事に行くとお母さん達との井戸端会議の誘惑、うちにいればテレビの誘惑が待ち受けていました。私はここ数年あまりテレビは見ていませんし、またお母さん仲間にも通訳ガイド試験に向けて勉強している事を隠さず話していました。そうすると、公園で遊ばせている時など、勉強していていいよとみんな協力して応援してくれました。また、土曜日に学校に行かせてもらったり、試験前は勉強させてもらったり、家族みんなに協力してもらいました。このようにして、私は幸運にも2年間で通訳ガイド資格取得の夢を果たせました。夢はあきらめたらそこで終わりですが、夢を持ち続け、目標に向かって勉強を続ければ、結果はついてくる事を今回の通訳ガイド試験の勉強で実感しました。私もガイドデビューするにはまだまだ勉強不足と思いますので、夢に向かってまだまだ走り続けたいと思います。

5.富士のよかったところ

少人数の授業、リーズナブルな価格、そして自由に振替ができ、聞き逃した授業はインターネットで確認できるので、忙しい方でも継続できる事です。 また、精読用英文の内容はタイムリーなので、英語の勉強もさることながら、世界からみたグローバルな話題もあり、とても興味深かったです。そして、私のような初歩的な質問にも丁寧に答えてくださり、アドバイスをしてくださった先生方にも本当に感謝しております。