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私のガイド物語

永桶さん

永桶 隆雄さん

富士アカデミー2008年度合格者
通訳ガイド免許番号(登録番号)神奈川県第EN01264号

自己紹介

通訳案内士であるほか、セキュリティ会社の社員や塾(数/物/英)の講師でもある。
コンピュータ会社に勤務していた経験を生かして、産業観光の分野について知識を深めつつある。

私のモットー
生涯現役で、来訪されるお客様に最高のサービスを提供して、最大の顧客満足度を得て貰うこと。

旅行の概略

日程: 2010年5月16日(日) 11:00〜18:00
お客様: ポーランド国籍の夫婦(30台後半?)。14日−17日間の滞在。
母国語はポーランド語。初来日だが、香港、マカオ、台北などへの旅行歴あり。
訪問箇所: ホテル発〜明治神宮〜国会議事堂(車窓)〜皇居前〜国技館(車窓)〜
江戸東京博物館〜浅草〜秋葉原〜(レインボーブリッジ経由)〜 お台場〜ホテル着

「観光場所は任せます」との事で、ハイヤーの運転手さんと相談しながら都内を観光案内した。

ガイディングの実際

ハイヤーで主要な観光地を巡り、車窓/下車でのガイデングを行った。
明治神宮では、酒樽、鳥居、玉砂利、絵馬やおみくじ、手水舎での身の清め方や、参拝の作法(2礼2拍手1礼)を説明した。おみくじは"英語版がある"との事で、おみくじ引きを体験して貰った。
結婚式の行われている様子がなく、諦めて境内を去ろうとした丁度その時、幸運にも白無垢の衣装を羽織って純白の綿帽子を被った 花嫁さんを見る事が出来た。奥さんは感激して「綺麗で人形みたい!」と写真のシャッターを切っていた。綿帽子(=角隠し)の"真意"を説明したところ、苦笑いしながら「私も従順にしなくては!」と言っていた(勿論これは冗談で、奥さんは夫を尻に敷く様なタイプではなく、旦那さんも機会ある毎に奥さんの腰に手を廻してエスコートし、手を繋ぎ合う羨ましいラブラブカップルでした)。

皇居では、マラソン大会が行われ大勢の人が走っていて大変賑わっていた。
桜田門より入って二重橋の正面へ回り、黒松林を横切って楠正成像を見て馬場先門から出た。
二重橋の正面入り口では普段は宮殿には入れないが、年に2回二重橋より入場して宮殿の天皇一家を間近に見る事が出来る事を説明した。 武者の雄姿をした楠正成像の前では、興味深そうに仰ぎ見て写真のシャッターを切っていた。

江戸東京博物館では、英語のボランテアガイドは依頼出来なかったが、興味を持った展示(大名屋敷や日本橋界隈の賑やかさを再現した ミニチュア模型など)は、英語の解説文を丹念に読んでいた。
「最近の大地震は何時だったか?」との問に「1923年の関東大震災です」と答えた(江戸時代、頻繁に火事が発生した事に関し、主原因は地震だと思われていた様子なので、家屋は木造で殆どは火の不始末が原因と補足説明をした)。体験コーナーでは人力車に乗り写真を撮ったり、日本の典型的な家屋で靴を脱いで古風な和室((掛軸と花瓶付)床の間、座卓付畳の間)に座ったり、廊下を歩いたりして落ち着いた雰囲気を味わった。
明治/大正/昭和時代の展示コーナーも見学したが、特に東京大震災/大空襲などに関する展示には興味を持っている様子だった (これは、ポーランドもナチスなどから戦争/空襲で酷い目に遭った経験がある為では?と思った)。

浅草では、雷門、宝蔵門、常香炉、浅草寺、浅草神社、五重塔などについて、一般的な説明をした。
線香の煙のご利益について、「煙を頭に擦り込めば利口な人はより利口に、煙を顔に擦り込めば綺麗な人はより綺麗になれる」とのジョーク混じりの説明に笑いながら従っていた(奥さんは綺麗でセンスのある人でした)。奥さんは、何故か手水鉢の上にある龍神像に興味を持ち、人混みを掻き分けて写真を撮っていた。
仮設の浅草神楽殿では、松の木を背景画にした能の奉納舞踏が行われ、暫しの間興味深そうに観て写真を撮っていた。三社祭りでも、法被を着て捻り鉢巻をした大勢の人達が神輿を担いではやし立てているのを、興味深そうに観て写真を撮っていた。仲見世では、二人の子供(女児5才と男児3才)用にそれぞれ派手なオレンジ色が基調の、青地が基調の浴衣をお土産に買っていた。ふと見上げると建設中のスマートな"東京スカイツリー"が間近に見えたので、東京タワーの高さを抜いて記録更新中である事を説明した。

秋葉原では、アニメの聖地でオタク文化の雰囲気を味わって貰おうと思い、駅近辺を散歩しエプロン姿のコスチュームを着たメイドさんなども身近で見て貰った。"メイドカフェ"への立寄りも考えていたが、興味がなさそうなのでやめた(後で、愛妻家に失礼な事をしたかな?と思い反省!)。 "淀橋カメラ"にも入り、最新の家庭電化製品(TV/AVやビデオ/カメラ製品など)を30分程自由見学させてあげたが、満足した様子だった。 お台場では、フジTVの球形の25階展望室へエレベータで上り、超高層ビル群の眺望を楽しんだ後、TVに関するグッツの展示場、ポスターやオンエアー準備中のスタジオをガラス窓越しに観たりして楽しんだ。
アクアシティでは"自由の女神"を背景に写真を撮り合っていた。

ハプニング

ガイデング中に、家族より携帯メールで浅草の三社祭の詳細な情報が入り、神輿を担いでいる威勢のいい現場の雰囲気を味わって貰う事が出来た。

新たな発見

神輿を通す為に、雷門の"雷"提灯と宝蔵門の"小舟町"提灯が半畳み状態だった(年に一度の珍しい現象)。明治神宮で、事前に"吉凶"のおみくじを説明しましたが、実はここのおみくじは"天皇が作られた詩文・和歌や皇后・皇太后・皇太子などの詠まれた和歌"のおみくじだと後で知った(不勉強でした)。
何故か、夫婦ツーショットの写真を撮ってあげようとしたが断わられ二人で写真を撮り合っていた(従って、夫婦ツーショットの写真は一枚もなし)。 相撲は全く興味はない様子だった。

面白い質問・意外な質問・難問・珍問

「"絵馬"は最後にどうするのか?」と質問され、「燃やす("お焚き上げ"する)のでしょう」と答えた。"回転式の展望型レストランはないのか?"と問われ、ハイヤーの運転手さんからの情報でホテルニューオータニの「THE Sky」を紹介した。

このツアーで特に準備したこと

今迄の案内資料を整理してガイデングに備えた。
お客様に対する情報が全くなかったので、参考用に日光(陽明門など)、鎌倉(大仏など)、京都(春:桜/秋:紅葉)などのカラー写真集を持参して見せた(大変喜んで貰えた)。
"ポーランドでも紅葉はあるがこんなに綺麗ではない"と言っていた。

このツアーで特に配慮したこと

ジョークなどを積極的に混ぜて、お客様に楽んで貰う様に心掛けた。

旅を終えて

ハイヤーによる案内だったので、小回りを利かして交通渋滞を巧みに避け、効率良く時間を使った。
最後に「一番の印象深かった場所は?」との問に「皇居と江戸東京博物館」と答えていた(「百聞は一見に如かず」です)。次回は是非、京都などへも足を運んで下さいと話しておいた。

私のお勧め観光スポット

歴史上のエピソードが一杯詰まっていて奥が深く、好奇心を擽ぐられる江戸東京博物館と皇居です。
江戸東京博物館は、江戸時代の家屋や人物像の模型が精巧に作られ、人々の生活の様子がリアルに生き生きと再現されており、皇居は、徳川幕府の歴史的な遺構が多いので江戸時代に思いを馳せたり、天皇制や天皇が果して来た役割などについて深く考えるのには最適な所です(更に、明治維新前後の激動の歴史を丹念に紐解けば、今日の私達の生き方のヒントが得れる様な気がします(「歴史より学べ」です))。

勉強中の後輩へ一言励ましの言葉

この資格試験に合格する為に今あなたが勉強している事は、何ひとつ無駄な事はありません。
貪欲にあらゆる知識を消化(消化不良にならない様に注意!)吸収して自分のものにして下さい。
必ずや血となり肉となりあなたの人生を豊かなものにする事、請け合いです。

Short Essay

人生は舞台であり、自分で好みの役を演じる事が可能です。但し、世間からある程度認められる役を演じる為にはそれなりの努力が必要です(役を演じ終えた最後の評価は、閻魔大王様に任せましょう!)。

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