通訳ガイド当校合格者篠塚 由紀子さん
2012年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

自動車会社にて、海外との交信業務を担当しておりましたが、育児のために退社。その後、夫の海外赴任でアメリカのミシガン州とカリフォルニア州に計5年ほど暮らしました。その際、子供が小さかったこともあり、車にてアメリカ大陸の縦断・横断旅行をしました。どの観光地でも、できるだけ現地のバスツアー等に参加し、ガイドさんから、現地の方の生の声を聞くのを楽しみにしていました。日本に帰りまして、これからは、私が日本に来られる海外のお客さまをご案内できたらと思い、学生時代からの夢であったガイド試験の勉強を始めました。育児、介護をしながらの勉強は、独学では難しいと感じ、通信教育を探し、そこで、富士アカデミーを知りました。お電話したところ、現在は不景気なのでむしろローカルガイドの需要があると教えて頂き、地方の広島でもガイドの需要があると知り、富士アカデミーにて通訳ガイド受験準備を始めました。

1.1次試験英語対策

私は、試験免除で英語の筆記試験(英語の一次試験)を受けておりませんでしたので、私の英語練習法を紹介します。
渡米中に、日々英語を使っていて、一、二週間英語を使わない環境になると、英語がしどろもどろになってしまうという苦い経験から、“英語は筋肉”と考えるようになりました。(余談ですが、アヒル口を練習して英語の発音を体得する練習法も日本のYouTubeで見たことあります(笑)) つまり、“ウィンブルドンの試合を毎日見てもテニスは上手にならないのは、英語も同じ”と感じたのです。そこに、知念先生の"一日30分は英語を発すること"というアドバイスを頂き、今まで英語を何か練習した方が良いというモヤモヤとした思いはありましたが、“一日30分”というわかりやすい、実行可能な目安をつけて下さり、“これだ!”と即実行に移しました。CD付の通訳ガイド試験対策用の書籍(語研出版等)を中心に様々な英語のCDをいつも車の運転中に流し、シャドウィング(耳で聞いた英語をそのまますぐに口に出す英語練習法)をしました。先生の一言で、車の中でCDを聴きながら英語をぶつぶつと練習するのが日々の練習として私の生活の中で定着しました。

2.1次試験社会科対策

社会は好きな教科でしたので、気軽に社会科の通信コース(地理、歴史、一般常識)を受講したのですが、暗記すべき膨大な量を前に、始めは全く暗記ができず、落ち込みました。その時、岩渕先生が講義の中で、“忘れてもいいんです。それ以上に多くを覚えればいいんです。落ち込んでいたらそれが時間泥棒になります。”と言われ、何度もその言葉を思い出し、“時間を無駄にしてはならない”と、講義のDVD、プリント教材、白地図、山川のテキストを中心に学習を進めました。
とは言うものの、学生の時のように丸暗記は年齢的に不可能だと悟りましたので、社会科対策には講義に沿って、なるべくビジュアル資料を多用し、インターネットで検索したり、“地図の絵本”という児童向け図書やJTB出版の旅行に行きたくなるような“タビリエ”(全38巻)というコンパクトな旅行ガイドの本を図書館で借りたりもしました。特に、日本文化史のポイントになる主な建築・美術作品は、インターネットから関連する画像を集め、時代別にWordの文書に貼り付けて覚えるという方法を取りました。直前で受けた模試で、一般常識の点数がボーダーラインということが分かり、再度プリント教材を見直し、最後の追い込みに役立ったようです。

3.2次試験対策

実は1次試験の一般常識の自己採点が55点であったため、2次の面接試験をあきらめていました。そのため、来年に備えて一般常識用の参考書を買ったりしていたところに、1次試験の合格通知を受け取りパニック状態で富士アカデミーに電話をしました。事務の方が、すぐに2次面接対策用のDVDの教材を送ってくださり、教材が届くまでは富士アカデミーのサイトにある“2次レポート”を読むよう勧められ、レポートを読むことで、2次面接試験の概要が理解できかなり落ち着いたのを覚えています。
2次対策教材はセミプライベートレッスンを収録したDVD7枚物でした。文化の違いに造詣が深いナイジェル先生のブラックユーモアがとても楽しかったです。とはいうものの2次試験まであと3週間弱。先生が試験官となり生徒さんに質問をしている箇所でいつもDVDをとめ、自分も試験されてるつもりで回答の練習をしました。うまく回答できない箇所はDVDでの模範回答、表現方法を取り入れるようにしました。最初は、一枚のDVDに何日もかかって見ましたが、だんだんと早くなり試験直前の週には4枚ものDVDを一挙に見ました。その他、空いた時間もなるべくNHKワールドTV(海外向けに放送されているNHKのニュース、日本紹介番組)を見るなどして海外から日本へ向けられる目を意識するようにしました。

4.これから受験される方へのアドバイス

この試験を振り返って一番後輩に伝えたいのは、富士アカデミーで学んだことは、“知る”喜びを与えてくれるだけでなく、学んだことが即実践に活かせるということです。日本のことを知っているつもりでも、海外のお客さんに日本のことをわかりやすく説明するのは非常に難しいです。私は、富士アカデミーの講義、教材をこなしていると、その点が効率よく身についているという実体験をさせてもらいました。試験準備中にアメリカから知り合いが日本へ遊びに来てくれて、私は広島を案内するという機会に恵まれました。親日派の彼女でしたが、文化遺産(厳島神社、平和公園)を始めとして、日本庭園、居合わせた結婚式前撮りの和装の新郎新婦、辻村寿三郎の人形展(歴史的人物の人形がたくさんありました)等を紹介し、まさに習っている内容がオンパレードで、学びながら常に「英語ではどういうのかな?」と調べておいて良かったと胸をなでおろしたり、調べていない事を聞かれどぎまぎしたり。彼女の訪問で、勉強不足を痛感しましたが、以前とは違う手ごたえを感じ、富士アカデミーで学んだことは、外国のお客様に案内ができるようになる即戦力に結びつくと実感しました。
もう一点、私の1次試験での反省ですが、やはり過去の問題は複数年分やっておいた方がいいと思います。

5.富士のよかったところ

講義の内容が実際のガイドの仕事というビジョンに裏打ちされており、膨大な暗記作業が必要にも拘らず、講義に沿って短期間で楽しみながら効率よく通訳ガイド試験の準備ができるということです。また、通信教育も素晴らしいシステムでした。目的を同じくするクラスメートからの刺激が無いことや、試験に対する情報に疎い点は否めないかもしれませんが、適宜送られてくる、先生方のコメントが楽しく且つ的を得た内容の講義DVD、教材、模試等で、試験対策へのモチベーションを保ち続ける事は可能だと思います。実際、先生方から指導される内容、教材を学習し、合格へと導いてもらうことが出来ました。
加えて、DVD通信コースは、通学の必要がなく、自分のペースで、何度も繰り返し学習でき、先生方のつぶやきももらさず聞き取れ(笑)、2次試験対策も(前述した方法で)緊張感や臨場感あふれる中での準備が可能です。私には、富士アカデミーは、最低限の予算、最短の時間で通訳案内士の資格を取得できた最良の方法であったと言い切れます。