通訳ガイド当校合格者青野さつきさん
2014年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

私は2013年の通訳ガイドコースの4月生として、富士通訳ガイドアカデミーに入学しました。それまでは、大学で学んで以降仕事で英語を使う事はなく、思い立った時に時々学習する程度でした。
ただ、外国の方と仲良くなりたいという思いは常に心にあり、たまに旅行客の方に道など尋ねられると、その小さなコミュニケーションにさえ喜びを感じてしまうところがありました。そんな私に通訳ガイドの仕事を勧めてくれたのが、私の父でした。実は父も昔通訳ガイドを目指した事があったそうで、 熱心に勧められて受験を考えるようになりました。ガイド試験について何も知らなかった私は、ネットで富士通訳ガイドアカデミーを知り、説明会に出席しました。その際、知念先生が前年度の試験問題を解説して下さっているのを聞いても、実は半分も分かっていませんでした。これは学力不足と諦めつつ、その場にいらした岩渕先生に勉強して出直した方がいいかと相談したところ、「やると決めてらっしゃるのなら、入ってしまって勉強された方がいいです。全然できないところから始められて、時間をかけて合格なさった方もいらっしゃいますよ。」と言っていただき、それなら3年はかかるという覚悟で始めようと入学を決めました。

1.1次試験英語対策

入学した時から英語の学力に不安のあった私は、周りの方々の学力の高さに圧倒され、宿題の量に驚き、いきなり窮地に追い込まれました。とにかく出来ることを精一杯やろうと決め、どんなに時間がなくても単語と精読英文の予習だけはやると心に決めました。
まずは単語ですが、教材のブルーの単語帳にある単語は、私には知らないものばかりだったので、とにかく暗記に努めました。時間はかかりましたが単語カードを作り、(宿題の出題範囲が異なる)4月生の分と12月生の分、どちらの範囲も覚えようと努力しました。とにかく時間がなかったので、単語は通勤時間内で覚えることに決めました。快速で通うのをやめ、各停の電車の中でひたすら暗記。徒歩での移動中は付属のCDの音声を聞いて暗記。この時間しかかけられない!という気持ちで、この時間にかけて暗記しましたが、正直完璧に暗記することはできませんでした。それでも試験本番では、単語に助けられたところがあったので、頑張って覚えて良かったと思います。
次に「精読英文」の予習ですが、古典的な方法ではありますが、ノートの左側に本文を写し、右側に訳を書くという学生時代のスタイルを採用しました。自力での訳がおかしなところは辞書を引きまくり、なんとか繕って訳して授業に参加していました。ですが、読めば読むほどおかしな私の訳は、先生の模範解答からは程遠く、毎回ノートが真っ赤になって授業が終わるという感じでした。毎回授業中に行う「小テスト」で試験の予行練習も積み、だんだんとコツを掴みかけた頃に本番だったので、そんな状態で最初の年にパス出来た事は奇跡だったと思います。その年から単語の問題が選択肢になったことに、かなり助けられたと思います。
その他にした事といえば、何もしないで1日が終わる日がないように、毎日の生活の中の細かい時間を使いながら暗記を励行していました。例えば、ドライヤーをかけながら時事単語を覚える。歯を磨きながら日本事象のテキストを読む。など、毎日やる生活習慣に組み込む事で簡単に習慣になって、わずかな暗記とはいえちょっとした積み重ねになったと思います。

2.1次試験社会科対策

最初の年は英語の勉強にかなり時間を取られてしまったので、社会に関しては富士通訳ガイドアカデミーのテキストを覚える事と、過去問を解く位しか出来ませんでした。当然勉強不足ですから、「歴史」と「一般常識」は不合格でした。運よく「地理」がパスできたので、翌年は社会科2教科の受験となりました。 最初の年の教訓を経て、「歴史」については、過去問で取り上げられた部分に対応している教科書の箇所を確認、富士通訳ガイドアカデミーのテキストをベースに自分なりにまとめました。また、試験の後半にある写真を使った問題が苦手だったので、市販の資料集を購入し写真を見ながら仏像、建造物、絵画などを確認しました。本番では直前まで見ていた黒い猫の絵が出題されていたので、試験中にもかかわらずテンションが上がってしまったのを覚えています。 「一般常識」は範囲も広く、かなり苦手だったので、とりあえず中学生向けの社会科の要点がまとめてある文庫サイズの参考書を購入、電車での移動中に暗記しました。富士通訳ガイドアカデミーのテキストと併用して、新聞の季刊紙で試験対策用にまとめられている物を読み準備しました。ところが実際の試験では手応えが悪く、自己採点でも合格点に達していないようだったので、なぜ合格できたのか?実は未だに疑問です。

3.2次試験対策

私は留学経験もないし、仕事でも英語を使っていないし、ということで、スピーキングにはかなりの苦手意識がありました。特に最初の年の2次対策のクラスでは、周りの方々のペラペラな感じに圧倒され、発言をする勇気がなかなか湧きませんでした。回が進むごとに自分の日本文化の知識の乏しさにも気付き、前半は精神的に辛かったです。ですが、担当してくださったブレイ先生は、私のつたない英語をなんとか聞き取り、その中から少しでも良いところを見つけ出してほめてくださいました。そのため次第に発言することが怖くなくなり、ダメ元で発言できるようになりました。扱うトピックについて勉強を重ねるうちに、要領もつかめるようにもなりました。翌年の本番までに、春と秋の2次対策短期集中コースも受講し、約1年がかりでの勉強となりました。実際私には、それだけの期間が必要だったと思います。ほめて伸ばしてくださったブレイ先生には、どんなに感謝しても足りないくらいです。
各トピックの試験対策について、先輩方の中には全て暗記したとおっしゃっていた方もいらっしゃいましたが、私の脳内容量では不可能だったので、自分なりの対策をしました。私がやったのはとにかくシンプルな方法で、そのトピックについて日本語で尋ねられたらどう答えるかを考え、伝えたいこと、伝えなきゃいけない事を箇条書きで書き出す事です。箇条書きしたものをベースに、頭の中で英作文して発言するよう練習しました。その際に便利な単語や表現は覚えましたが、なるべくその場で伝えたいと思う事を大事にしました。このやり方だと高度な表現は出来ませんし、実際中学生の英作文レベルの文章ばかりのプレゼンになりましたが、気持ちは乗せやすかったと思います。暗記していた文章が浮かばなくてパニックになる事もありません。実際の試験では、扱ったことのないトピックばかりで焦りましたが、伝えたいと思う事を大切に、先生に毎回ほめていただいたスマイルだけを武器になんとか乗り切りました。

4.これから受験される方へのアドバイス

皆さんそれぞれの事情を抱えながらお勉強されると思いますが、特に仕事をされながら勉強されている方は時間との戦いだと思います。私のように学力に不安のある方は、周りの方々と比べて落ち込むこともあると思います。勉強中は様々な不安や焦りがあると思いますが、私は周りの方々の事は素直に尊敬し、でもなるべく比較しないようにしていました。あまり完璧を求めすぎず、今出来ることを精一杯やるということだけに集中しました。時間がなくて充分な勉強が出来ない日も、必ず5分でも何かをやるようにするだけで、こんなに忙しくてもこれだけはやったと自分を励ます事ができます。勉強中に大切なのは、自分の気持ちのコントロールだと思うので、たまには自分を甘やかしながら、気持ちのメリハリもつけて頑張って下さい。
私でも合格できた試験ですから、皆さんも必ず合格出来ると思います。

5.富士のよかったところ

富士通訳ガイドアカデミーの先生方は、落ちこぼれ気味な私も見捨てずに、丁寧に指導してくださいました。
アットホームな雰囲気で学びやすく、授業後も勉強方法についてのアドバイスまで、親身にしていただきました。また、事務の方々にはいつも優しい言葉をかけて励まし応援していただきました。おかげでかなり癒されました。そしてなにより、ともに励まし合い、刺激し合ったお友達との出会いは、何物にも変えられません。私にとって素晴らしい宝物になりました。
富士通訳ガイドアカデミーを選んで、本当に良かったです。