通訳ガイド当校合格者亀田秀実さん
2018年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

私は20代の前半にアメリカで暮らす機会があり、途中編入したオレゴン大学を卒業しました。その後帰国して米系の石油会社に入ってビジネスマンとしてのスタートを切り、何度かの転職も経験しましたが、会社人生の殆どを米系、欧州系の多国籍企業で過ごしてきました。多国籍企業なので、英語がネイティブな人だけでなく、様々な国籍、バックグラウンドの人たちが英語を唯一の共通語として仕事をする環境に身を置き、同時に様々な文化に触れることができました。
これまでインターナショナルな会議に出席するために海外へ出張したり、日本でそのような会議を主催する側として各国からのビジターを日本に迎えてもてなすといったことも結構あったのですが、ある時、東京で主催する会議の準備をしていることを結構楽しんでいる自分に気が付きました。ホテルやレストランを探したり、会議の後のアクティビティを考えたり、個人的な買い物や名所訪問のアレンジをしたり、持って帰ってもらうのに手頃なお土産を探したり、等々。また最後にビジターから「とても良いホスピタリティーを有難う」と言われて本当にうれしく感じたのです。
会社人生の終わりに近づき、漠然と海外からのビジターをおもてなしするようなことに関わりたいと思い始め、2017年の秋に会社をセミリタイヤしたときに家の近くの図書館で全国通訳案内士のことを知り、これだ、と思いました。試験に合格するには独学では厳しいと思い(特に社会科科目)、学校を探すなかで富士通訳ガイドアカデミーのことを知り、ぎりぎり12月生として滑り込みで木曜日週一日のコースに入学することができました。

1.1次試験英語対策

富士通訳ガイドアカデミーに入学する前はTOEICスコアでの1次試験免除を狙っていたのですが、ガイドとして日本の文化や歴史のことを語るには、ビジネスで身に着けたボキャブラリーだけでは極めて厳しいということがわかりました。また私の英語は若い時代の外国での生活や仕事上で身に着けたものなので感覚に頼るところが多く、文法的に正しい、または誤りである、ということの理解力・説明力が足りないことも解っていました。そこで、改めてボキャブラリーを増やし、英語構文についての感覚的な知識を構造的な知識に少しでも転換してゆくために、富士通訳ガイドアカデミーの授業に取り組もうと思いました。
単語・熟語集は改めてリベラルアーツ系のボキャブラリー不足を気付かせてくれました。入学後まもなく仕事に復帰したので、通勤時間を使ってできるだけ覚えるようにしました。とても全部は覚えられませんが、日本文化・日本事象テキストや精読の教材、小テストにも重複して出てきた単語は必ず覚えるようにしました。小テストでは英作文問題で「最も適切なものを選ぶ」ところが、言い回しとか、しっくりと聞こえない、といった方にとらわれ、なかなか正解ができませんでした。ここは岩渕先生の解説を聞いて、時には授業の後も質問攻めにして構文の理解に重点的に取り組みました。重要と感じる単熟語、構文はノートに取りまとめ、模擬試験の前にそのノートをもう一度読み返しました。

2.1次試験社会科対策

社会科系科目は学生時代から嫌いではなかったのですが、学校のテキスト、歴史の教科書を授業までに読むだけで精一杯で、その範囲の広さ、取り込まなければならない情報量の多さに圧倒されてしまいました。知念先生の「豆知識を増やす」、岩渕先生の「3月~4月くらいまではまずはできるだけ情報を取りこむべし」、という言葉を信じ、情報の整理、体系化をする前に、まずはテキスト、教科書を繰り返し読むことに努めました。
5月の連休明け頃から過去問題に取り組み始めると、社会科科目で自分の弱いところ、知識が不足している部分がわかってきました。その弱い部分について、自分で考えた資料を造って何とか体系化して効率的に覚えるように努めました。なかなか覚えられなかった美術史や文学作品の歴史などは、自分なりの年表を造ったりしました。模擬試験で、また別の自分の弱点がわかりましたので、同じようなアプローチで資料を造りました。これは効果があったと思います。一般常識や、新科目となった通訳案内の実務は多分に記憶勝負なので、特に数字についてはカードを使って通勤時間に覚えるようにしました。

3.2次試験対策

2次試験対策は、富士通訳ガイドアカデミーの授業がすべてでした。和文英訳もプレゼンテーションも、厳しい時間の制約の中で完結しなければなりませんが、これは日常生活では殆どないシチュエーションです。私は週1回、ブレイ先生のクラスでしたが、最低2週に1回は2分間プレゼンに手を挙げて挑戦しました。また1次試験通過後は集中講座を5コマくらいとって、とにかく場数をこなすように努めました。集中講座ではタントラム先生から、家でテキストからランダムにトピックを選び、2分間の時間を計ってプレゼンの練習をするようにと勧められ、家に帰ってから毎日1-2問はスマホのタイマー機能を使って声に出してプレゼン練習をするようにしました。初めの頃は2分間で自分の言おうとした半分のことも言えないような感じでしたが、12月になるころには、2分間という感覚がだいぶ体にしみ込んだような気がします。
試験本番で与えられたトピックは猫カフェ、リボ払い、流鏑馬の3つ。どれも事前に触れたことのないトピックでしたが、その中でも内容を多少知っていた流鏑馬を選択し、ボディーランゲージもふんだんに使って乗り切ることができました。授業、集中講座での練習がなければ、トピックを見て動揺して終わっていたと思います。

4.これから受験される方へのアドバイス

通訳ガイドを目指す人の間で得意分野、不得意分野、英語遍歴は本当に様々です。従ってこれだ、というような誰にも当てはまる有効な対策は無いのではないかと思います。ただ気持ちの持ち方として私が今でも大切だと強く思うのは、知念先生も岩渕先生もおっしゃっていた「通訳ガイドの試験科目はすべてがお互いにつながっている」ということです。
1次英語試験の後半で出る写真についての問題は、英語の試験でありながら実質は地理、歴史または一般常識の問題で、写真が何のことであるかが解らなければ正解するのは難しく、逆に解れば簡単で、しかも配点は前半の長文読解よりも高くなっています。どの科目も万遍無く知識を積み上げることが結局は近道だと信じてやっていくことだと思います。

5.富士のよかったところ

まずはすべての教科について、提供されるテキストの質、内容が優れていると思います。新しい統計が発表されたり、試験に関連するだろうと思われるニュースが出たりすると随時アップデートもあります。独学でこの内容・密度の知識を習得するのは不可能でした。
先生方は皆さんパッションを持ちながら親しみやすく、いつも質問に丁寧に答えてくださいました。 また、入学後に仕事に復帰したので授業のスケジュールの変更をたびたび余儀なくされましたが、1週間の中で柔軟に変更ができるのも大変ありがたかったです。