通訳ガイド当校合格者影島宏紀さん
2017年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

ガイド試験を受験しようとした動機は学生時代にまでさかのぼります。日本の大学に興味の無かった私は、当時通っていた高校の先生方の反対を押し切って、アメリカの大学に進学しました。その時にできた友人の何人かに日本のことが好きという人間がいて、授業内外で日本のことを教えました。ある年の夏休みに彼らが「富士山に登ってみたい」「ヒロキは登山経験があって、富士山のふもとの出身だから土地勘もあるし、何より英語ができるからお前が必要なんだ。連れていってくれないか?」と強くせがまれ、富士山に連れていきました。その時に日本人の登山マナーの良さや山小屋の人達の親切な応対にひどく感動したようで、「やはり日本は素晴らしい国だ。」と口々に言っていました。それから"日本のことを外国の人に発信できる仕事に携わりたい"と考えるようになり、その一つとしてこの通訳案内士の資格を取ろうと思いました。

1.1次試験英語対策

1次試験対策は独学で勉強しました。まず、長文問題は単純に英語力を問う問題なので、日本に対する知識は必要ありません。英語力に関しては、留学をしていたので自分の英語力を信じていました。これと言って対策はしていませんが、大学受験を受ける時と同じ様な感覚で勉強をすれば良いと思います。
次に後半の日本文化に対する英文説明を選ぶ問題ですが、ここで日本に対する知識が必要になります。というか、逆に言うと日本に対する知識があれば高い英語力が無くてもその知識を駆使すれば消去法で正解を見つけ出すことができると思います。僕の場合、基礎的な英語力には問題ないと思っていたので、"日本のことを英語でどう言い換えたら良いか?"ということを考えていました。例えば、家紋は英語で「Family Crest」と言うようですが、"Crest"という単語はそれほどよく見聞きする単語ではないと思うので、よく見聞きしていてかつイメージしやすい「(Family)Emblem」という単語でも良いのではないか?と考えてみたり...った感じです。個人的には"知っている"ということより、"理解している=日本のことを知らない外国の方々に分かってもらえる様な説明ができるか?"という事が大事だと思っています。ただ単純に英語で訳された単語を知識として頭に入れるより、皆さん一人一人の英語力で日本のことをどう伝えればよいかと言うことを重視すると、ただ英語を知識として頭にたたき込むだけのたいくつな勉強より面白い勉強ができるかと思います。そのための教材として富士通訳ガイドアカデミーの教材や講義を使用すると良いのではと思います。

2.1次試験社会科対策

英語同様、こちらも僕独自の勉強方法をお話します。
地理・歴史に関しては、あまり分野分けせずに勉強していたと思います。同じ場所、人物に関する問題が地理・歴史両方から出題されるということもあるので、地理的な見方と歴史的な見方と両方の見地から勉強すると良いと思います。地理に関しては、世界遺産に関する問題は必ず出題されます。ただ、それだけではなく、その周辺の地理や観光地に関する問題も出題されているように思うので、世界遺産"のみ"の勉強だけで終わりにせず、その周辺の観光地や世界遺産との関係(構成遺産に関する問題も多いので)も確認しておくとよいと思います。
歴史に関しては、高校の世界史の教科書を使っていたように思います。日本と諸外国との交流史なども出題範囲になっていると思うので、世界史の教科書の中で「日本」という言葉が出てくる時代にしぼってその時代に関係のあった国とその国出身の有名人なども見ていました。逆もしかりです。世界史の教科書を開いていると、日本に外国からやってきた外国人に目が行きがちですが、日本から外国へ出ていった日本人などもいます。例えば、秀吉に追放されフィリピンへ行った高山右近や伊達政宗の命でヨーロッパに行き時のローマ法王に面会した支倉常長などです。もちろん、彼らも出題範囲です。
後、日本独自のものと思っていたものにも外国のエッセンスが入っていたりもします。神社は日本独自のものですが、埼玉県日高市にある「高麗神社」は朝鮮半島から渡ってきた朝鮮人の王様が御神祭だったりと、日本にしかないものと思い込んでいたものが実は外国の影響を受けていたり、外国発祥のものが長い歴史の中で独自に発展して日本独自のものと思い込んでいたりするものもあるのでよく注意しながら勉強してみて下さい。
一般常識は、観光白書のダイジェストをコピー又はダウンロードして常にそこに出てきた表や数字などを覚えていました。それでもよくわからない時は、地図帳などを出してそこに出てきた表やグラフなどの副材を使いながら理解を深めていました。

3.2次面接試験攻略法

富士通訳ガイドアカデミーの2次試験直前セミナーは、本番と同じような環境を作り、本番と同じようにネイティブの先生を面接官に見立てて模擬面接をします。僕にとっては、この「本番と同じような状況がある」というのが大事だったと思います。模擬とはいえ、やはり本番と同じような形で進むので、初めて2次に挑む方には本番の雰囲気を理解するいい機会だと思っていますし、リトライする方には本番の雰囲気を思い出して、自分を奮い立たせるという意味でとても大切なことだと思います。
一つだけ、2次試験で気をつけた方が良いことをお話します。最初の逐次通訳についてです。日本語の説明を聞いていると、説明が長くて全て聞きとれなかったり、よくあるのが説明を聞いていて英語訳するのが難しいもしくは分からなくなって、後の説明が全く頭に入ってこないということです。試験の一番最初なので、ここでつまずくと精神的にきつくなります。説明は分からなくても最後まで聞くということに集中して下さい。聞いている間のメモの取り方や気持ちの持ちようなどは座学でアドバイスを受けると良いと思います。もちろん、富士通訳ガイドアカデミーの2次試験対策直前セミナーでです。

4.これから受験される方へのアドバイス

2つだけアドバイスさせて下さい。
1つめは、実際に現地に足を運んでみて下さい。この試験は日本に「観光」に来る客をガイドするための資格です。机に向かって本を開くより、実際に旅行に出て現地を見てくる方がよっぽど有効だと思っています。百聞は一見にしかずです。
2つめは、行動することだと思っています。といっても、上記のことではありません。2次試験受験後、インターネットで他の時間帯にどのような問題が出題されたのかを知りたくて、チェックしてみました。その中で“インスタ映え”という問題があったのでハッと思ったのですが、インスタ映えがどういうものかテレビやネットから調べるのではなく実際にインスタグラムを始めて、色々と写真をアップデートすれば良いのではと思います。そうすればインスタ映えを自分の言葉で説明できるようになるのではと思ったからです。
実際、僕の2次試験のプレゼンテーションは「神道」でした。神道の説明をするのはもちろんですが、僕は実際に一昨年の年始に三重県の伊勢神宮に、昨年の年始には愛知県の熱田神宮にそれぞれ参拝に行っていたので、その時のことなどを話しました。ネイティブの試験官の印象によく残ったようで、その後、質問攻めにあいましたが(笑)
本や資料などを眺めて理解を深めるのもよいですが、実際に自ら行動し、経験・体験することを僕は強くすすめます。そのほうが頭によく残ります。僕は正攻法での勉強(机に向かって行なう座学のことです)があまり好きではないので、どうしたらその必要を最小限にできてかつ頭に残りやすい勉強ができるかという事を考えたときにこの2つに行き着きました。

5.富士のよかったところ

・2次試験の模擬面接が本番とよく似ている。
・ネイティブの先生の説明がとても丁寧。
・1コマ定員5名と、定員数が定まっていたので、過度に緊張しなくても大丈夫なこと。