通訳ガイド当校合格者安達博明さん
2013年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

現在、外資系製造メーカーで購買部門に勤務しております。海外出張が多く、また、30代後半に仕事でフィリピンに2年ほど滞在したことで英語への関心が高まりました。7年ほど前から、地域の日本語ボランティア・サークルに所属し、週末にアジアを中心とした外国人に日本語を教えてきましたが、2008年のリーマンショックを機に、多くの外国人がいわゆる派遣切りにあい、帰国せざるを得ないという状況が発生しました。自分の親しくしていた外国人も帰国せざるを得なくなり、最後の授業で彼が言った"日本に憧れてきたが、自分たちの都合で平気で我々を解雇する日本人が嫌いになりました。"という言葉に非常にショックを受けました。また私自身も自己中心的な日本人の姿に失望しました。その後、2011年の震災がおきましたが、その際、厳しい環境下にあっても秩序を保ち、礼儀正しく振舞っている被災地の方々の姿を拝見し、日本人の素晴らしさを再認識しました。また同時に悪い印象をもって日本を去っていったアジアの実習生たちや、復興支援に協力して頂いたたくさんの外国人たちに、もっと日本、及び日本人の素晴らしさを知ってもらう方法がないかと考えるようになり、まさしくうってつけのこの資格試験にチャレンジするに至りました。

1.1次試験英語対策

富士通訳ガイドアカデミーの授業で使用する精読英文/単語・熟語の予習を中心に学習し、英字新聞を定期購読して時事問題や旬の単語を覚えるようにしました。精読英文では、先輩方からのアドバイスに従い、B5ノートの左ページに精読英文を糊付けし、右ページに英文を一行空けて書き写し、行単位で和訳を記述しました。この事前準備は英単語を覚えること、及び一語一語、正確に日本語化してより豊かな表現力を身につけるのに非常に効果的でした。授業の本番では、先生方の適切な和訳と自分の表現を比較し、追加・訂正箇所をノートに赤字表記して、自宅に帰ってからの復習の際に役立てました。
このB5ノートには、先生方からの貴重な情報がページいっぱいにメモ書きされており、自分にとってガイド試験受験における記念すべき宝物です。

2.1次試験社会科対策

富士通訳ガイドアカデミーのHPから過去10年分の問題をダウンロードし、3回ほど繰り返し学習しました。
また、富士通訳ガイドアカデミーのテキストは各科目ともに重要箇所が良くまとめられていましたので、まず、テキストを最大限覚えるようにし、参考書を使って知識の幅を広げました。特に日本史については、絵画、建築物の写真問題が必ず出題されていることから、高校生の娘に写真が多く掲載されている教科書の副読本を借りて知識を深めました。
地理については、もともと学生時代にも好きな教科で、ある程度の基礎知識もありましたので、あまり抵抗なく学習を進めることができました。

3.2次試験対策

富士通訳ガイドアカデミーでの二次試験対策用テキストを中心に勉強しました。予習に時間をかけ、授業の対象範囲のそれぞれの項目について内容を良く理解するとともに、関連情報をネット/参考書で調べて話題を豊富にし、授業での会話に積極的に参加できるよう準備しました。また、授業の後半に3~4名程度、模擬面接を受けられることから、模擬面接準備として、1つのトピックスについて2分程度で話しができるよう英作文し、完全に暗記するようにしました。
私の本番での3つのテーマは"お正月について"、"武家社会について"、"好きなスキー場とその理由"だったかと思います。"お正月"については、授業の模擬面接対策で丸暗記したテーマの一つでしたので、無難にプレゼンすることができました。二次試験のエピソードとして、プレゼン前に面接官が"2分間のスピーチで、1分たったら合図します。"と言われました。
それを信じて話し始めたところ、かなり時間がたっても1分間の合図がありません。おかしいと思いつつ、ありったけの知識を絞りだして話し続けたのですが、さすがに話題もなくなり終了しました。その途端に面接官から"すみません。合図を忘れました。"と言われました。結局4分近く話していたようです。

4.これから受験される方へのアドバイス

受験される方には会社勤めをしている方がたくさんいらっしゃると思います。私の会社は残業が多く、帰宅は10時過ぎになってしまうため、勉強時間を確保することが最大の課題でした。そこで私が取った方法は生活スタイルを朝型にし、会社での隙間時間を最大限活用することでした。朝5:30に起き、会社に7時30分に出社して始業前に1時間、昼休みは15分で食事を済ませ40分間、6:30pm~7:00pmの休憩時間には20分間と、会社にいる間に2時間ほど必死に勉強しました。週末土曜日は富士通訳ガイドアカデミーで4時間みっちり授業を受け、往復の電車で3時間、また日曜日は、極力、図書館に通いました。
仕事との両立は大変でしたが、隙間時間を合わせるとかなりの時間が生まれます。またそのようにして確保した時間だからこそ、大事に使おうと思い集中して勉強できたように思います。皆さんも隙間時間を有効に活用してください。

5.富士のよかったところ

知念先生の授業前の雑談と、授業中の日本の気質・文化・歴史・伝統芸能に関する逸話が大好きでした。
話題が多方面にわたりその知識の広さ・深さに感心しながらお話しを聞いていました。
また、岩渕先生には時事単語やその時々の旬の単語をたくさん教えて頂き、語彙力を高めることができました。
私は土曜日集中コースで2時間のコマを2連続で受けましたが、毎回、4時間の授業があっという間に終わってしまいました。当初、合格まで3年を覚悟して、富士通訳ガイドアカデミーでの講義を受け始めましたが、幸いにも1年目で合格することができました。また、この1年間の授業で日本と日本人の美点を再認識し、日本人であることに誇りを持つことができるようになりました。本当に充実した1年間でした。
知念先生、岩渕先生、そしてスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。