通訳ガイド当校合格者内田 祥之さん
2008年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

日本が高度成長をへて円高が進展するなか、製造業で仕事をしておりましたので、海外へ行く機会に恵まれませんでした。ある時、英国のグラスゴーからエジンバラ空港へ向う途中に乗っていたレンタカーが、エンジントラブルで止まってしまい困惑していたところ、丁度通りかかった親子(中年の父親と息子さん)が親切に助けてくれました。お別れの時、何かお礼をと申し上げたところ「お礼はいいから、日本で困っている英国人に出会ったら助けて下さい。」と言われて去っていかれました。この出会いが直接的な契機となり、定年で退職したら通訳ガイドになり、外国の方々の観光をお助けして、良き日本の伝統文化を紹介できればとガイド試験の勉強をはじめました。なんとか1級合格までこぎつけたのですが、仕事が国内中心となったこともあり、英語の勉強を中断してしまいました。退職後また再チャレンジをしようと考えていた折、英検1級合格者は1次試験の語学が免除されるという話を聞き、富士通訳アカデミーの「通訳ガイド2次面接試験対策英会話のコース」に参加致しました。

1.1次試験英語対策

私が知念先生の1次対策の講義を受講したのは、まだ富士アカデミーが信濃町にあった頃で、今も昔も良き思い出です。今回は1級合格者のため1次の英語免除で再挑戦した為、本項目は割愛させて頂きます。

2.1次試験社会科対策

社会科は学生の頃からの得意科目であったので、「過去問」に目を通すぐらいにとどめました。ただ勉強するいい機会でもありましたので、井沢元彦の「逆説の日本史」(文庫版 既刊12巻)を読破し、日本史の流れを頭に入れておきました。

3.2次試験対策

私が出席したのは、Mr.Grasbarger(David)の木曜日の午後クラスでした。"Think in English"の精神で、まず課題トピックスに関して自由に意見を発表する時間が50分、Davidの巧みなリードで明るく楽しく英語で"言い合う"ことができ、「習うより慣れよ」を地でいく授業でした。そしてpair workが10分~15分で受講生同士が意見をクリアに述べる練習をして、最後に1人ひとりがDavidのquestionsに4~5分で答える模擬面談試験という構成で、緊張感があるものの、クラス全体が明るい一体感につつまれた楽しい2時間でもありました。特に最後の模擬面談では一人一人にDavidから適切なコメント・アドバイスがありとても参考になりました。
特に(1)発音(例えばwomenとwomanのちがいとか)、イントネーション(例えばend of the sentenceはgo-downとか)(2)センテンスをつなぎスピーチをインパクトあるものにする方法(例えばhoweverを入れる・追加する時はin addition/another exampleとかいう言葉を使う)というコメント・アドバイスはスピーチ力の向上にとても有益でした。
この2時間の授業が終了すると歩いて15分くらいの所にある国会図書館に行き、模擬面談試験のコメントやアドバイスを中心に授業中"必死"でとったメモをサブノートに整理しました。この「木曜の午後」の2次対策が2次試験合格のベースとなったと思っております。

4.これから受験される方へのアドバイス

(1)まず第一に英検1級を並行して受験することをお薦めします。
通訳案内士(英語)は、合格者が以前の二百数十人から最近は千人前後になったとはいえ、依然として難しい国家資格であり、合格する為にはかなりの時間と教育資金を投入する必要があります。これを一種の教育投資と考えるなら、やはりリスクをヘッジするというかミニマムにする必要があると思います。
通訳案内士の試験は年1回(1次8月)ですが、英検には年3回(6月・10月・12月)あります。通訳案内士と英検とは出題傾向が違うからと併願しないで、通訳案内士一本勝負でいくという方も多いのですが(それはそれで一つの考え方ですが)、リスクをミニマムにして出来るだけ早くガイドになりたいと思われるのなら、英検合格者が1次試験の英語免除になっているのですから、英検1級を並行して受験するべきであると考えます。そうすれば通訳案内士国家試験の要である1次試験の語学(英語)をパスするチャンスが1回/年から4回/年になりますので、ぜひともこの手を使うべきです。(前述しましたが、私も1級に合格していたので助かった一人です。)

(2)実際の外国人向けツアーを体験してみよう。
2次試験は、外国人観光客が日本人のツアーガイドに質問する形式で勧められるので、ツアーガイドの実際の仕事の現場を体験しておく必要があります。富士通訳アカデミーで企画している先輩ガイドのツアーやはとバス等のツアーに1~2回は参加してみるべきと思います。時間がなくて参加できない場合は、英文のパンフレットを入手して目を通しておくといいと思います。

5.富士のよかったところ

(1)「教える側」と「学ぶ側」の関係がフレンドリーである。
富士アカデミーは、教える側が一方的に知識を学ぶ側につめこむのではなく、学ぶ側の一人一人の理解度に応じて必要な指導・アドバイスを親切にして下さるところです。本当に「教える側」と「学ぶ側」の距離を感じさせないフレンドリーな一体感のあるところです。
知念先生や外国人講師を含めた先生方、職員の方々がとても親切に受講生の面倒を見て下さいます。知念先生の教育理念に基づいた通訳ガイドを目指す21世紀の英語塾であり、マス・プロ教育でない良さがあります。

(2)手作りの温かみのある教材が魅力的である。
毎回状業で配布される教材には、タイムリーなトピックスを織り込んでおり、常に最新の情報で学んでいるという安心感がある。

(3)卒業生とのネットワークがある。
卒業生で現役ガイドで活躍している方々との交流ができ、Tokyo Morning TourやTokyo Afternoon Tour などの企画に受講生が参加することにより、実際のガイドの仕事を身近に体験することができる。

(4)アクセスが良い
都心にあり、JR・地下鉄でのアクセスが良く、周囲には上智大学・国立劇場・国会図書館等が近くにあり、通訳ガイドを目指して学ぶ場所としては最適である。