通訳ガイド当校合格者安田貴裕さん
2020年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

関西で21年間、大学受験の英語講師をしておりました。そんな中で将来的に成人対象に教える仕事をしてみたいと思っておりました。前職でも大学受験の仕事の傍ら、成人対象の仕事も少しさせて頂いてはいたのですが、ずっと受験という狭い世界の中にいて世間知らずでは限界があると感じまして、様々な経験をしてみるべく2018年3月に退職しました。その様々な経験の一環として全国通訳案内士試験の受験というものに至りました。もともと日本文化には興味があり、ほんのわずかではありますが、ボランティアガイドとして、京都奈良大阪を案内した経験もあったというのがきっかけです。2020年の五輪イヤーに東京でガイドの仕事をしてみようと思い、2018年秋に東京に移りました。その時期に通ったのが富士通訳ガイドアカデミーの2次試験対策コースと2次試験直前セミナーです。試験自体は苦労しまして、2次試験で2年連続失敗し、3度目の2020年度試験で合格しました。2019年春から2020年秋まで東京でタクシードライバーをしておりました。2020年2月に東京都地域通訳案内士という観光タクシーの資格を取得し、さあいよいよと思っていた矢先のコロナ禍でした。先の読めない状況というのもあり、東京での生活を諦め、関西に帰り英語講師をしております。そんな中での合格通知でした。時期は分かりませんが、やがてインバウンドが復活すると、関西は観光地が豊富ですし、何といっても2025年に大阪万博が控えておりますので、そこに向けて力を蓄えたいと思っています。将来的には成人対象に教える仕事の一環として、通訳案内士試験の講師も目指せればと思っております。

1.1次試験英語対策

2.1次試験社会科対策

3.2次試験対策

富士通訳ガイドアカデミーの2次試験対策短期集中コース、2次試験直前セミナーなどを有効活用されることをお勧めします。私は2018年の9月から、知念先生の2次試験対策短期集中コースでお世話になりました。最初の1,2回は掴めませんでしたが、3回目くらいからは週一の授業に合わせて、その時の授業のテーマに関する周辺知識を予習として蓄積していったことが大きかったと思います。また授業内では、適切なアドバイスを頂き、他の受講生の方のプレゼンや通訳を聞くことができるというのも様々な角度から学べるというのも役立ったと思います。他の受講生の方々の存在というのは何よりも大きいです。刺激にもなりますし、励みにもなります。11月は2次試験直前セミナーを受講し、Nigel先生やJohn先生に的確なアドバイスを頂き、自信を深めていきました。通訳問題対策は2次試験対策短期集中コース、2次試験直前セミナーで十分だと思います。2019年も直前対策レッスンを受講し、ここでは2018年度から2次試験に導入された実務質疑対策に大いに役立ちました。合格は少し遅れてしまいましたが、これら一連の受講が最終的には実を結んだと思っております。
私は2次試験で2度失敗しています。成功談はもちろんですが、失敗談の方がより参考になるのではと思いますので、過去の2回の失敗を思い出してみようと思います。2次試験は獲得した得点もわかりませんし、客観的な分析というのはできないのですが、自分なりに主観的ではありますが、分析してみました。

・2018年度
正直、試験を受けた感触では、この1度目の試験は合格しているのではないかと思っておりました。通訳問題と実務質疑は問題なかったのではないだろうかと思いますので、プレゼンでこけたと思っています。
プレゼンのお題
「賽銭箱」「杉玉」「もんじゃ焼き」
迷わず「賽銭箱」を選びました。神社やお寺に関する知識はそれなりに蓄積していたので、それらを駆使して2分間のプレゼンを終えました。ただ、今から思い返すと、賽銭箱に関してはプレゼンの最初の方で触れたくらいで、途中から神社に関する話をひたすらしていたように思います。気がつくとテーマから逸れてしまっていたことが問題だったと思います。2次対策授業を受講していた時期は、日本文化に関する知識を広げていく段階でしたが、11月からは、2次対策授業で学んだ50程のテーマごとに2分間のプレゼン原稿を作り、その暗唱に入ってしまいました。実際ガチガチに覚えようとしたために、提示されたお題に対応していく柔軟性を欠いてしまったのではないかと思います。

・2019年度
この2回目の2次試験は、10分間が終わった瞬間に自分でも不合格と思いました。「やっちまった」という感覚です。
プレゼンのお題
「ビアガーデン」「分煙」「国定公園」
30秒の準備時間内でどれを選択するか決まりませんでした。開始の合図でほぼやけくそで「国定公園」を選択しました。「国立公園とは異なるしどうしよう?」などと思いながら、よくわからない状態で2分間が終わってしましました。「現代の日本事情」は半ば目もくれず、文化・歴史・観光地を学んできたということもあるので、最終的には「国定公園」を選んだのだと思いますが、冷静に考えれば、「ビアガーデン」は居酒屋文化を応用させればできますし、「分煙」も、日常の喫煙事情としては基本的な事柄なのでできないことはないのですが、本番の30秒で決めないといけない状況で、完全に冷静さを欠いてしまいました。通訳問題と実務質疑は問題なかったと思いますが、プレゼンの失敗を心理的に引きずってしまったことは否めません。対応の柔軟性を示せず、失意のうちに2回目の2次試験は終わりました。

・2020年度
過去2回は「絶対に受からないと」と思いすぎ、肩に力が入っていましたが、3回目の2次試験は、10分間楽しもうという気持ちで臨みました。これが過去2回との大きな違いだと思います。試験官はあくまでも外国人観光客であり、その人たちを楽しませるつもりでというのはその通りだと思います。また、合格との間の因果関係はもちろんないと思いますが、2次試験の案内が来たときに、これは合格するのではと思いました。過去2回は三軒茶屋の昭和女子大学でした。この地に恨みがあるわけではありませんが、何となく相性の悪さは勝手に感じておりました。3度目は吉祥寺の成蹊大学ということで、流れが変わる予感がしました。こういった精神状態は大きいと思います。
プレゼンのお題
「日本の感染症対策」「飴細工」「姫路城」
迷わず「姫路城」を選択しました。30秒の準備期間など要らないので早く始めさせてくれという感覚でした。私は人生の大半が兵庫県民ということもあり、若い頃は何度かこの城には攻め入ったことがあります。日本の世界遺産は基本的に押さえておりました。「英語対訳で読む日本の世界遺産(実業之日本社)」は繰り返し読んだことがありました。富士通訳ガイドアカデミーのウォーキングツアーで旧江戸城に行ったことも思い出しました。また、地理の対策のところでも述べましたが、ブラタモリで「姫路城」は扱われておりまして、何度か繰り返し視聴していたこともあり、あとはvisualizeするだけといった感じでした。実質、最初に渡されたお題の紙が合格通知に見えている状況でした。通訳問題と実務質疑も問題なくいけました。ただ、過去2回と異なり、プレゼンの質疑や実務質疑の際に、マスクをされているため、ネイティブ試験官の英語がやや聞き取りづらいように私は感じました。日本語と異なり、口や舌をきちんと動かして発音する言語の性質上やむを得ないことのように思いました。しばらくこの流行り病の状況は続くと思われますので、マスク越しで話されるネイティブ講師とのレッスンに少し慣れておいた方がいいと思います。

やはり試験を楽しむという心構え、そして、できるだけ点と点を線でつなぐことにより柔軟性を備えておくことが2次試験突破の秘訣かと思います。

4.これから受験される方へのアドバイス

合格まで3回の受験を重ねましたので、よくモチベーションを保つことができたなと言われることがあるのですが、振り返ると私自身ずっとモチベーションを持続できたわけではありません。日常生活や仕事もありますので、容易なことではないと思います。私自身も2019年度、2020年度の2次試験に向けてはさほどトレーニングをしたわけではありません。ただ言えるのは、何回か集中して学ぶ期間を設けることが肝要ではないかと思います。私の場合は2018年秋に富士通訳ガイドアカデミーで集中的に学べたこと、また2020年年頭に、東京都地域通訳案内士の取得のため、2か月の研修で集中的に学べたことだと思います。どこかのタイミングで集中する期間を自分のライフスタイルと合わせて何度か設けることをお勧めします。
また、たくさん失敗することだと思います。私は合格した3度目の2次試験より、失敗した過去2回の2次試験からの方が学べることは多かったと思います。3度目の試験につながっただけでなく、今後の私の人生にも大きく影響を与えるのではないかと思います。私はイチロー選手と年齢が同じということもあり、彼の言動には逐一注目していたことがありました。イチローが日米通算4000本安打を達成した時だったか、世界記録を達成した時だったかは忘れましたが、インタビューで次のように受け答えされていました。「4000本ヒットを打ったということはその裏で8000回失敗しているということであり、そのことが自分の財産である」というようなことを仰っていたと思います。やはり失敗は成功のもとであるということだと思います。さすがに本番で失敗するわけにはいかないので、富士通訳ガイドアカデミーでのレッスンで、講師の方々や他の受講生の方々の前でたくさん失敗されることが合格の秘訣ではないだろうかと思っています。

5.富士のよかったところ

2次試験に向けてレッスンを重ねて講師の方々から適切なアドバイスを頂けることだと思います。2次試験対策は机の上の勉強では対応しきれないところがありますし、特に2018年度より導入された実務質疑対策は他に対策法が浮かびません。また、他の受講生の方々の存在も非常に大きいです。様々な経歴の方がお集まりということがあり、様々な角度から見る視点を学べることができるのも大きいです。
あと、富士通訳ガイドアカデミーが主催しているウォーキングツアーはお勧めです。今はコロナ禍でなかなか実施も憚られるのではと思いますが、これは本当におススメです。東京に移ったばかりの私には大変ありがたかったです。皇居、明治神宮、築地、上野、谷根千と、時間の許す限り参加しました。また現上皇陛下の最後の天皇誕生日の一般参賀もこのウォーキングツアーで体験しました。通訳案内士の方々に案内していただくことに加えて、参加者との情報交換の場としても有効活用できます。これから試験を控えている方々、すでに合格されていて通訳案内士としてのスキルを身につける目的で参加されている方々とコミュニケーションを取れたことは非常に大きかったと思います。1度目の受験である2018年度の2次試験では突然の実務質疑問題追加でしたが、試験内容が、「東京の半日ツアーで、皇居、明治神宮、浅草、スカイツリーの4か所は廻れないので、どうするか?」というものでしたが、このウォーキングツアーでの経験がありましたので、さほど戸惑うこともなく乗り切ることができました。
机の上だけでは学べないものもたくさん提供していただけることと、志を同じくした仲間がいるというのが非常に富士通訳ガイドアカデミーのお勧めできるところだと思います。今後受験を目指される方々には最高の環境だと思います。