通訳ガイド当校合格者宇田川祥教さん
2019年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

私は会社員で以前は旅行業務に従事していました。旅行カウンターでの接客販売および海外、国内旅行の添乗の経験があります。 この資格は20代の頃から知っていて、定年退職後(来年です!)は是非通訳ガイドの仕事をしたいと考えていました。そうは言っても、本格的な?英語の試験勉強は大学受験以来であり、ほぼゼロからのスタートであったかと思います(神社を英語で何というか知りませんでした)。
結論から申し上げると、1次試験は2回目、2次試験は3回目で合格(すなわち1次試験で1回、2次試験で2回不合格)、足掛け4年を要したことになります(苦笑)。

1.1次試験英語対策

教材は富士通訳ガイドアカデミーのモノで必要十分であると思います(これ以外に手を付けていません。但し、1年目の1次試験の英語は不合格でした・・・)。
1番有効であったと感じたのは「必須単語・熟語集」です。これを全て覚える事が合格への近道であると断言いたします。私は1回の勉強で1ページ16個の単語をインプット(覚える)するようにしていました。これを週に3~4日のペースで行いました。具体的には、「必須単語・熟語集」の1ページ16個の単語をノート1ページに書き写し、何度も読み返し、手と頭を使って覚えました(この勉強で20分位)。このノートを通勤中や昼休みにひたすら読んでいました。
毎週授業で使用する教材の「精読用英文」は、100%予習と復習を行いました。上記の「必須単語・熟語集」の単語を半分位覚えた頃でしょうか、急に精読用英文の訳がはかどるようになって来ました。ある程度の単語量を身に着けると、急激に視野が広がるのだという事実を身を以て実感したものです。
「文化・観光・時事用語集」は必須ですが、これは合格後も必要な単語ばかりですし、「この日本語はこう表現するのか・・・」といった感じで好奇心を以て覚えてゆきました。
知念先生が仰っていましたが、単語を1つ覚えることは1つ(知的)財産を増やすことだと思い、忘れても繰り返し覚えてゆくしかないかな・・・と思いながら前向きに勉強しました。
私は1次試験の英語は3回受験しています(2次試験で2回落ちて貯金が無くなった為)。ここまでやると、1次試験はいつでも合格できそうです(苦笑)。

2.1次試験社会科対策

社会科は4月に富士通訳ガイドアカデミーに入校してから勉強を開始し、8月の1次試験に合格しましたので、各科目とも実質2か月程度の勉強でも何とかなるかもしれません。教材は富士通訳ガイドアカデミー以外のモノは使っていません。

①地理ですが、私は一般旅行業務取扱主任の資格者ですので地理免除ですが、あえて地理も受講し、おさらいも含めて勉強しました。その理由は2つあり、1つは一般常識で地理に関する問題が出た場合に備える為と、2つ目は、合格後も地理の知識は必須であり、念のため再度勉強しておこうと思ったからです。私個人的には、地理は最得意科目であり、楽しく勉強できましたが、やはりこの科目を苦手とされている方は多々いらっしゃるかと思います。地理を楽しく勉強するアドバイスとしては、自分が旅行に行くつもりで旅行パンフレットや旅行のガイドブックを読んでみるのも良い方法かと思います。何よりも、受験生ではない一般の人は、旅行を「楽しみ」ととらえて、観光地や土地の名前を憶えている訳ですから、楽しみながら覚えてゆくことが大切かと思います。同様に、航空会社の時刻表(タイムテーブル)を読んで、空港の所在地、県名、周辺の観光地などを、遊びに行く視点で覚えてゆく方法はいかがでしょうか?

②日本歴史は教科書にマーカーを引き、それをノートに写す事で手と頭を使って覚えてゆきました。教材の「1問1答問題集」が全て解答できるようにする事を目標としました。正直に申し上げますが、第2次大戦以降は勉強していません。

③一般常識は富士通訳ガイドアカデミーのテキストをノートに書き写して、これも手と頭を使って覚えました。特に特定の数字(訪日数、その国別、順位、消費金額、その国別順位等)を覚えておけば必ず得点できると思います。また、一般常識とはいっても、日本歴史や文化、地理まで含まれ、あくまで「観光に関する一般常識」であるとの認識を持つ必要があると感じました。いずれにせよ、富士通訳ガイドアカデミーのテキストを信じてこれを勉強すれば合格点を得られると思います。

④通訳案内の実務は、これも富士通訳ガイドアカデミーのテキストで必要十分です。極端にいうと、1ヵ月前の詰め込みでも大丈夫ではないか?という感じでしょうか。逆に言うと、この科目に時間をかけず、他の苦手科目の克服に時間を掛けた方が賢明かと思います。因みに、当方の試験の自己採点では、満点だったかと記憶しています。6~7割?得点する事を考えれば、そこそこの勉強で十分ではないでしょうか。

3.2次試験対策

私は2回不合格でしたので、その敗因をお書きして、ご参考にしていただけたら・・・と思います。
2次試験対策として、通常の授業の他に、2次試験直前セミナーを受講しました。特に、2回目の2次試験の前にはある程度の回数を受講したのですが、ダメだった訳です(涙)。2次試験対策の授業では、ある程度のプレゼンが出来、私自身ではそこそこの出来にあるとは感じていましたし、逆に合格された方々に比べて私が特別に劣っていたという自覚(=危機感)もありませんでした。ただ、事実として、本番の出来は、直前セミナーのどの授業よりも悪い出来でした。なぜか?あまりの緊張で、私の持っている力が出せなかった(それがその時点での私の実力なのですが)のです。
具体的には、1年目のプレゼンテーマは「夏祭り」を選択したのですが、私の頭の引出しの中から、「祇園祭り、ねぶた祭り、浴衣、うちわ、花火」等のキーワードが出て来ませんでした。盆踊り(祖先の霊を迎え、慰める云々)の話をして、頭が真っ白になりました(更に悪いことに、プレゼンの途中で祇園祭りの事を思い出し、パニックになるやら、ガックリくるやら・・・)。
2年目は、「琵琶湖」を選択しましたが、ここでも彦根城と延暦寺の話をすればそれで十分だったのですが、私の引出しから出て来ませんでした(ここでもプレゼンの途中で延暦寺のことを思い出しましたが、時間切れでした・・・)。
2次試験に落ちて辛かったことは、あと1歩だったのか、それとも全然ダメだったのかが客観的に示されないところです。このままでは・・・という思いから、3年目は少し勉強のアプローチを変えてみました。
不合格となって痛感した事は、英語(英会話)のアウトプットの力がまだまだ足りていないという点でした。富士通訳ガイドアカデミーに来られている生徒さんには、2つのパターンがあるのです。1つは、海外赴任や留学の経験等があり、アウトプットが出来る人、もう一方は、私のように海外経験が無く、アウトプットの力が劣る人です。私は2年目までは富士通訳ガイドアカデミーの2次試験対策のテキストの要旨をノートに書き、ほぼ暗記に近い形で覚えようとしていたのですが、3年目は丸ごと言い回しを覚えるよりもキーワードを覚えて、それを頭の中から出し入れ出来るよう訓練するようにしました。具体的には、隠れキリシタンであれば、「鎖国」、「島原の乱」、「踏み絵」、「大浦天主堂」、「世界遺産」・・・といった単語がすぐに頭の中の引き出しから出てくるように訓練をしました。
もう1つは、これ以上力んでも仕方が無い、と開き直ったことでしょうか。先輩の体験談などにも「絶対にあきらめない」等のアドバイスがあり、私も1回目と2回目の2次試験では、「絶対に合格したい」という思いが強かったのですが、3回目の時は、「こんな所で緊張していては本番のガイドではどうするのか」「ダメなら来年があるし・・・」という気持ちで臨みました。
幸い、3回目の2次試験のプレゼンテーマは明治維新で、私の守備範囲でしたので、富士通訳ガイドアカデミーで今まで勉強してきた事をそのまま発揮する事ができました。通訳も、相撲についてでしたので、これも守備範囲でした。今回の2次の課題は、他では隠れキリシタンと万葉集だったと聞き、真面目に勉強した受験生が得点出来るマトモな出題だったのではないかと感じました(私はこの2つ、隠れキリシタンと万葉集を事前準備し、リハーサルまでやって本番に臨みました。因みにその前年は宗像大社を準備しました)。
3回目の2次試験では、試験官との間で話がはずんで、「楽しい」というゾーンに入ったと感じた程でした(試験官が私の話を聞いて、great...と言ってくれた時は嬉しかったです)。ロールプレイでは「このお客様のお役に立ちたい」という気持ちだけで話を進めました。
もう1つ、直前セミナーで知念先生から「ゆっくりと、シンプルな単語を用いてプレゼンする」ようアドバイスいただいた事が本当に役に立ちました。また、お金をかけずに勉強する方法として、NHKの英会話番組を毎日見ていましたが、発音の向上にはなったかな?と思います。

4.これから受験される方へのアドバイス

1次試験に合格する為には、各試験の合格点数を獲得するための学力を身に付ける準備(=勉強)をする事のみ・・・ですが、この国家試験は、勉強した事柄が全て実際の業務に役に立つという、極めて稀な国家試験なのです。ですので、どんな勉強も無駄にはなりません。後で役に立つと思って、焦らず、1歩1歩知識を積み重ねる事が大切だと感じました。
また、実際の通訳ガイドの仕事中(私のやっていた添乗員の仕事もそうですが)は、お客様にとっては楽しみであり、遊びです。ですから、私達にも「遊び心」が絶対必要だと思っています。座学だけではなく、体験することも決して無駄ではないと思います。2次試験に2回落ちた3年目は、お茶会、北斎美術館、国立博物館等に行き、更に試験前の10月には旅行にも行きました(彦根城で「ひこにゃん」に会い、備中松山城では猫城主「さんじゅうろう」様にご対面!)。但し、当然ですが全ての場所で英語の説明文とパンフレットを熟読しました。
知念先生も仰っていますが、知的好奇心があると、この試験勉強が楽しくなると思います。
実際のところ、私はこの試験に合格するのに4年を要してしまいましたが、この4年間で辛いと思ったことはありません。好きでやっている事ですし、むしろ仕事のストレスを解消する気持ちで勉強に取組んでやる!という思いすらありました(笑)。今では、遠回りしたおかげで却ってたくさんの知識が身に付いて良かったと思っています。

5.富士のよかったところ

はっきり申し上げます。この学校は、ホントに素晴らしい学校です。試験に合格する為の導き(授業や教材)は当然にしっかりしていますが、そこは受験生本人の取組み次第だと思います。それ以上に、私はこの学校でたくさんのモノを得る事ができました。具体的には、日本の文化とは?、日本人とは?、日本人のアイデンティティーとは?、私は日本人としてどうあるべきか?といった疑問と向き合い、その解答をある程度得ることが出来たという点です。それらは、富士通訳ガイドアカデミーの各先生方の人柄がすばらしく、哲学をお持ちでいらっしゃるからだと私は思いす。この4年間で、私の日本人としての視点、性格まで(少し)変わったと思っています。
本当の意味でのアカデミックな学校であり、授業に行くのが楽しい学校でした。入校をご検討されている方は、騙されたと思って体験授業に出てみて下さい。ハマりますよ(笑)。