通訳ガイド当校合格者松井 理子さん
2008年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

数年前家の近くで開かれている英会話サークルに入りました。一人の女性が開いている小さなカルチャーセンターです。「フレンドリーな雰囲気で、楽しく交流しましょう」という趣旨で、誰でも参加できる場でした。英会話は全く初めてで、不安いっぱいで参加したのですが、本当にフレンドリーな講師と参加者で、それこそ一からスタートしました。その中にイギリスからきていた青年がいて、自転車でイタリアを南下してギリシャに入るなど、就職する前の一時期見聞を広めていました。彼は日本の文化に大変興味を持ち、「和室ってどんな風?」「障子や襖はどんなもの?」「和紙はとてもいいね、どうやってつくるのかな」と、尋ねてきました。私は、これらの質問に大変驚き、拙い英語で説明しましたが、十分説明できないことが自分でとてもショックでした。また、彼とは映画の「コレリ大尉のマンドリン」、「戦場のピアニスト」などの話を通して、平和な社会を願う気持ちを共有することができました。 ある時はイギリスの高校の歴史の先生だった青年が来ました。同業なので大変興味く、共通する教育の課題などもわかりました。またイギリスでは、現代史は「20世紀の歴史」として独立した扱いになっていて、日本のカリキュラムとは違いました。日本の歴史教育では、まだまだ近現代史は手薄です。日本人が海外で活動するときに、現代史はもっと知らなければ困る、と強く思いました。
メキシコからの方もいました。しっかりした文法と教え方でした。彼は日本のセンター入試を受験するため、準備中でした。いろいろな国のいろいろな背景を持った方たちですが、皆さん本当に日本のことを知りたがっていました。 このような交流から私の英語との出会いは始まりました。一人の人と知り合っただけでこれほど豊かな交流ができるのです。拙い英語でも、国を越えて友情を育めるのはうれしいことです。英語圏でない人たちとも英語で交流できることが多いのでした。そうこうしているうちに、富士アカデミーで学び合格されたTさんに出会いました。英語で日本のことを説明する仕事「通訳ガイド」という分野を知り、やってみたいと思うようになりました。 Tさんが、心からこの分野に打ち込んでいる姿勢が、よくわかりました。そして迷わず、入学した次第です。

1.1次試験英語対策

(1)精読用英文は、大変興味深い文章が選ばれていて、試験対策ということを越えて勉強になりました。「モネと浮世の話題」、「日本人に初めて英語を教えたと言われる、マクドナルドの話」「ドナルド・キーンさんについて」などどれも一般教養として、身につけておくとよい話題でした。小テストもタイムリーなテーマの文で、前日のニュースで話題になっていて、これを英語でどういうのかなと思いながら授業に出ると、まさにそれが出題されていました。知念先生が考え抜いて出題されていることがよくわかります。興味がある文章なので、予習もやりがいがありました。ここで取り上げられたテーマを自分のものにして引出しの一つにしようと努めました。
(2)単熟語集、時事単語集は通学の往復、幸い片道1時間かかるので、必死に覚えるよう努めました。繰り返す以外ないと思いましたので、カードを作ったり、ノートに書いたり、いろいろな方法をとりました。
(3)小テストは、英作文は一回分の分量が適切で、圧迫感を感じずに取り組めました。もしたくさんの分量の出題だったら、取り組むことができなかったと思います。 そして重要なテーマが含まれている設問でした。長い文章にするには、一文一文、構成を考えて積み重ねればいいのだなと知り、英作文にあまり抵抗を感じずにすみました。小テスト解答例を毎回いただきますが、丁寧な解説で復習に大変役立ちました。私も帰りの電車はこれを読みながら帰りますので、時間があっという間経ってしまいました。
(4)模擬試験は本番さながらの模試で、2時間があっという間です。わからない単語があっても何とか時間内に答案を作らねばなりません。必死で取り組んでいるうちに、少し読むのも早くなったようです。試験後丁寧に採点されて返却されますので参考になりました。

2.1次試験社会科対策

まずテキストの過去問をすべて解き傾向を知りました。その後テキストを読み、ポイントを理解しました。どの試験でも特徴がありますから、社会人といえども油断は禁物です。一般教養は範囲も広く、入念な準備が必要です。配布された、統計数字をまとめた資料は役立ちました。新聞やニュースを見ていても、数字は意識しないと覚えられません。
歴史ははじめから細かいところを攻めず、大まかに時代の特徴や政治体制、歴史的人物や事件をカバーすると良いと思います。大枠ができると細かい知識も、その座標軸に位置づけられ、覚えやすくなります。
地理は将来行くであろう国立公園、温泉、史跡等、旅行プランを立てるつもりで、楽しんで勉強しました。地図はテレビを見るとき、新聞を読むとき、いつも手元に置いています。

3.2次試験対策

(1)会話についてはきちんと勉強したことがなく、大変不安でした。一次試験の授業が始まると同時に2次試験対策の授業を取りました。課題の文章を読み、準備しますが、なかなか思ったことが言えずに、どうなることかと思いました。授業の後半は一対一の面接形式です。「お茶」や「お花」、「歌舞伎」「文楽」「能」、要領よく説明するのは難しいものです。しかし聞かれることによって、自分の説明のどこが不足しているかがわかってきます。
また、他の受講生の方の説明の仕方がとても参考になりました。2次試験が迫ってくると覚えきれず焦りますが、直前一週間くらいには「自分の言葉で説明しよう」と切り替えました。特に直前セミナーでは矢継ぎ早に質問が飛んできて、適切に答える訓練ができました。自分のものになっていることには、ちゃんと対応できますが、そうでないものは駄目です。
できる限りの準備をすべきだと思いました。
(2)テキストや先輩の2次レポートはとても役に立ちました。はじめはこれを参考に覚えました。
そのうち自分の言いやすいように、順番をかえたり、情報を加えたりしました。

4.これから受験される方へのアドバイス

皆様お仕事やご家庭でのお仕事など、たくさんの「やらねばならないこと」を抱えていると思います。範囲が広いので勉強でも「あれもこれもしなければ」と自分を追い詰めがちです。でもあまり追い詰めず、楽しんで取り組もうと考えると、意外とはかどるようです。自分の好きな分野ですと時間を忘れて取り組みますし、熱を入れて勉強していると、自分の中に入ってきます。
試験勉強を通して、日本の社会、経済、文化を見直せる、勉強したことはすべて活きる分野です。

5.富士のよかったところ

(1)精選された教材と丁寧な解説。タイムリーな素材で、英語の勉強にもなり、同時に時事教養の勉強にもなる。
(2)日本を知り、紹介するのに役に立つ素材が選ばれている。
(3)知念先生はじめとても熱心な先生方
(4)暖かい雰囲気。事務室の方もとても親切です。