通訳ガイドの喜怒哀楽-富士通訳ガイドアカデミー
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通訳ガイド緒車さん 緒車奈穂子
(2001年度当校合格者)

フリー通訳ガイド
ガイド歴 約4年 (英語)

 〜 冬ごもりの友 〜

 冬は通訳ガイド業の閑散期、訪日外国人の数がぐんと減る時期です。観光シーズン中にはなかなか会えない友人達と旧交を温めたり、散らかり放題の資料を整理したりする一方、通訳ガイド仲間と日頃から気になっていた観光場所や話題の店を訪れたり、たまった本やビデオを消化したりと、勉強の季節でもあります。特に読書は、通り一遍になりがちなガイディングに彩りを添えてくれ、思い込みや勘違いを修正してくれる、さらには即答できなかったお客さまからの難問に答える手がかりを与えてくれる貴重な機会です。正直なところ、通訳ガイド試験を受けてみようと思い立つまで、お稲荷さんってお寺?神社?という程度の知識と興味しかなかった私ですが、この仕事をするようになって今まで気づきもしなかった種類の本に目が行くようになりました。

   今ハマっているのは井沢元彦氏。先輩の通訳ガイドさんに勧められて「逆説の日本史」シリーズ(小学館文庫)から読み始めたのですが、学校で習った"日本の歴史"っていったい…と愕然とするとともに、歴史が血の通った人間のドラマであることを改めて思い出させてくれる視点に大いに共感しました。また「天皇になろうとした将軍」(小学館文庫)では、つねづね不思議に思っていた鹿苑寺金閣の(私の目には決して美しいとは思えない)三層異なった建築様式の謎解きに、ガイディングが一変しそうなほどの衝撃を受けました。

  他に最近読んだ本で印象に残ったのは、まず松浦昭次著「宮大工千年の知恵」(祥伝社黄金文庫)。縁側でお話を伺っているような気軽さで読め、しかも先人達の、技術のみならず心意気がずしりと伝わってくる内容に、日本文化の奥深さを実感。日本の職人技に改めて敬意を表する気持ちになりました。

  職人技と言えば、風見 明著「日本の技術レベルはなぜ高いのか」(PHP文庫)でも、日本が長い時間をかけて培ってきた技術の厚みに驚かされました。長年電機メーカーで半導体技術開発に携わっていた著者が「日本のもの作りの強さの源泉は何か」について考えた本で、江戸時代すでに世界のトップレベルにあった鋳造技術や日本刀・陶磁器・漆器などの製品と、現代の最先端技術およびハイテク製品とのつながり、またそれを可能にした社会的要因や日本人の性格などを分析している実に面白い本です。

  仏像についてはお客様からもよく聞かれ、特に京都観光では必須科目ですが、難問だけにきちんと説明しようとすると却って"講義調"のつまらないガイディングになってしまうのが悩みの種です。西村公朝さんの「仏像の声」「仏像は語る」(いずれも新潮文庫)は、そもそも仏像はなぜ出来たのか、という単純ながら最も大事な視点に気づかせてくれて、以前は"なんでこんなにいろいろあるの?!"と嘆いていた様々な姿形の仏像に、愛着さえ湧いてきます。

  その他、つい最近出版された「神社若奥日記」祥伝社黄金文庫)は"神社にお嫁に行った"若い女性の見た神社の舞台裏が生き生きと描かれているとても珍しいテーマの本ですし、一般常識の怪しい私には永久寿夫『スラスラ読める「日本政治原論」(PHP文庫)も大変勉強になりました。

  最後に、英語の勉強に関して私が勝手に"必読書"と呼んでいるマーク・ピーターセンさんの著書についてひとこと。最近話題になった「英語の壁」(文春新書)の他に岩波新書にも3冊ありますが、中でも「日本人の英語」は進行形、受動態など英文法の基本項目ごとに"英語のとらえ方"のエッセンスがまとめられており、日本語に精通したネイティブならではの視点から英語を解説してくれます。特に冠詞の使い方の説明には目からうろこが落ちました。 「日本人はなぜ英語が話せないのか?――話せるようになるまで繰り返し練習したことがないから」という著者の言葉は、"通じればいい"レベルで妥協しそうになる自分の英語への戒めにしています。

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