富士アカデミーでは、受講生の英語力向上と通訳ガイドの実践的訓練のため、第6回ガイド研修を実施します。今後も定期的にガイド研修を実施する予定です。

通訳ガイドは、当校代表の知念保則や当校出身の通訳ガイドが担当し、外国人旅行者を案内する時と同じやり方で説明します。

研修の目的は語学力向上にあるため、参加者も全員全て英語で話すようにしてください。

日時: 平成21年9月27日(日曜)
集合場所: 富士アカデミー 四谷教室
主な案内場所: 東照宮・輪王寺・二荒山神社・大猷院・中禅寺湖・華厳の滝
集合時間: 午前9時
解散時間: 午後7時頃
担当通訳ガイド: 知念保則
昼食: 各自持参して下さい。

■東照宮では全体の概略及び陽明門(逆柱)・唐門等主な観光場所や、神輿など日本的事象の解説を行います。また三猿・手水の作法や仁王像の説明実習も行います。

■輪王寺では内部建造物についての解説を行います。また五重塔・おみくじ・絵馬等、日本的事象の説明実習も行います。

■徳川家光の墓所である大猷院では、家光と祖父家康との関係を踏まえた徳川三代将軍に関する解説を行います。

■中禅寺湖では湖畔の紅葉鑑賞スポットや、周辺の旧跡についての解説を行います。を行います。

■華厳の滝では概略説明及び見学を行います。

■帰路のバス内ではレビューも含め、一人ひとりがガイド実習を行う機会を設けます。

その他目に映る日本的な事象も説明できるようにしましょう。日光は徳川の時代を語る上で欠かせない場所であり、外国からの観光客も非常に多い場所なので、案内できるようにする必要があります。実際に体験して外国人に説明できるようにしましょう。
また、研修の一環として参加者に英語で説明してもらう場合もあります。
会話が不得手な方もあまり心配せずに気軽に参加してください。

日光研修レポート
担当通訳案内士 知念保則

東京の出発時は天候はあまり心配していなかったが、日光に近づくにつれて小雨が降り始めた。出発後、皇居の歴史を少々説明し、目的地の日光との関係を説明する。
現地で実地研修前に、是非とも事前に理解してもらいたい事項を車内で解説。
例えば、しばしば外国人が疑問に思う「神仏習合」に関して説明する。明治まで日光では神仏習合は普通のことであった。日光と言えば東照宮が有名だが、日光の歴史は東照宮建設の800年も前の奈良時代に遡ることは見落としがちである。

小雨の中、輪王寺三仏堂から研修開始。
千手観音、阿弥陀如来、馬頭観音の説明と二荒山神社の祭神との関係を説明。東照宮にて、黒田藩献上の石鳥居、小浜藩献上の五重塔、狩野探幽下絵の「想像の像」、人の一生を物語っている三猿のほほえましい8枚の彫刻、肥前鍋島氏献上の御水舎等の説明。
圧巻はなんといっても陽明門。日暮門と言われる通り、彫刻を一つ一つ見て行けば時の経つのを忘れる。花や鳥、動植物、果物や野菜、子供や大人の人物像と多彩である。言えることは中国の影響を大いに受けている点である。また、戦国時代を経て、やっと平和な時代になったことを物語り、平和への願いも伝わってくる。徳川家の思いが伝わってくる。
二荒山神社では、勝道上人にまつわる「山菅の蛇橋」等の言い伝えやご神体の男体山、女峰山、太郎山と輪王寺三仏との関係を改めて説明。境内の親子杉や夫婦杉にも触れる。 大猷院では、仁王門、二天門、夜叉門(牡丹門)、唐門の説明。拝殿と石の間、本殿から成る権現造りの説明や天井の球を持った昇り竜と降り竜、徳川御三家献上の品々等を説明。教科書等によく出てくる狩野探幽作の唐獅子の絵も確認。

車中では、研修の一環から参加者にも大いに語ってもらい、バスの前に来てマイクを持って説明する訓練も行った。

講師として心掛けたことは、外国人観光客を想定して、また研修の意味も考慮して、説明はできるだけ分かりやすくした。実際のツアーでは十分な時間が取れない箇所もできるだけ時間を割いて説明するようにした。日光は日本の遺産と同時に今や世界の遺産ともなっている場所であるので、なぜそうなのかを念頭に置きながら一つ一つの建物の由来や、仏像の意味するところをできるだけ詳しく説明し、受講生の知的好奇心を満たすべく心掛けた。

今回の研修は日本文化に触れながら、英語力も向上させる一石二鳥を目指したため、出発時から講師も受講生も全て英語で通した。研修終了まで受講生同士英語で会話を楽しんでいるのが印象的で、受講生の意識の高さが窺われた。

帰りは大きな渋滞にも合わず、無事東京駅丸の内口近くに到着し、「See you soon!」のあいさつを交わして研修終了。お疲れ様でした。