通訳ガイド当校合格者T・Kさん
2020年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

私の英語遍歴を書くことなど、おこがましいことではありますが、試験合格を機にこれまでのことを思い起こし、整理してみようと思いました。英語に出会ったのは、関西外国語短期大学在学中です。大学の英会話サークルに入った時、ペラペラしゃべる人がいて、「外国人がおるんかい!」と思いました。在学中はセブンスデー・アドベンチストという教会附属の英会話スクールに通いました。
その後一般企業に就職するも、わずか2年位で辞め、米国アリゾナ大学の語学研修留学プログラムに参加し、9ヶ月位滞米しました。帰って来た時は、なんとなくしゃべれる状態だったように思います。帰国後は「アメリカに行った」という意地のようなものでアメリカにいた時よりも一生懸命勉強していました。それと同時に毎日仕事捜しに奔走しておりました。落ち着いたのが児童英語講師です。日米英語学院(1年)小学館ホーム・イングリッシュスクール(7年)結婚後はECCジュニア(3年)子供が2人になったので、仕事は辞めました。子供が大きくなるまで専業主婦でした。子供をゆっくり育てられたことには主人に感謝しています。子育てしていた頃は30年近く前になりますが、今とはずいぶん違う社会でしたね。子供もすっかり手を離れ、ある時、フッと思ったのです。「英語を教えよう。」と。区民センターで英会話教室を立ち上げました。今度は大人の方が対象です。
そのころ、「大阪検定」というのが始まり、初年度ということもあり受けてみようと思い、テキストを購入し、勉強を始めました。やっていると大阪の事を知るのがおもしろくなり、どんどん深みにはまっていきました。いろんなボランティアガイド団体に顔を出したり、所属したのもこのころです。大阪検定は、2級合格。1級にも挑戦しましたが、残念ながらあと一歩のところで合格できませんでした。再挑戦しようと思ったこのころに、大阪城ボランティアガイドになりました。ここでガイドの一歩を踏み出し、7年位活動をしていました。大阪城には外国の方も多く来られます。英語でガイドをする機会を得ました。大阪城でこんなに英語を使うことになるとは思わなかった、私にとっては嬉しい誤算です。大阪城でガイドをしている間に、SGGという善意通訳ガイド団体を知り、入会し、こちらでも活動を開始しました。外国の方を京都、奈良、大阪、神戸へ同行案内します。このころには大阪城のことも、大阪のこともほぼ知っている状態でした。
英語講師の方は、大阪市生涯学習センターに講師として登録し、大阪市内の生涯学習ルームで今も教えています。外国の方を観光地へ連れていく、SGGの活動は私にとっては楽しいものでした。こう書き連ねてくると当然の帰結としてボランティアガイドではなく通訳案内士になりたい、試験に受かりたい、資格を得たいと思うようになったと思います。

1.1次試験英語対策

富士通訳ガイドアカデミーの2019年1月開講受験対策コース(大阪校 月1回土曜日)を受講。
通訳案内士試験のことは、右も左もわからなかったので、富士通訳ガイドアカデミーは私にとってパイロット(水先案内人)のようなものでした。与えられたテキスト課題を丁寧にこなしていきました。

精読用英文
訳しにくいところは、久し振りに小学館ランダムハウス英和大辞典をひっぱり出してきて、辞典を読むようにしました。この試験の勉強に集中していたので、勉強する時間は充分ありました。時間をかけても意味がとれないところもあったように思います。この精読用英文の内容が、本試験ですごく役にたちました。

小テスト/単・熟語集
単・熟語集は宿題の範囲の英語を見て日本語を書き、その日本語を見て英語を書く練習をくり返していましたが、白地の単語はなかなか体の中に入ってこず、小テストで点を取れる程にはなりませんでした。苦しみました。

日本文化・日本事象英文説明テキスト
わからない単語はひきながら、とにかく読んでいきました。勉強を始めたころは読むのにすごく時間がかかりましたが、いつのころからか楽に読めるようになっていました。今も手元にありますが、それなりに手垢がついています。

日本文化単語集
これも書いて、あるいは読んで覚えました。単・熟語集に比べればずっと楽でした。

模擬試験
結果は58点D判定。「やっぱり難しいよな、無理だよな」と思いました。

過去問過去問3年分をもらっていたので、くり返し解きました。英作文、文法のところはいくらやってもわからない感じで困りました。文法が分かっていないと思ったので試験が終わってから文法書を一冊解きました。試験問題の最後の語句説明のところは簡単だったので落とさないようにしようと思いました。

2.1次試験社会科対策

地理
地理は過去問を解く以前に、基本的知識が欠如していました。都道府県の位置、山、川の名前、場所、湖の名前、場所、等々。白地図帳を拡大コピーし、徹底的に書き込みました。その後ネットで都道府県別の白地図を見つけプリントアウト。各都道府県で特筆すべきこと、例えば国立公園、国定公園、世界遺産、温泉、観光地等を書き込んでいきました。問題を解いていて出てくる地名は必ず地図帳でチェック、マーカーを入れました。通訳案内士の試験は、科目は分かれていますが、すべて連動しています。総合的につながっているように思います。

歴史
歴史は好きだし、得意でした。まず3年分の過去問を解きました。わからないところはネットで調べたり、歴史教科書を読みながらつぶしていきました。確認テスト、基本テキスト後半の問題を解いていきました。最初はわからないところは調べながら、あるいは知識を整理しながら時代区分を書いてみたり、文化を年代順に書いたり、徳川将軍を書いてみたり、本当にやってみると知らないことばかりです。神社仏閣にはよく出かけていたので写真問題は関西地方のお寺はほぼわかる自信はありました。

一般常識
2019年は、結果的に一般常識だけが不合格でした。一般常識問題集(1問1答)、テキスト、資料集等もやりましたが、最重要事項の観光白書の要点を把握、数字をきっちり覚えていなかったと思います。2020年は一般常識1科目だけだったので充分すぎる位集中したつもりでした。観光白書も購入、Ⅰ部Ⅱ部だけでなく一冊を読み通しました。読み通してみると国の観光施策というものが見えてきて、「白書」とはそういうものなのか、おもしろいと思いました。 模擬試験では45点A判定でした。ですが本試験では問題は多いし、東京の人は有利だろうなと思う問題があったりで、「難しかった」という感想です。

実務
実務もあまり得意ではないのですが、頂いた資料を読み、問題集、過去問を解いていきました。

3.2次試験対策

・1次試験合格後は、富士通訳ガイドアカデミーの2次試験直前セミナーを受講しました。やはり対面での練習は必要だと思います。それと富士通訳ガイドアカデミーは資料が豊富だなと思いました。
・ロールプレイの相手はお客さんだと思って話しました。自分はガイドで的確な情報、判断を伝えるというスタンスを持って話しました。

4.これから受験される方へのアドバイス

集中することだと思います。2019年2020年は生活の中心をこの試験に置きました。2019年はスクールが月1回だったので、お寺や城など遊びにも行きましたが、2020年はコロナで自粛生活を余儀なくされました。勉強、散歩、買い物だけの日々でした。振り返ると、この試験があったから、コロナの自粛生活も我慢できたと思います。合格した今は、充実した自粛生活だったと言えるのかもしれません。
単語の暗記や2次試験の勉強はやり始めたころは雲をつかむような感じで苦しい思いもしましたが、もがきながらも自分にできることをやっていると道筋が見えてくるものですね。2次試験の前には、自分のテッパンのプレゼンが頭の中をめぐっていました。通訳問題も完全ではありませんが、頭の中に残るようになっていました。
有名な観光地には行っておいた方がいいと思います。私は2019年勉強中に富岡製糸場から日光、中禅寺湖に旅行に行きました。日光は全て役に立ちました。英語のプレゼンにも、歴史、地理、一般常識にもからんできます。
世界遺産になっているような所は、経済的、時間的余裕があれば、ぜひお出かけ下さい。行っているのと行っていないのとでは大違いです。これは楽しい努力です。
模擬試験は、絶対受けた方がいいですが、結果に一喜一憂することはないと思います。私は2019年5科目受けて歴史がB判定、地理がC判定、あとは全部D判定でしたが、本試験では一般常識が不合格でした。反対に2020年一般常識ではA判定でしたが、本試験では問題数が多かったり傾向が変わったような気がして、難しいと感じました。結果は「気にしても、気にしない」ような心構えで自分の勉強にはうまく活用できたらいいと思います。

5.富士のよかったところ

まず、2019年に富士通訳ガイドアカデミーに通い始めていなかったら、今の私はないということです。右も左もわからない私は富士通訳ガイドアカデミーのカリキュラム通り、丁寧に勉強していきました。資料が豊富です。1次試験に関しては富士通訳ガイドアカデミーの資料以外参考書を買うことはありませんでした。旅程管理講座の時に何回かお目にかかっただけですが、知念先生の人柄がよかったです。試験の前には先生の励ましの言葉が届き、勇気づけられると同時に役に立ちました。特に2次試験の前に「3密」「テレワーク」等タイムリーな言葉の説明の英訳は嬉しかったし、これも役に立ちました。2020年コロナ禍の中、対面での2次試験直前セミナーに通えたのも良かったです。自粛自粛で家を出ることもほとんどなかったのですが、そんなことも言っていられません。対面でのパフォーマンス、アドバイスは有効でした。試験が終わると、お世話になった大阪校の松下先生が会場の近くにいつもいて、ひとこと、ふたこと何か先生に話していました。帰る私の背中に何かしら励ましの言葉をかけて下さるのもうれしかったです。合格後は思いがけず祝電をいただき、驚くと同時にとてもうれしかったです。丁寧だなと思いました。本当にいろいろありがとうございました。