通訳ガイド当校合格者三瓶 弘行さん
2017年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

中学で英語を学び、その後、大学の付属高校に入ったので、大学の受験勉強はしませんでした。大学を出てメーカーに就職し、貿易の仕事を始めました。銀行信用状の英語から始め、海外支店とのコレポンを海外帰りの上司に添削してもらったりして、少しずつ英語を学びました。数年して海外出張に出るようになり、その後通算で18年ほど海外に駐在したので、仕事で使う英語はかなり出来るようになりました。30数年は夢のように過ぎました。

定年近くまで海外に駐在していたので、定年になったとき、さあどうしようと思ったのですが、ビジネスはもう十分やったので、そろそろ自分が本来好きなことをしようと思い、通訳案内士試験を受けることにしました。スタートが遅いので、必ず一年で受かろうと思いました。幾つか予備校を調べ、2016年の11月に一番良さそうと感じた富士通訳ガイドアカデミーの一年コースに申し込みました。

1.1次試験英語対策

富士通訳ガイドアカデミーの一次試験対策授業の構成は、単語の確認、精読英文、英作文、小テストと解説と今どき珍しいほどオーソドックスですが、私には合っていました。仕事の後の夜の授業も苦にならず、楽しみに通っていました。知念先生と岩渕先生の個性がにじみ出て手作り感のある講義は他では経験出来ないものではないかと思います。いつも時間オーバーで講義が続き、質問にも最後まで丁寧に答えておられました。一次試験のあった8月の後は2次試験対策授業へと切り替わるため、一旦終了となったのが残念でした。

当初は一次試験から受けるつもりだったのですが、途中で、TOEICを受験することにしました。840点なら何とかなるだろう、受かってしまえば儲けものと考えたからです。参考書を何冊か読み、公式問題集と非公式問題集のテストを時間を計ってそれぞれ一回分やって受けたところ、幸いに一次試験免除の点数を得ることが出来ました。富士通訳ガイドアカデミーの一次試験対策授業の効果もかなりあったと思います。これが分かったのが4月で、これで8月までは社会科3科目に集中できると少し気が楽になりました。一次試験の勉強は二次試験に直結しているので、免除でも一次試験の勉強をすることはお勧めです。

2.1次試験社会科対策

社会科については、まず過去問に当たれとの指導があり、過去問を5年分やってみました。準備していない段階で、どの年度も三科目とも何とか合格基準点を超えられたので少し油断しました。これは大きな間違いでした。三科目とも範囲が広いので、自分が強い領域が出れば、良い点が取れますが、当然そうでない年も出て来ます。私の場合、地理が本番だけ70点が取れず、60点台前半でした。幸い合格基準点と実際の平均点が乖離したときに行われる補正で救われた様です。薄氷を踏む一次試験通過になりました。三科目とも富士通訳ガイドアカデミーのテキストは良く作り込んであり、長年の経験の蓄積と先生たちの息吹も感じられる内容でした。講義は短期集中ですので、聞き漏らさないように集中して聞いて、その上で富士通訳ガイドアカデミーのウェブサイトのビデオで重要なところは再度確認されると良いと思います。

<日本地理>
兎に角日本中のどこから問題が出るか分からないので、日本中を満遍なく勉強するのが良いと思います。世界遺産、国立公園、広域観光周遊ルート、山、川、温泉、滝、渓谷など基本となるところは、北海道から沖縄まで何が出ても答えらえるように、徹底して頭に詰め込んでおくのが、確実にパスする方法だと思います。頻出テーマや、その年に出そうなことは知念先生、岩渕先生の話に出てくるので良く聞いておきましょう。

<日本歴史>
今年の日本史は比較的優しいと感じました。もともと文化史を除いては得意科目だったのですが、今年は文化史関係の出題が無く楽でした。歴史は大きな流れをつかむのが大事なので、山川の教科書の通読は必須で、その上で富士通訳ガイドアカデミーのテキストで時代毎に要点を整理すれば良いかと思います。

<一般常識>
この科目は本当に何が出題されるか分からず、一般常識ならぬ非常識科目ですが、観光白書と観光統計の問題は必ずかなりの分量が出るので、そこを絶対に取りこぼさないことが合格のポイントだと思います。私は観光統計を丸暗記していたので救われました。後は基礎知識を固めて、政治、経済、文化、時事などの一般的、常識的な問題を取りこぼさないことが大事です。

3.2次試験対策

富士通訳ガイドアカデミーの2次試験対策授業の外国人の先生方は、能力的にも人格的にもとても優れていると思いました。私はカナダ人のブレイ先生を中心に、英国人のタントラム先生にも何回か習いました。本番形式でプレゼンをして講評してもらうことは、二次試験の絶好の準備になります。日本事象についてしっかり予習すること、講義中に発言すること、出来るだけ模擬プレゼンすることを心がければ、徐々に力と自信がついて行くと思います。また、重要な日本事象のテーマについては、200ワード位の自分なりの原稿を作りました。これはワードで作成し、ワードで文字数を数えて作りました。少しずつ作り貯めすることをお勧めします。

逐次通訳は2018年度には無くなるのかもしれませんが、私は非常に苦労しました。頭痛の種はメモを取ると全体の流れを忘れてしまう、メモを取らず記憶だけでは再現が不十分になるということでした。結局、徹底的に練習するしかないのが結論です。富士通訳ガイドアカデミーの練習問題やその他の予想問題などを全てスマートフォンなどに吹き込み、再生して、本番通りメモを取りながら、訳すのがお勧めです。私の場合は、一つの文で二つのキーワードのメモをとると丁度良かったです。また読める字で書くこと、文の切れ目が分かるようにメモすることが大事だと思いました。直前までこれを繰り返すことで苦手意識が薄らぎ、本番も何とかクリア出来ました。

4.これから受験される方へのアドバイス

心の中で必ず合格すると決めること、準備を早く始めること、本番の試験中はうまく行かなくても最後まで諦めないことが最も大事です。英語も社会科も新しい知識が増えて行くので、基本的には楽しい勉強ですが、それも時間に追われるようになると苦しみになってしまいます。楽しめる様に、早く準備を始める、計画的に勉強時間を確保するのが大事だと思います。
そうは言っても中々出来ないのですが、出来るだけそういう状態に持って行くようにすると良いと思います。また、一次試験が終わったら、一次試験の結果は心配ですが、出来るだけ忘れて、二次試験に集中することが大事です。一次と二次の間はやるべきことに比べて、時間が非常に短いので、悩んでいる暇はありません。

5.富士のよかったところ