通訳ガイド当校合格者武子達之さん
2016年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

始めに私は留学経験も無く、仕事で英語を使うこともありません。また英語が得意だった訳でもなく、今でも得意だと思っておりません。英語学習のきっかけは、十数年前に転職を考えた際、英語力が必須だったためTOEICや英会話などを始めました。転職はしなかったのですが、英語の勉強はその後も続けていました。その後も英語を使う機会は無く、勉強を続ける理由を探していた時に通訳案内士の仕事を見つけました。この資格自体は以前から知っていましたが、超難関であることは知っていたので「いつか時間が出来たら挑戦してみよう」程度に思っていました。そんな時に富士通訳ガイドアカデミーの説明会に参加し、合格者のお話や実際のテキストなどを拝見し、「やればできるかもしれない。やってみよう」と決心しました。

先に参考までに開始時点の科目別の前提条件を記載します。
英語:TOEIC 890、英会話力は昔の某駅前留学でレベル2
日本史:受験が日本史だったので、比較的得意
地理:旅行などは好きだが、得意ではない(最後まで苦しんだ)
一般常識:新聞やニュースには目を通すが得意ではない(最後まで苦しんだ)

次に学習時間の目安ですが、平日は3時間、休日は5時間を目安に勉強しました。時間の確保と体調管理が最も難しいのですが、「テレビ・ネット・スマホをやめる」「歩いている時間、電車・バスを待っている時間などの隙間時間を全て使う」「昼食も同僚と食べるのを止めて勉強時間に充てる」などの工夫で時間を確保しました。

1.1次試験英語対策

英語は富士通訳ガイドアカデミーの教材以外は使いませんでした。単熟語集は毎回小テストがあるので、音声ファイルを宿題範囲に分割し、通勤、昼休みなど隙間時間に聞いていました。精読用英文、小テストで使われる英文は日本文化、日本人の考え方などを知る教材として、単語集含めて個人的にはとても役立ちました。
小テスト、模擬試験や単語コンテストなどの試験はタイムマネジメントという点で非常に有効です。独学ですと学習成果の把握などが難しいですが、学校の場合は模擬試験などのマイルストーンに向かって学習を進められるのが利点だと思います。

2.1次試験社会科対策

■地理
富士通訳ガイドアカデミーのテキスト、模擬試験などの教材以外には、「旅に出たくなる日本」、駅にある観光案内のパンフレットなどビジュアルで覚えられるものを副教材として使いました。
■歴史
「アナウンサーが読む聞く教科書 山川詳説日本史」に付属するCDの音声データをスマホに入れて、2倍速で通勤時に聴くことで全体の流れを把握しました。  「山川 ビジュアル版 日本史図録」もお寺や仏像などを記憶するのに役立ちました。
■一般常識
対策が難しいので、富士通訳ガイドアカデミーのテキストと市販の過去問を中心にやりました。

3.2次試験対策

今年は合格しましたが、前年度の二次試験では不合格でした。まず不合格の自己分析ですが「ガイドとしてのプレゼンが出来なかった」「試験官の質問に最後まで食い下がって対応できなかった(諦めてしまった)」が不合格の理由だったと思います。プレゼンでは「のれん」を選択したのですが、その起源など一般的な説明のみで、プレゼン自体も1分間で終わってしまいました。試験官から「まだ一分ありますがよろしいですか?」と聞かれ、うろたえてその後で外国人の試験官から多数の助け船の質問をしてもらったのですが、対応できませんでした。
結果、新たに一年間を10分間の二次試験のために費やすことになりました。

今回はひたすら悪い部分の修正に時間を費やしました。具体的には下記のとおりです。
<教材>
・富士通訳ガイドアカデミーの教材、他の教材(ハロー通訳アカデミーの300選、あなたも通訳ガイドです、日本まるごと辞典、英語で日本紹介ハンドブック、英語版の各種観光パンフなど)を併用。
<タイムマネジメント>
・時間の感覚が身につくようキッチンタイマーを常に持ち歩く
頻出テーマの一覧(200くらい)を印刷してポケットに忍ばせて、歩きながら、電車の中でなど時間を見つけてぶつぶつと時間内に収まるように練習しました。
<ガイドとして求められる部分を磨く>
・聞きやすさを磨く
ボイスレコーダーで自分のプレゼンを録音し、スピード、アクセント、理解し易さなどを客観的に分析しました。早口で話すクセがあるので、(ガイドなので)ゆっくり丁寧に話すよう心がけました。
・臨機応援さと度胸を磨く
直前になったら富士通訳ガイドアカデミー以外の模擬面接にも積極的に参加し、場慣れをしました。初めての外国人講師、準備の出来ていないトピックであっても、面接で焦らず臨機応変に対応するには場数を踏むのが一番です。
・態度を磨く
表情と声の大きさ、態度などによく気を付けるようにしました。語学力や歴史や地理の知識も必要ですが、ガイドとしての特性も評価されます。外部の模擬面接で他の生徒さんを見て感じましたが、総じて「声が小さくて、表情が固い方が多かった」です。外国人のお客様に講義をするのではなく、楽しんでもらうガイドですので、その点をよく意識することが大事だと思います。
<体験する> ・世界遺産や観光名所、文化体験をできるだけしておき、質問にも答えられる準備をしました。実際に体験すると交通案内、予算、外国語対応など観光に関連する情報を実地で把握できます。
<その他>
外国人向けの日本の観光紹介サイトはチェックしておいた方がよいです。問題が出される可能性が高いです。

二回目は「盆栽」を選択し、簡単な起源から盆栽ミュージアムという流れで説明しました。

4.これから受験される方へのアドバイス

語学の勉強にとどまらないところが通訳案内士の良いところだと思います。決して諦めずに最後まで続けてください。

5.富士のよかったところ

・アットホームである
講師もスタッフもとてもアットホームな感じがあり、居心地が良いです。ただし、試験対策としては学校だけに頼らず、自ら積極的に情報収集して動くべきだと思います。
・授業内容はアカデミックだが楽しい
英語の精読はじっくりと時間をかける、二次対策では日本人なのに自国の文化を説明できないことに毎回驚かされるなど学ぶことの楽しさに触れられます。毎回の小テスト、単語テスト、英作文の添削などもいま思い出すと楽しかったです。

最後に知念先生、岩渕先生、タントラム先生およびスタッフの方々にはとてもお世話になりました。
また機会がありましたらよろしくお願いいたします。