通訳ガイド当校合格者志村紀子さん
2013年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

大学では英文科に進みました。現在は電機メーカーで、主にライセンス契約交渉の業務をおこなっています。海外留学・駐在経験はございません。以前、会議の為来日した海外のお客様のアテンドをしたことがありました。その際、日本のことを色々聞かれたのですが、まったく回答できず、とても恥ずかしい思いをしました。
日本のことがうまく説明できれば、かっこいいなあ、と思い始め、知り合いが既に通訳案内士の資格を持っていたこともあり、この資格に興味を持ち始めました。富士通訳ガイドアカデミーでは、土曜集中コース(週2回)を1年間受講致しました。

1.1次試験英語対策

<単語について>
精読用英文や、毎週の小テスト、模擬テストで自分の語彙の少なさを思い知り、通勤電車の中で、水色の単語集を毎日覚えるよう努力しました。一度覚えた単語は、数日後、また数日後、そのまた数日後と、何度も繰り返し覚えました。短期的には毎週の授業で必ず即答できるようにすること、中期的には模擬試験時に行われる単語コンテストで90点以上を取ることを目標に掲げ、実践しました。結果的には、あの単語集の9割は覚えた状態で、8月の1次試験に臨めたと思います。あの単語集には、選び抜かれた3000語が収められているので、それらを覚えただけで、テストの長文のみならず、英字新聞等がかなり楽に読めるようになりました。知念先生の、「忘れることも楽しんでください。」「だらだら覚えても、少しは頭の中に残るものです」という教えのおかげで、めげずに単語習得に励むことが出来ました。
<日本事象説明プリント>
岩渕先生が、少なくとも各説明文の上から3行目までは暗記していた方がよいとおっしゃっていたので、1次試験までには覚えるようにしました。一次試験では、事象説明プリントの中にもあった「風呂敷」の説明が出題されましたが、暗記していた3行をそのまま書くことができて、とても助かりました。
<精読用英文>
精読用プリントと毎週の小テストで、英語を自然な日本語にすることの難しさを知りました。本試験では、和訳は結構シビアに点数を付けられるそうです。精読用英文は、自然な日本語訳をつけるのにかなり時間を要し、1週間考えてもうまい訳にならない英文も多々ありましたが、本試験ではこんなに時間はかけていられないので、精読用英文、小テスト、模擬試験の英文の1つの教材は、5~6回復習するようにし、その中で特に日本語にしづらい英文と、その模範和訳をピックアップしてノートに纏め、「こういう英文がきたらこう訳す!」と自分の中で決めておきました。知念先生の和訳はとても自然で且つ日本人の心をぐっとつかむものがあるので、とても参考になります。精読用英文や小テスト、模擬試験は本試験よりも難しいので、あれらの文章に慣れておくと、本試験がだいぶ楽に感じられると思います。

2.1次試験社会科対策

<地理>
国立公園と国定公園の場所、特徴、名前、世界遺産、主な山・川・山脈・半島等は、冷蔵庫に白地図を貼って覚えました。有名温泉の名前と場所、歴史的風土100選一覧は、会社の昼休みを利用して毎日少しずつ覚えるようにしました。
また、毎週日曜AM7:45から、NHKで放映される「さわやか自然百景」という15分の短い番組を録画してみておりました。
日本の国立・国定公園や名所、その天然記念物等を紹介する15分の番組です。風景を頭の中にイメージとして残すことが出来、実際そこに行った気分になれて、場所や特徴が結構スムーズに暗記できました。(実際の1次の得点:94点)
<歴史>
プリントで(重要)(最重要)と印のついた教科書のページと、各時代の文化のページは、太字のみならず本文も、写真、脚注に至るまですべて暗記するようにと、知念先生がおっしゃっていたので、そのとおり暗記しました。かなりしんどかったですが。私はひたすら音読して、耳と口と目で覚えるようにしました。その他のページも3回位音読して、少なくとも太字は覚えるようにしました。本試験では、かなり細かい問題もありましたが、先生に言われたとおりに暗記したおかげで、8割得点できました(実際の1次の得点:82点)。
<一般常識>
富士でもらったプリントは音読して一通り暗記しました。しかし、直前の公開模試では60点しか取れず(しかもそのうち20点はまぐれ当たり)、焦って岩渕先生に相談したところ、「月刊新聞ダイジェスト」を読むよう勧められました。直近3カ月位の出来事が良く纏められており、一問一答形式のQ&Aも巻末に付録されていて、何が今日本の論点になっているかが良く理解できました。アジア諸国のビザ緩和に関する問題が本試験で出ましたが、新聞ダイジェストにもこの記事が掲載されていましたので、正答することが出来ました。1次試験の直前に行われる公開模試では国会や内閣、憲法9条に関する問題が全問不正解という惨憺たる結果だったので、またもや岩渕先生に助けを求めたところ、中学生の使う公民の教科書が一番よくそのあたりのことが纏まっているとのことだったので、現在高校生の姪から、公民の教科書を借りました。
このおかげで、苦手分野(国政の仕組み、地方自治の仕組み、裁判員制度、戦後の日本の首相とその政策など)が、直前で覚えることが出来ました。(実際の1次の得点:84点)
<社会全般>
過去問7年間分を、5月のゴールデンウィーク中に2回位解きました。その後も2,3回解いて、直前の模擬試験までには、過去問は全問正解できるレベルにしておきました。過去問は、早めに、少なくとも5年分は解いておいたほうが良いと思います。問われる箇所は毎年似ており、どこを重点的に覚えればいいかが、わかります。

3.2次試験対策

<2分間プレゼン>
一次試験対策では、日本事象の上から三行目までを覚えましたが、その続きを自分の言葉で言えるようにしました。
予習復習は欠かさず行い、特に予習は、想定される質問に対する答えも用意しておきました。スピーキングはとても苦手なので、克服すべく、なるだけ授業では発言するよう心がけました。受講生同士のディベートは、さまざま且つユニークな意見を聞くことができて、とても楽しかったです。タントラム先生の鋭い質問は、しばしば回答に窮することもありましたが、おかげで心臓が強くなりました。「見たことが無い。行ったことがない。とは絶対言うな」というアドバイスは、本番の試験で活かされました。ブレイ先生は、一つの話題を、受講生同氏でディスカッション・問題提起させ、話題を膨らませる術に長けていらっしゃいました。このおかげで、一つの話題をさまざまな方面から考えることが出来るようになり、どんな奇抜な質問が来ても、切り抜ける力が付いたと思います。タントラム先生とブレイ先生に鍛えられたおかげで、本番では驚くほど冷静に対処できました。
2次試験対策クラスは、楽しく且つとても有意義でした。また出席したいです(笑)。また、1次試験対策の時に配られた時事単語は、言われたら反射的に言えるようにしておきました。これらの単語は2次試験でも必要になってくる単語ですが、2次では、沈黙すると即不合格と聞いていたからです。それでも、本番では、なかなか出てこなかった単語もあるのですが、反射的に言えるようにしておくと、例えその単語を度忘れしたとしても、何か似たような単語で表現することが出来るので、やはり反射的に言えるようにする訓練は必要と思います。

4.これから受験される方へのアドバイス

5.富士のよかったところ

富士の教材は最低限にして最強と思います。特に単語集は素晴らしいです。通訳案内士の試験だけでなく、英検やTOEICでも通用すると思います。この単語集を覚えた後に受検したTOEICは自己ベストを大きく更新することが出来ました。今後も使い続けて行きたいと思います。模擬試験で、成績優秀者の名前が壁に貼り出されたり、講師陣の人柄の出た講義内容も魅力です。知念先生はガイドになってからも使える知識を教えてくださり、岩渕先生は文法や単語の細かいところにまで気を配って教えて下さいます。2次対策のタントラム先生は、面白いけれどちゃんと生徒を鍛えることも忘れません。ブレイ先生は、とにかく生徒の自主性を重んじます。いずれも損を感じない、充実した授業でした。
そして、生徒のみなさんもユニークな方々が多く、お互いの意見を褒めたり、笑いあったり、切磋琢磨しつつ楽しく学ぶことが出来ました。事務の方々の気遣い・感じのよさは、とても安心感が持てました。また、試験前のタイミングで、学校主催で都内観光研修もやって下さるので、これも2次試験対策に役立ちました(富士通訳ガイドアカデミーが主催する研修ツアーは、私が見た限り、他団体で行う研修ツアーよりも、安いような・・・)。
また、学校主催で合格者対象のガイド研修を開始してくれたり、富士通訳案内士総合研究所があったりと、卒業後も知識を磨く場が確保されていることなども、大変有難いことです。優秀な講師陣、安心感のある事務の方々、ユニークな生徒、無駄のない教材、卒業後のサポート、これこそ富士の魅力だと思います。