通訳ガイド当校合格者木村 昭裕さん
2017年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

会社の仕事の関係で、非英語圏を中心に通算15年間の海外駐在を致しました。その間、海外での生活で、現地の人々に大変お世話になりましたので、帰国してからは、日本に来る外国人の方々のために何かお役に立つようなことをしたいという気持ちを持っておりました。2020年の東京オリンピックの時に、ボランティアで観光ガイドなど出来たら良いと考えていたところ、たまたま通訳案内士という国家資格があることを知りました。英検1級を持っていると英語の1次試験が免除になることもあり、受験にチャレンジしてみようと思いました。

1.1次試験英語対策

英検1級を持っていたので、1次試験は免除でした。

2.1次試験社会科対策

平成28年に独学で初めて筆記試験を受験しましたが、受験勉強を始めたのが試験直前で準備の時間が足らず、地理と一般常識は、何とか合格できたものの、日本歴史を落としてしまい、二次試験に進めませんでした。どの科目も筆記試験の内容がとても難しく、独学では次回受けても合格できる保証はないと感じたので、学校に行って勉強しようと思いました。試験会場でいくつかの学校から案内を受け取りましたが、勤務先からのアクセスが一番便利な富士通訳ガイドアカデミーが良いと考え、説明会に参加し、授業の内容などの説明を聞いたうえで、お世話になることに致しました。

具体的には、1月開講社会科短期集中コースの通学コースで日本歴史を学びました。試験の内容は、基本的には、山川出版の教科書「詳説日本史」に書かれていることをきっちり覚えることができれば合格できるものですが、覚えなければならない範囲が非常に広く、実際の試験でどの範囲から出題されるかが分からないところが問題でした。同コースの授業の中では、古代から明治時代くらいまでの範囲全般について講義を聞きました。その後、教科書をもう一度丁寧に読み込んで、要点をノートにまとめる形で勉強しましたが、社会科短期集中コースの受講生向け教材についても、歴史上重要な寺社や文化財の写真を覚えるために活用しました。その結果、平成29年8月の試験では、日本歴史の筆記試験に無事に合格することが出来ました。

3.2次試験対策

自己採点で筆記試験に合格していると思ったので、すぐに9月開講の2次試験対策短期集中コースに申し込みました。対策コースで毎回配布される教材には、日本の有名な観光地・お祭りや様々な日本文化に関する5つのトピックスについて英文説明が載っていて、内容もよくまとまっており、基本的な知識を付けながら英語表現についても学ぶことが出来て、役に立ちました。私は、それに加えて、書店で購入した英語による日本紹介の本を読んで、出来るだけ多くのトピックスについて英語で何か話せるよう知識をつけました。講座ではJohn Blay先生のクラスで、通訳試験とプレゼンテーションの練習を行いました。通訳試験の練習は、他の生徒が読み上げた日本文を通訳する形式、プレゼンテーションは先生が面接官役になって模擬面接という形で毎回行いました。いずれも試験本番と同じ形式での練習で役に立ったと思います。
特に模擬面接では、あまり知識がないトピックをしどろもどろになりながら話したり、2分間の時間の感覚が中々つかめず大幅に時間を余らせたり、オーバーしたり、プレゼンテーションの後の先生の質問が予期せぬ内容で頭が真っ白になったりと様々な失敗をしました。実際の二次試験本番のプレゼンテーションでは、あまり準備をしていなかったトピックを選択せざるを得ず、面接官からも知らないことについて質問されたのですが、2次試験対策短期集中コースで数多く練習をして、その中で色々な失敗をして学んだ経験があったので、何とか切り抜けられたのではないかと思います。

4.これから受験される方へのアドバイス

社会科筆記試験:どの科目も範囲が広く、どこから出題されるかわからないので、事前準備にとにかく時間がかかります。1年くらい前から準備を始めてじっくり学習し、万全な状態で試験に臨まれることをお勧めします。
二次試験:通訳試験では、日本人の通訳ガイドの方が日本文を読み、それを聞いた直後に制限時間内に通訳しなければなりませんでした。試験で読まれた日本文が予想以上に長く、読まれた通りに全て忠実に通訳することは、かなり難しいので、細かい部分まで正確に訳すことにこだわりすぎない方が良いと思います。また、読まれる日本文のメモを取ることが許されていますが、私の場合、試験本番の時に焦ってメモを書いたため、結局見ても何が書いてあるかわからなくなって余り役に立ちませんでしたので、メモの取り方も練習しておくと良いと思います。プレゼンテーション試験では、試験官からの質問の中に答えられないようなものがありましたが、「直接の答えは知りませんが、私はこう思います。」という形で回答しました。質問に答えられなくても、会話を続けることが重要だと思いました。

5.富士のよかったところ

1月開講社会科短期集中コース:講師の知念先生、岩渕先生は経験豊富で、講義の中で過去の出題傾向を踏まえてきちんと覚えておくべき個所はどこかについて説明して下さったので良かったです。また、教材も要点がコンパクトにまとまっているので、試験直前に出題範囲全般のおさらいをする時に非常に役に立ちました。
2次試験対策短期集中コース:毎回5トピックス×全9回=45個のトピックスを授業の中で学習し、少なくとも、授業で学んだ45個のトピックスについては、試験で出ても大丈夫という安心感が持てました。一番役に立ったのは毎回の模擬面接です。家で一人で練習するのとは違い、Native speakerのJohn Blay先生と緊張感を持って練習することが出来ました。
事務局の方々もコース内容や通訳案内士試験の内容についての質問に対して非常に丁寧に説明をして下さり大変助かりました。 私が無事に合格することが出来たのも、富士通訳ガイドアカデミーの皆様のおかげだと思っています。
ありがとうございました。