通訳ガイド当校合格者橋本 由美子さん
2008年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

大学卒業後、自動車メーカーで開発職に携わったが、より人と接する仕事がしたいと通訳を目指して、約4年で退職。その後、派遣社員として英語を使う仕事をしながら通訳学校に通う。そこでの講師が、元富士アカデミーの生徒の緒車奈緒子さん(先生)で、現在は通訳としてご活躍ですが、その前は通訳ガイドをなさっていたと伺い、英語力の総合力を向上させるために、わたしもまずは通訳ガイドを目指そうと思ったのがキッカケ。富士アカデミーでは2008年4月から週二回の半年コースを受講。
英語の学習歴は、中学・高校・大学の学校での英語教育、TOEFL(大学のとき交換留学でオーストリアへ。留学先ではドイツ語だったが、学内選考でTOEFLスコアが必要だった。)、バックパック旅行でユースホステルでの英会話、自動車メーカー時代の海外出張、NHKのラジオ講座など、細々ちまちまと。とにかく、周りの人と比べて、話せない・書けない・読めない(内容が理解できない)・聴き取れない・語彙力がない。要は、総てのスキルに難ありだった。外国人とコミュニケーションと取る際に、いかに今まで性格で乗り越えてきたか、よくわかります。

1.1次試験英語対策

精読用英文は予習(声を出して読む、わからない単語の意味を調べる、日本語らしい和訳をつくる)して授業に臨む。授業後は、先生にもらった模範解答(和訳)と自分の和訳を照らし合わせて文法的間違いなどチェック。自分にはなかった素敵な表現は泥棒。知念先生は美しい日本語を本当によくご存知です。授業後に行う小テスト(日本関連の時事トピック問題を先生方が手作りされている)も必ずもう一度うちでやる。そして、8月の試験前にもプリントを頂戴して、再度取り組みました。
語彙習得として、単熟語集と時事単語集が宿題に課されましたが、わたしは本当にずぼらで面倒臭がり屋で苦手なことは極力避ける性格なので、完璧に覚えて単語テストに望んだことはありませんでした。(ダメダメ人間)ここでもっと語彙に対して真面目に取り組んでいれば、長文をよりスラスラ読め、作文でより英語らしい表現ができたはずです。反省。
近年のガイド試験は、以前と比べて、レベルが易しくなっており、内容も日本的事象ばかりなので、非常に勉強しやすいと思います。そして、富士で頂いた教材は、かなり的を射ています。たとえば、イレギュラーにもらったプリント2種(日本事象関連の単語・観光や日本文化関連の和文英訳)は大変役に立ちました。単語プリントは紙が破れるくらい、和文英訳は3回以上繰り返し取り組みました。ラッキーなことに本番の試験では単語はほとんど、和文英訳もほとんど同じ内容が出題されたので、焦らずどっしり構えて回答できました。
ちなみに、2回行われた模試では、60点前後(70点以上で合格なので不合格の域)で、ヤバーと負の衝撃をうけましたが、ショック療法というのか、そのおかげで一生懸命勉強するためのモチベーションをもらえました。

2.1次試験社会科対策

地理は、子供の頃の連れて行ってもらった家族旅行のおかげでだいたいOK。一般常識も、新聞・雑誌・TVの情報に日常的に目を通しているのでだいたいOK。一番の懸案は、中学校レベルでストップしている日本史でした。何から始めればよいのかもわからなかったので、とりあえずは社会セミナーに参加し、頂いたプリントで大まかな流れをつかみ、山川書院の教科書の重要な箇所を蛍光ペンで引いて、出来事の因果関係を大切に丁寧に音読しました。そして、知念先生の授業のDVD(社会セミナーの録画、通信生向け教材)をお借りし、見ながらの朝食(!)。耳(授業)・目(写真、文章)の情報がうまくバランスすると、相乗効果で記憶に残っていくようです。そして、ヒトの脳は忘れる機能も持っているので、忘れる前に記憶を刺激(教科書を読むなど)して定着させることが必要だと思います。今年度の歴史の試験では、難易度の高い問題が出ましたが、とはいうものの、山川の教科書にはほとんどが掲載されていたし、わたしがまぐれで正答できたのは、もしかしたら教科書を何度も何度も読んだ文字が形として潜在的に脳に残っていたのかもしれません。範囲は広いですが、とにかく教科書の太字と下部の説明をマスターすれば大丈夫だと思います。
地理について、近年頻出の観光地や温泉地の写真を見て地名と場所を選ぶタイプの問題は、旅行代理店の前に置いてある旅行パンフレットを活用すると良いと思います。まるで旅行に行くような気分になれ、夢が膨らみ、一石二鳥。
一般常識は、「自分の常識は、他人の非常識」、そしてその逆も然りで、自分が知らないことでも一般的には常識だったりすることが往々にしてあるので、いろんな出版物を読むのもいいでしょうし、いろんな人(世代、性、趣味などの違う人)と話すのも良いでしょう。富士アカデミーには太平洋戦争中に生まれた方、団塊世代、、、と色んな方がいらして、お話していて大変勉強になりました。戦後の歴代首相をみなさん生きてきた中でご存知で、年齢は物を言うと感じました。

3.2次試験対策

二次対策は4月から受講することを強くお勧めします。日本的事象の説明という点では、一次試験でも同じようなことが問われますので(今回は日本人の宗教感)、一次対策としても大いに役立ちます。そして、話す能力も短期間では上達しません。私はスピーキングに不慣れで、始めは何をどんなふうにどんな構成で話せば良いのかさっぱりわかりませんでした。そして、話そうにも単語も何も出てこない。始めは大変往生しました。これはもう自発的に話す(説明する)練習をするしかないようです。授業で頂いた、その日のトピックに関するQシートを、復習として自宅で声を出して読み、自分なりの言葉で答えていました。(1人インタビュー) すると、だんだん良く使う言葉が自然に出てくるようになります。 もちろん授業でも積極的に発言することを心がけました。そして、ネイティブの先生は日本のことにもよく精通されています。単に英語をペラペラしゃべるネイティブではありません。さすが知念先生は素晴らしい先生方を選ばれるなと思います。また、英語らしい文章の構成(要はプレゼン力)をアドバイスしてくださって、使う語彙は平易なものでもかっこよく話せるんだなと気付きました。また、授業に参加すると、他の方のいいまわしが聞けて、ここでもいい表現泥棒ができます。
練習でも本番でも、相手の目をきちんと見ること、聞こえやすい声、笑顔、要は相手が心地よく感じる姿勢で臨めばよいと思います。08年度の試験では、実際的な質問(東京にいる外国人観光客の質問に答える。秋葉原では何を買えるか。国会議事堂を見学したいがどうすればよいか。築地のせりを見に行きたいがどうすればよいか。など)だったので、答えやすかったと思います。ただし、国会に関連して日本の政治(与党・野党、首相の選ばれ方など)も質問されたので、やはり新聞などを読んで常識的知識とその英単語は押さえておく必要があると思います。

4.これから受験される方へのアドバイス

通訳案内士試験は、TOEICや英検のように年に何度もありません。そして、一次試験後の合格発表も2ヵ月半と長く、モチベーションを保つのが大変かもしれません。そういう時は、自分がガイドになってどこか自分の大好きな場所を外国人に案内している姿を思い浮かべましょう。試験勉強の目的は、合格することだけではなく、ガイドになったときにお客様に日本を伝え楽しんでもらう術を学ぶことです。
勉強に関しては、1~4に綴ったようなこと、的を射た努力をすることが重要だと思います。 あとは、自分を信じる! 試験の前日に、いままで取り組んできた単語帳やたくさん書き込んだ白地図などなど見るだけで自信はみなぎるでしょう!

5.富士のよかったところ

(1)知念校長先生をはじめ先生方も一生懸命です。型にはまった単純な授業はせず、授業の始めにその日の一面記事に触れたり、受講生が興味を持ちモチベーションを保てる授業を提供してくださいます。また、合格することだけが目的ではなく、ガイドになって一人前にやっていけるような実践力を養うことを目的としています。
(2)規模が大きすぎずアットホームなので、先生ともクラスメートともよくコミュニケーションをとることができ、勉強しやすい環境です。