通訳ガイド当校合格者矢口 照雄さん
2008年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

会社は60歳定年でしたので、60を過ぎても働きたい気持ちが強くありました。飲み友達が弁護士で、彼の生涯現役を羨ましく思っていました。趣味と実益を兼ねる、上司や部下と喧嘩がない。そんな仕事は何か。これがガイド試験を受験しようとした動機です。私は、定年5年前は海外の仕事をしてまして、主に中国・ベトナム・韓国の市場でしたが、欧米の会社とコンソーシアムを組むため、英語の勉強はしていました。いつも現地事務所の通訳に頼っていたが、内心密かに通訳並みになろうと思っていました。これも動機の一つでしょう。

1.1次試験英語対策

私は富士アカデミーに入学して2・3年は公開模試で200番台、100番台。月例の模試も成績発表に自分の名前が載ることはなく、平均点以下が多かった。語彙力がなかったからです。日々の目標を30番以内に入ること、そして必ず1番になってみせると闘志を内に秘め、週2回の夜間クラスで頑張りました。1次対策について、私の勉強方法を恥ずかしいけど全部言ってしまいましょう。

(1)いい辞書を買うこと。先生が小学館のランダムハウスの英和辞典を勧めてくれた。(私はこの辞書の存在すら知らなかった。)そして英英辞典とThesaurus 。英英辞典はCollins Cobuildを、ThesaurusはOxford American Thesaurus of Current Englishを使いました。
(2)知らない単語はカードに書き込みました。精読・小テストに出てくる難しい単語は1語につき2~3枚使うことがあります。先生が書き出してくれたのを書き写すのではなく、自分であの分厚い辞書を引き、Thesaurusの類義語・反義語も書き込む。そして常に目にする所に置く。私はトイレに釘を打ちぶら下げました。今でも60束以上ぶら下がっています。埃がたまらないように、一束1~2ページ位三束、計10単語ぐらい読む。最初はトイレを出ると全部忘れてしまっていたが、慣れてくると6~7割は覚えている。熟語も時事単語も同じやり方。単語コンテストで頂く青・黄・ピンクの張り紙はカレンダー・襖・柱・鴨居に貼り付けました。
(3)単語・時事単語を書くこと。合格した先輩に、腱鞘炎になった人もいます。正しい発言をしながら書きまくることです。2007年度の1次に合格した時ですが、「いじめ」(bullying)をbullingと書き間違えてしまった。
(4)精読:私が約7年間、富士アカデミーにほとんど欠席なく通えたのも、この精読の授業に惹かれたからです。2001年・2002年の本番の英文和訳は、日本語になっていなかった。私は教材を頂くと、土日に時間をかけて全部を訳しノートに書き、授業の前日にもう一度"こなれた日本語"になっているかをチェックし、先生の訳と比べるのを楽しみにしていました。The EconomistやTIMEの著者はかなりインテリな人達で比喩も多く使い、同じ単語はあまり繰り返しません。Ladder,hierarchy,pyramid,pecking orderが同じ意味で同じページに使われていると言った具合です。The EconomistやTIMEを、時々辞書を使ってでも読めるようになってくると英語が増々好きになってきます。
(5)継続は力なり。塵も積もれば山となる。そうそう、2006年頃から月例模試に10番以内に入れるようになり、一度だけでしたが1番になったことがあります。

2.1次試験社会科対策

(1)地理:常にカバンの中に地図(TVのそばに1冊、ワールドアトラス帝国書院)を入れ、授業中は勿論、喫茶店での雑談中でもひっぱり出して大いに利用しました。教材を徹底的にやり、他に受験研究社の「中学生向け白地図まとめノート」の問題集を2回繰り返しました。過去問やいろいろな問題集を数多くやればやる程実力がつきます。2006年度は私も、多くの友達もそうだったか9割以上出来ました。しかし2008年度は、油断したせいか76点だった。妻籠―長野県、万座毛―沖縄県は全然知らなかった。試験の次の週に「懐かしい町並みを彷徨」という友人が持っていた雑誌の表紙が試験に出たあの妻籠の写真ではないか。地理的感覚で日頃から目で吸収するものも大事ですね。
(2)歴史:私は青山学院大学の洋学史研究会会員で年に5・6回の例会に出席し、諸先生の研究発表を拝聴しています。又、月2回古文書のくずし文字の読み書きを習ってます。鷹見泉石や杉田玄白の手紙などが教材にされる時があります。ですから歴史は好きなほうです。2008年度は皆さん苦戦したようです。でも山川の教科書(詳説日本史研究)には、上賀茂神社の写真(砂盛・・・・貴人が来る時歩く道に撒くそうです)以外、全部載っています。私は3問間違いの88点でした。教材以外に受験研究社高校用/日本史B標準問題集・雑学覚える日本史(前田秀幸)を使用した。「覚える!日本史」から抜粋したすらすら記憶術。なにさどうせ三世までしか保障しないのに(723年 三世一身の法)、なじみ深い大仏と墾田永年私財法(743年)、南都七大寺の覚え方、元東工大生が法政大と薬科大学を再受験(元興寺・東大寺・興福寺・大安寺・法隆寺・西大寺・薬師寺)→2008年度の2次の面接の時、奈良の寺々の名を聞かれた。讃岐うどん食うかい?(香川県出身の空海)、いいごろ覚えやすい保元の乱(1156)、等々。その他に、富士アカデミーや友人から教えてもらった暗記:唐(6-1-8にありにけり)。何ときれいな平城京(710)、鳴くよ一番平安京(794)、遣唐使廃止、白紙に返す(894)、頼朝征夷大将軍:いい国(1192)、123で(deux(仏)=two)御成敗(式目)、意志空しい応仁の乱(1467=東京都の年間降水量)、鉄砲伝来銃後のよさ(1543)、6年後にキリスト教伝来(1549)、色んな花が良い(1716・・・吉宗の享保の改革、1787・・・松平定信の寛政の改革、1841・・・水野忠邦の天保の改革)、イヤー ロッパ君 明治だよ(1868…古川ロッパ)。それから祖父母・父母・兄弟の誕生年と歴史的出来事を結びつける。例えば母(大正7年・1918年生まれ…米騒動、寺内内閣退陣)、姉(1936年生まれ…2・26事件、高橋是清暗殺)等々。
(3)一般常識:教材の他にナツメ社の「一般常識一問一答問題集」を使用した。歴史の近世・現代(明治・大正・昭和・平成)から毎年出題されていますね。恥ずかしい。68点だった。
※大問2の問2の北洋涼業のブリストル湾は全然知らなかった。大問3の問1部ブルーノ・タウトもしかり、問3の富岡製糸場の技術者は、イギリス人と思い込んでいた。(フランス人が正解)問4の国際映画祭はよく出題されますね。これもだめでした。大問4(22点)は6点しかとれなかった。第一次石油危機1973年OECDにロシアが加盟していないことを知らなかった自分が恥ずかしい。一般常識は毎日新聞を読み、特に政治・経済欄だけでなく文化・芸能・スポーツ欄まで目を通すことですね。

3.2次試験対策

「2次試験対策テキスト」と「日本を語る」を徹底的に咀嚼しました。本屋へ行くと日本に関する沢山の本があるが、大体は同じです。「対策テキスト」と「日本を語る」をネイティブの先生も使っており、質問もしやすい。私はchapter5(95~126ページ)は全部ポケットに入る小さなノートに書き、自分なりに暗記しました。電車の中は1番の勉強部屋だった。Chapter1から4(1~94ページ)の341のQ/Aも3分の1以上ノートに書きました。暗記といってもキーワードを押さえ、簡潔に答えるやり方です。2008年度の面接は名前を日本人の女性に聞かれた後、すぐさまネイティブの男性から日本庭園について説明を求められました。「しめた!」と思いquick responseで「対策テキスト」の日本庭園(107ページ)を述べ始めた。3分の1も言い終わらないうちに、どこへ行けば見られるのかと聞かれた。あなたが東京にいるなら、皇居の東御宛をrecommendする。月曜・金曜以外ならOKだと言いました。そしてそれは築山式で枯山水の庭園は京都の竜安寺が有名だと答え終えるや、奈良の寺々について聞いてきた。これもquick responseで薬師寺・三重の塔が有名だと言いました。すると、どうしたら寺々を理解(?ネイティブの英語を忘れたが)できるかと聞かれた。日本の歴史的背景を少々勉強していけば、enjoyできる。当時の支配者は熱心な仏教信者で、鎮護国家思想を持っていた。(They had an idea to keep the nation stable and prevent pestilence )と答えている時、奈良には東大寺や法隆寺があることを思い出したので、Oh, I recommendと言って、In addition,東大寺や法隆寺があります。聖武天皇が8世紀半ばに東大寺を建て、同時に全国に国分寺を建てた。私は国分寺に住んでいると答えた。間髪を容れずDo you live in temple?ときた。3人とも笑った。Ilive in kokubunji city, which is an western part of Tokyoと言い直した。3番目の質問は紅白と白黒のカーテンの違いについて。紅白は結婚式のようなhappy dayに。貴方が(ネイティブは50歳前後にみえた)60歳になったら誕生日には紅白のカーテンに囲まれ紅白のrice cakesや紅白のdumplingsがserveされ赤い着物を着る人です。日本ではこれを還暦の祝いというのです。白黒は葬式のようなunhappy dayの代名詞ですと答えると、あなたはさっき還暦と言ったが、還暦って何ですかときた。内心「しまった」と思ったが、スマイルを絶やさず、還means return 暦 mean calendar。大昔中国からきたphilosophyで、60歳の誕生日にrebornすることです。私は次の金曜日(11/30が試験日でした)の12/5が誕生日で65歳になるがこのtheoryではonly 5 years oldですと答えた。二人とも頷いた様子。もう終わりかなと思ったら、また歴史の話だが何故江戸城には城がないのかと聞かれた。姫路城や大阪城のように天守閣がないことだなと思い、東御苑の天守閣跡の説明板(12/23の天皇誕生日に2度富士アカデミーのツアーに参加した)を思い出し、If my memory serves me night, there was a big fire in 1637(1657が正解) called Meireki Big Fire, and the castle was burnt、再建の動きは勿論あったが、保科正之…3代将軍家光の弟が反対して再建しなかった。Because、国はstableになってpeacefulになっていたからです。Thank youと言われ面接が終わった。約15分と2007年度より長かった。3人一組で受けたが前の二人もそれぞれ15分くらいでした。この試験を振り返って:2次対策の授業と全く同じです。プロパー先生・Davidが言うeye contact、smileそして簡潔明瞭に答えることです。余裕綽々で行きましょう。その為にはテキストを何度も何度も読み書き、理解し、自分の物にすることです。茶道や生け花、歌舞伎、能といった分野が私は大の苦手でしたが、敢えて実践もしました。上野の国立博物館の催し(空海展・薬師寺展・・)、両国の江戸博、浅草、皇居、六義園、秋葉原、盆栽屋へも足を運びました。最後に発音について。私は2次対策の授業でよく発音を注意されました。私のthinkはsink に聞こえるとdavidとリーチ先生から言われた。I'm sinking では、私は水面下に沈んでいるになってしまう。 では皆さんの健闘を祈っています。 Never give up!