通訳ガイド当校合格者大矢保志さん
2013年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

おかげさまで勉強を開始してから12ヶ月で通訳案内士試験に1発合格でき、同時に観光英検1級にも1発合格することができました。御礼申しあげます。20年ほど前に地元の英語英文科を卒業し、航海計器の製造業に四半世紀ほど務め、少し早めに同社を卒業いたしました。通訳案内士試験を受験前に、国連英検A級、英検1級、貿易実務検定B級、日本翻訳連盟日英翻訳3級翻訳士を取得しています。また、TOEICは2012年905点、20年前の1994年に805点でした。オランダ国に駐在経験があり、環境プランナーとして「環境プランニング学会」に所属しています。大学時の先生のご縁で、ビッグバンからの歴史である「ユニバーサル・ヒストリー」を研究する市民大学であるユニバーサル・ユニバーシティにも入れていただきました。通訳案内士試験を受験した動機はといえば、語学を使って、観光でお金を稼いでよいという国家の唯一の許可証みたいな資格だからです。そして、どうやら自分の生きた人生が通訳案内士の資格で繋がりそうだと思ったからです。

1.1次試験英語対策

ご存知のとおり、英検1級者は、英語の1次試験は免除です。したがって、1次試験対策としては、全く勉強しませんでした。
それでも、2次試験問題の内容は1次試験問題の内容の延長線上にあると思いましたので、1次試験の内容を知っておく必要があると考えました。そこで、8月末の富士アカデミーの「1次試験結果速報会」に参加し、知念先生の解説を聞きながら、試験問題を解きました。試験の傾向についての知識を得ると同時に、模試のつもりで、その場で自分の回答を作成することによって、2013年度の英語1次試験の傾向を知ることができました。

2.1次試験社会科対策

2012年12月の勉強開始時点では、どう勉強していったらよいか、暗中模索の状態でした。
そこで、合格体験記を読みあさりました。このときに、富士アカデミーについて知っていたならば、入学していたかもしれません。富士アカデミーは知らなかったので、合格体験記を読みあさり、12ヶ月で1発合格した方々の体験記の中から、自分に合ったスタイルの方々に焦点を絞って参考にし、自分の勉強方法を確立することにしました。4月1日の時点で、自分の社会科の勉強方法を決めて走り始めて3ヶ月が経過していましたので、当校には入学しませんでした。3月までに暗中模索の方は「社会科対策コース」も受講することをお勧めします。手間が省けるからです。ですから、3月の無料「入学説明会」に参加して情報を取得し、自分の方向性を早期に決定することをお勧めします。直近の過去7年の問題を5回解きました。得点は、エクセルで、毎回グラフ化し、60点以上は黄色、70点以上は緑色、80点以上は青色とし、90点以上を目指して、繰り返し勉強しました。また、回答の選択肢についてもインターネット等で全部調べ、併せて覚えるようにしました。インターネットは便利なものです。歌舞伎や落語などの動画も含めて、知りたい事象をよく検索いたしました。それと、JNTOや、政府観光庁のホームページは定期的にチェックして、観光時事情報は必ず入手するようにしました。また、外務省や、環境省にまたがる記事については、さらっと関連省庁のホームページに目を通しておきました。観光白書はサマリーのところだけ、2年分に目を通すことをお勧めします。
ところで、富士アカデミーは、数回に渡り、「模擬試験」があります。
2次セミナー受講生は、7月の模試に限って、別途費用を払って受験することができます。この模擬試験を本試験と思い、社会科3科目で、それぞれ80点以上を取得することを目的に勉強しました。世間では、模擬試験で80点以上取得できれば、本試験の合格点が60点の試験は合格できると言われています。自分の点数は、地理73点、歴史82点、一般常識77点でした。本試験は、自己採点ですが、地理89点、歴史76点、一般常識82点での合格でした。

3.2次試験対策

「2次対策セミナー」は、3ヶ月で1クールです。12月初旬の本試験までに、2クール受けることができます。
直前2週間の「直前2次対策セミナー」を受講することもできますが、すぐに予約がいっぱいになってしまいますから、あぶれる可能性があります。9月からの2次対策セミナーも、いっぱいになってしまい、希望した時間が取れないこともあり得ます。
ところで、普段から面接の稽古をしていないと、面接で、突発的に対応ができません。というわけで、4月からの受講がお勧めなのです。英検の2次面接の内容が国際問題を選び、筆記は環境問題で、英検1級を取得したため、通訳案内士の面接内容については、予測がつきませんでした。観光関連について問われるとしても、2013年度から、試験内容が変わるということも手伝って、切り口がわからない。太刀筋を見切るというのが、剣術ではあるそうですが、その筋が見えませんでした。そこで、4月から、週1回だけ「2次対策セミナー」を受講することにしました。11月の「直前2次対策セミナー」のころには、どのような質問がきてもなんとかひととおりの説明ができるようになっていました。毎回の模擬面接での説明で、苦しまぎれに言い逃れ的な回答をしたり、回答があやふやだったり、間違った回答をしたときには、後で必ず自宅でおさらいをしました。また、自宅近くが、田畑や、野山や小川なので、お散歩しながら誰もいないところで、スピーチの練習をよくやりました。さらに、当校の「国内旅程管理主任研修」に参加して、添乗員の資格を取しました。通訳案内士だけが対象の講義ではありませんが、実際の研修を通じて、皇居や、明治神宮へ行ったり、すでに合格された案内士の方々にお会いしたりすることができます。
なお、当校がときどき主催する「通訳ガイド研修」への参加もお勧めです。ベテランガイドの先生のお手本を見ることができますし、土地勘もつかめます。皇居を巡ったときに、知念先生が、東京の祭りと京都の祭りの違いについて説明されたことを、本試験の面接のときになにげなく思い出して、面接官に説明することができました。研修中は、既に合格した案内士の方とお話しすることもできますので、「通訳ガイド研修」への参加は、お勧めです。

4.これから受験される方へのアドバイス

1次試験、2次試験の合格ラインを見極めて、自分がどの辺にいるのか、絶えず位置確認を正しくすることが大切です。
1次試験の合格者1200人中、900人足らずが最終的に合格しました。4人に3人は受かるということです。ですから、とにかく1次試験を合格することに全力投球してください。ただし、1次試験が合格してから、2次試験の勉強をするのは、運よく間に合うこともありますが、間に合わないと考えた方がよいです。7月初旬の「模擬試験」は、必ず受験して、模擬試験を本試験と考えて受験してください。ここで、高得点して、自信をつけることです。
次は、各メディアの活用方法についてですが、自分は、テレビは見ません。
その代わり、インターネットを活用します。そのほうが、時間が短く済みます。観光関連のテレビの番組は、時間は長くても、エッセンスは少しだけですから、インターネットで記事を入手します。 その他に、インターネットでは、英語ニュースをよく聞きます。ラジオ系では、WNYCや、PRIや、BBC、フォックスニュースなどです。ABC等の海外ニュース番組もよく利用しました。これは、ヒヤリング能力を落とさないためです。 英字新聞は、週に1日だけ読みます。本当は、毎日読みたいところですが、我慢して、週1日だけにしました。日本語の新聞も、我慢して、週1日だけ読むことにしました。日本の内容を知るには、日本語の新聞のほうが良いです。日本人ですから、素早く読むことができますし、英字新聞には記載していない日本の時事がよく掲載してあります。読売新聞は文化的な内容が多いということで、読売新聞を読みました。通訳案内士の1次試験の内容は広範囲なので、毎日、新聞を隅々まで読む時間はありません。

5.富士のよかったところ

富士アカデミーの良いところは、「各種研修」に参加できるということ、「2次面接対策セミナー」が単科として利用できるということです。また、タントラム先生は英国人ですが、日本の事象について、英国の文化との違いを指摘しつつ、説明なさいます。
ご承知のとおり、イングリッシュティーと日本のお茶の文化は切っても切れない関係にあります。英日両国ともお茶飲み人の国で、また、島国としての共通性があります。英語は、英語を母国語とする人々の言語です。母国である英国の文化と比較した上で、日本の文化の説明をすることは大切なことです。これは、文化的相互信託の受託者信用の問題(cultural fiduciary duty)と関連することで、我々日本人には、相手の文化についての説明をその国の人以上にする素地がありません。タントラム先生ですと、英国人に日本の文化をどう説明したらよいのかを学ぶことができます。時を同じくして、自分が観光英検1級を取得できたのは、4月からずっとタントラム先生であったことも大きいかなと思います。なお、先生は、観光英検1級の面接官をされていたこともあります。また、米国英語に慣れた日本人には、先生のオールドスクールイングリッシュを聞くことが、英語の音域に関する聴覚のバリエーションを増やすことにも繋がります。
ところで、一人で勉強していると、ときどき気が滅入ることがあります。授業が終わった後に、時々クラスメイトとお茶をして、情報交換をし、励ましあったのは、良い思い出です。同じ志を持った仲間というのは良いものです。おかげさまで、きっかり12ヶ月で、合格できました。富士アカデミーのみなさん、ありがとうございました。
最後に、わが父、母、妹、わが友に感謝、そして、神仏に感謝。