富士アカデミーでは、受講生の英語力向上と通訳ガイドの実践的訓練のため、第5回ガイド研修を実施します。今後も定期的にガイド研修を実施する予定です。

通訳ガイドは、当校代表の知念保則や当校出身の通訳ガイドが担当し、外国人旅行者を案内する時と同じやり方で説明します。

研修の目的は語学力向上にあるため、参加者も全員全て英語で話すようにしてください。

日時: 平成21年9月13日(日曜)
集合場所: 富士アカデミー 四谷教室
主な案内場所: 高徳院(鎌倉大仏)・長谷寺(長谷観音)・鶴岡八幡宮・
建長寺・円覚寺
集合時間: 午前10時
解散時間: 午後6時頃
担当通訳ガイド: 知念保則
昼食: 各自持参して下さい。

■高徳院(鎌倉大仏)では大仏内部も見学します。また大仏の案内実習も行います。

■長谷寺では十一面観音像の拝観と、観音・菩薩・如来等についての解説を行います。

■鶴岡八幡宮では絵馬、おみくじ、阿吽の呼吸といった日本的な事象の説明実習を行います。
また北条政子が造営を命じた源平池を見学し、それぞれの池で島の数が異なることについての説明があります。
源実朝が源公暁によって暗殺された際、公暁が直前まで身を隠していた大銀杏の木も見学・解説します。

■建長寺では樹齢750年の白槙の木や、国宝の梵鐘、唐門・建長寺庭園の見学・解説を行います。

■円覚寺では舎利殿、佛日庵と、茶室「烟足軒」の見学・解説を行います。

その他目に映る日本的な事象も説明できるようにしましょう。鎌倉は古い町並みと、名刹が数多く存在する場所ですので、案内できるようにする必要があります。
実際に体験して外国人に説明できるようにしましょう。
また、研修の一環として参加者に英語で説明してもらう場合もあります。会話が不得手な方もあまり心配せずに気軽に参加してください。

鎌倉研修レポート
担当通訳案内士 知念保則

鎌倉研修では天気に恵まれた。午前9時に富士アカデミー前を出発し、総勢10人でいざ鎌倉へ。 ガイド研修はガイドの実務を学ぶと同時に英語力を向上させることがねらいのため、講師も受講生も研修中は英語を話すことを確認する。(日本語厳禁!)

車中では、簡単な都内の説明をした後、鎌倉での訪問箇所について旅程を伝える。その後、参加者に手短に英語で自己紹介をしてもらう。目的地鎌倉の説明をする前に、日本史の大きな時代区分を解説。まず平安時代までの天皇による統治、そして鎌倉時代以降の武士の世の中、明治になって天皇が再び政権に就き、第二次世界大戦後、日本は民主主義国家に生まれ変わる。そして、日本史上初の武家政権の鎌倉幕府に関して説明。頼朝が鎌倉を選んだ理由として、鎌倉は三方が山に囲まれ、南が海に面しているので天然の要塞であったこと、また鎌倉は昔から源氏ゆかりの地でもあったことを説明する。日本の観光と言えば、お寺やお宮がつきものである。鎌倉も例外ではない。そこで到着前に車内で、鎌倉大仏に関する説明や如来、菩薩、そして明王や天に至る仏像の基本的な違いを説明する。如来は悟りを開いた仏で、菩薩は悟りと万人の救済を求めてやまない修行者で、明王は有無を言わせず御し難い衆生を救済する神、天は守護神である。 予定よりも早く高徳院鎌倉大仏前に到着。

高徳院では基本的な大仏の説明と、研修の一環として受講生にも通訳ガイドになったつもりで説明してもらう。20円払って大仏の内部も確認する。大仏の横顔にかすかに残っている金箔も確認。 長谷寺では十一面観音の由来を説明し、十一面ある理由等も付け加える。鎌倉で唯一海に面した寺。高台から由比ヶ浜を一望する。長谷寺の庭園はゆっくり散策したくなるほど見ごたえがある。 残念ながらツアーや研修ではその時間がない。

鶴岡八幡宮では、本殿で神道式の参拝の仕方やおみくじ、絵馬等の説明と受講生にも実際に説明してもらう。実朝が甥の公暁によって命を落とした大銀杏も確認し、本殿の階段下に置かれてある獅子に似た像を用いて阿吽の説明。静御前が舞ったと言われる舞殿を通って源平池へ。北条政子が設計し、島の数で違いを出している点に触れる。源氏池には縁起のよい数の三つの島があり、平氏池には縁起の悪いとされる四(死)つの島が作られた。頼家の誕生を祝うために頼朝が作ったと言われる若宮大路を確認。

昼食後、北鎌倉へ。鎌倉五山第一位の建長寺を訪問。北条時頼が蘭渓道隆を開山として創建。三門近くにある国宝の梵鐘(釣鐘)を確認する。その後、総門、三門、仏殿、法堂、方丈が一直線に並ぶ典型的な禅宗様伽藍配置を確認する。三門近くにある開山蘭渓道隆手植えと伝えられる樹齢約750年の白槙(びゃくしん)を説明。方丈近くの唐門は東京芝の増上寺から移築されたもの。方丈では夢窓疎石作庭と言われる庭園を見学。

無学祖元を開山とする鎌倉五山第二位の円覚寺へ。円覚寺でも一直線に並ぶ禅宗様伽藍配置を確認する。円覚寺は元寇の戦没者追悼のために北条時宗が創建。歴史教科書でおなじみの国宝円覚寺舎利殿を確認。舎利殿は禅宗様建築の代表的遺構で、現在では11月の宝物風入れの期間と正月三が日のみ一般公開される。最後に、円覚寺を創建した8代執権北条時宗を祀る仏日庵を訪問。川端康成の「千羽鶴」の舞台になったことでも知られる茶室烟足軒(えんそくけん)を確認。 帰りは、車内で一日を振り返って受講生に感想を述べてもらう。研修期間中は、受講生の皆さんはとても熱心に説明に耳を傾け、また積極的に発表に応じてくれたため講師の私も大いに刺激を受けた。この研修では、日本のことをあまりよく知らない外国人に通訳ガイドとしていかに説明し、理解してもらうかをいつも念頭に置いて学習する必要性を強調した。

お客さんの「ありがとう」の一言にガイドは勇気づけられ、また励まされるのだろう。「あなたのツアーに参加して本当によかった。」と言ってもらえるようなガイドになりたいものである。
6時過ぎに新宿駅西口近くに到着し、お互い労をねぎらって研修終了。お疲れ様でした!