通訳ガイド当校合格者中村麻里さん
2016年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

英語の勉強を始めたのは小学1年生、近所の英会話教室でした。他のお稽古は続かないのに、英語だけはやめることなく中学に入るまで続けました。中学は当時としては英語教育に熱心な私学で、アメリカへの研修やnative speakerの先生がいらっしゃるなど恵まれた環境でした。ただ、私が中学~高校ぐらいの時から帰国子女のいわゆる「バイリンギャル」がTVなどによく出てくるようになり、ずっとdomesticな私は彼女たちのように流暢に話すことはないだろう、むしろ他を見るべきと考え、大学ではポルトガル語を専攻し、現地に留学や在外公館派遣員などの経験を積みました。その間英語力はかなり落ちていたのですが、会社では海外との仕事なのでポルトガル語だけでなく英語も使う機会が増え、ここで書く力はかなりついたと思います。何か自分の力を証明するものがほしいと思い、産休中にポルトガル語で通訳案内士を受験し、合格しました。そのまま漫然と会社員を続けていたのですが、一昨年大学時代の友人がポルトガル語で通訳案内士を受験することとなり、一次筆記試験の指導を行いました。その際、試験要項が変わり自分が二次面接だけで受験ができることを知りました。TOEICのスコアは950を超えていましたが、表現力含め自分の英語力にさらに磨きをかけたいと思い、今回の挑戦となりました。

1.1次試験英語対策

TOEICのスコアで免除でしたので勉強はしていません(ただし、会社で受けたのはIPテストで受け直す必要があったため、受験を一年延期することとなりました)。日常の業務で英文を扱う機会が多いこと、普段から原書で小説を読むことが多いので比較的advantageはある方だと思います。ちなみに、ポルトガル語についてはJapan Foundationが出していた日本文化に関するテキストを読んで書き写すことなどを当時はしていました。仕事でポルトガル語の契約書やレターを扱うことが多かったので書く・読むはさほど難しくありませんでした。

2.1次試験社会科対策

社会科も通訳案内士を既に持っているので免除でした。当時、他のスクールですが、通信で集中講座をとり学習しました。もともと社会科が好きで教職を社会科で取ろうかと考えるほどでしたので、新たに詰め込む知識がさほど多くなかったためかあまり難なく臨めたと思います。

3.2次試験対策

現在は海外プロジェクトの担当ではないため英語を話す機会が減ったこともあり、迷わず富士通訳ガイドアカデミーに申し込みをしました。家から近かったこと、募集しているクラス単位の人数が少なかったので効率よい学習ができると考えました。
海外に滞在していたときから日本のことを聞かれる機会も多かったので経験値としてはそれなりにありましたが、限られた時間で的確に、ということになりますと、どの程度か加減もわかりませんでしたので、2次対策短期集中コースはその意味で有意義でした。最初はこれだけの情報量を迅速に頭の中で盛り込めるか不安でしたが、同じクラスのみなさんがとてもたくさん予習されていたので(すいません、既存知識だけで押し切ってしまったのは私です)、いろいろ追加で学ぶことも多かったです。また、単に聞く・話すだけでなくプレゼンテーションに必要とされる表現(demeanor)についても、何度もご指導いただきましたので、当日は落ち着いて試験官の方に語りかけるように答えることができました。また、どの程度の情報量を盛り込むべきか、時間配分はどの程度かなど詳細に説明いただいたのはとても有益でした。レッスンの間、先生が随時ほめてくださるのはとても心強く、「あ、これでいいのだ」と自信をつけることができました。
当日、英訳はちょっと焦ってしまいいつもに比べ余裕がなかったのですが、プレゼンテーションのテーマの一つに「ご朱印」があり、たまたま自分が趣味と実益を兼ねてご朱印めぐりをしていることもあったので、比較的容易にプレゼンテーションを行うことができたのは僥倖としかいいようがありません(これもご朱印のご利益のひとつでしょうか)。

4.これから受験される方へのアドバイス

英語を学び始めた時、ポルトガル語を学び始めた時にセルフレッスンとして「日常のことを外国語で表現する」というのをやっておりました。例えば駅の看板とか、手に取った広告やメモの注意書きなどですが、自然と構文が頭に浮かんでくるようになるので有効だったと思っています。どちらかといえばボキャブラリーが多い方ではないので、決して背伸びをせず、自分がわかる単語で表現するようにすると聞いている方も理解しやすいことが多いように思うので(あまり難しすぎる単語だと聞いているネイティブ自身がその語を知らないこともままある)、まずはシンプルな表現から、次第に慣らしていくとよいと思います。
また、観光地のパンフレットやHPなどで英語でどのように表現しているか比較するのも良いと思います。
富士通訳ガイドアカデミーで受講したのは、二次試験対策だけでしたが、教材はとてもよくまとまっていますので音読をするとよいと思います。黙読より頭に入ると思います。

5.富士のよかったところ

一次試験免除でしたのでそれまでじっくり学習して蓄積されてきた皆様の中でどの程度までimproveできるか不安半分でしたが、先生のノセ方が上手でいらしたので、終始楽しくレッスンを受けることができました。
また、クラスが少人数制なのはとてもありがたかったです。2次試験対策短期集中コースは10名、直前セミナーは5名の定員でしたので、お互いの発表をじっくり聴き学ぶことができ、参考になるものがたくさんありました。二次試験対策だけでしたが、孤独な勉強の中でお互い共通の目標に向かう仲間がいることは心強かったです。本当にありがとうございました。