通訳ガイド当校合格者中野茂暢さん
2019年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

大学卒業後、ほぼ一貫して組み込みソフトウェアのプログラマーやシステムエンジニアをしておりました。しかしそれは本意ではなく、最初に就職した企業でソフトウェア適性試験がたまたま良かったからでした。本当はアウトドアでのフィールドワークを通して環境問題に取り組みたいと考えていたのでした。
退職し、ワーキングホリデービザを取得してニュージーランドに1年滞在し、激しいアウトドアスポーツをやっておりました。そのとき、"Wilder Experience"というネイチャーガイド付きのツアーに参加したことがあり、ガイドさんは英語しかしゃべりませんでしたが、こんな仕事ができたらいいなと思ったことが当時のノートに残っていました。 帰国してまたソフトウェアの仕事をしておりましたが、定年後に通訳ガイドができたらいいなと本屋さんでなんとなく過去問などを見ておりました。それが、定年までまだかなりの時間が残っていますが2019年春に退職することになり、漠然と考えていたことにいきなり挑戦することになりました。一次試験は通るだろうけど二次試験は難しいなという印象でした。

1.1次試験英語対策

過去問を見て、たいして難しくないと思いましたが、日本語を英語に直したときの最も適切なものを選ぶ問題がネックであると感じました。どの選択肢も正しいように見えるのですが、どこかにつまらないまちがいが含ませてあって、まちがいがいちばん少ない選択肢を選ぶ問題です。つまらない問題なのに配点が多くて、『あら捜し問題』と呼んで激しく嫌っておりました。すべての過去問と富士通訳ガイドアカデミーの小テスト、模擬試験、ほかに市販の参考書などから『あら捜し問題』だけを抜き出してワープロに打ち込みました。それを何回も繰り返して、どういう『あら』のパターンがあるのかがなんとなくわかるようになっていきました。
富士通訳ガイドアカデミーの教材では、「通訳ガイド試験 必須単語・熟語集」は知らない単語・熟語が多く載っていて全部覚えるようにしました。全部は覚えきれませんが、覚えようとすることをやめないようにしました。本を使うと単語そのものではなく順番で覚えてしまうので、EXCELに打ち込んで、ランダムに出題されるようなマクロを組みました。日本語から英単語・熟語を思い出す方を重点的にやりました。それは二次試験のことを考えていたからです。一旦覚えても忘れてしまうのは仕方がないので、何回も繰り返すようにしました。EXCELマクロでまちがえた回数が自動的にカウントされるようにしておいて、苦手な覚えにくい単語・熟語ばかりが出題されるような工夫もしました。日本文化観光時事単語集も同様にEXCELに打ち込んで、マクロでランダムに出題されるようにしました。

2.1次試験社会科対策

全般に、いろいろなものを結び付ける力が必要と思いました。たとえば過去問で、簡単に答がわかる問題でも選択肢によく知らないものが含まれていたら、それはなんなのか、どこなのか、いつなのかを全部調べるようにしました。それが地名ならGoogle Mapなどで場所を探して、その近くの有名どころとの位置関係を確認したり、その過程で見覚えのある地名や施設が出てきたらそれはなんだったかなと思い出したりするようにしました。
テレビ番組では、大学の専攻が地質学だったこともありブラタモリを欠かさず見ていました。ほかに、関西では放送回数が少ないようですがクイズ番組の東大王も見ていました。この2つは地理、歴史、一般常識にとっても有効だと思います。
地理は、地形図を使う過酷なアウトドアスポーツを今でもやっている関係で昔から地図が大好きで、全国の都市、山、川、湖、半島、海、国立公園、国定公園の名前など、たいてい知っていました。競技会や合宿であちこち行っていて、それも連れて行ってもらうのではなく自分で調べて行っていましたのでよく記憶に残っていて、その当時のノートや写真を見返したりしていました。一次試験地理のために新しく勉強したのは、各地の名産品、お祭り、温泉、重伝建と、最近指定された世界遺産ぐらいでした。
歴史は、高校日本史の教科書を何回も読んだのと、富士通訳ガイドアカデミーの「歴史一問一答小冊子」を繰り返しやりました。京都在住なので、教科書に出てくる京都市内のお寺や神社へ建物や文化財を見に行ったりもしました。
一般常識は、観光白書を読んだのと、富士通訳ガイドアカデミーの一問一答を繰り返しやりました。能、歌舞伎、茶道、華道などは、図書館で小学生向けの本を借りてきて読みました。
通訳案内の実務は、過去問と富士通訳ガイドアカデミーの一問一答しかやりませんでした。選択肢が長文で書かれているのが多いので、速く大意をつかむのと、正しいものを選ぶのか正しくないのを選ぶのかを取り違えないようにする習慣を身につけるようにしました。

3.2次試験対策

2次試験の印象としては、プレゼンテーション後の質疑応答や、実務関連の質疑応答など、会話の形になっているものはなんとかなると思っていました。一方的にこちらが話すプレゼンテーションが苦手でした。プレゼンテーションの練習としていちばん気を付けたのは、例を最初には見ないようにしたことです。見たら引きずられます。その内容が自分の話したいことと食い違っていたり慣れない単語や言い回しがあったりします。丸暗記しようとしても無理です。
それでなにかテーマを決めて、なんの準備もせずいきなり英語で話そうとするようにしました。当然しどろもどろになります。そこで、言いたいことがあるのに英語が出てこないものと、なにを話したらいいのかわからないものに分けました。なにを話せばいいかわからないものは、日本語の本やウェブサイトを見て、自分ならなにを話すかを考えました。それから、出てこない英語を辞書で1つ1つ調べて、自分でも使える言い方を決めました。安易に翻訳サイトを使わないようにしました。こうやって、しどろもどろ状態を自分に課しているうちに、テーマに関わらず共通に使える言い方が見えてきたり、テーマ同士の関連がわかってきてしゃべりやすい内容の方に逃げるとかがだんだんできるようになってきました。自分の中でしどろもどろのひどい目に遭わせたものは忘れにくいし、土壇場で湧いて出てきてくれたりして自分を助けてくれると思います。

4.これから受験される方へのアドバイス

いろいろ知識が増えたり、特にそのつながりが急に見えたりしたときの霧が晴れるような感覚は楽しいです。修行と思わず楽しんでできるかどうかが大事な気がします。あとは直感を大事にすることかなと思います。気が進まないときは、直感のアラームが働いているのです。そのアラームを無視して、なにがなんでもやるんだ、みたいなことをすると、どこかおかしくなると思います。自分の直感が正しく働くようにするためには、普段からちゃんとした生活をすることかなと思います。
最後に、開き直ることも大事かなと。過酷で危険なスポーツをやっていて、真夜中の山で道のない薮の中をさまよい、しかも台風接近で大荒れだった、という経験もあります。この怖さに比べたら面接なんて屁の河童、失敗したところで死ぬわけじゃなし、と堂々としてました。

5.富士のよかったところ

一次試験用の教材は、特に社会科が充実していると思います。これがあれば自習だけでも一次試験は通ると思いました。他に、2月と10月にあった、富士通訳ガイドアカデミー京都ウォーキングツアーはお勧めです。この時の先生は本当に素敵な方です。こんなガイドさんになりたいなとモチベーションアップになりました。英語だけではない、背景知識だけでもない、どうやってお客様にお楽しんでいただいてリピーターになってもらうか、ということのヒントをたくさんいただきました。