通訳ガイドの喜怒哀楽-富士通訳ガイドアカデミー
富士通訳ガイドアカデミー
ホーム 学校紹介会社概要 アクセスマップ よくあるご質問 お問合せ
通訳ガイド 資料請求 説明会 授業見学 コース案内 入学申込 英検1級 通訳・翻訳派遣
通訳ガイド関連メニュー
合格関連情報
合格者体験談
合格者一覧
合格祝賀会
現役通訳ガイド講演会
合格インタビュー
通訳ガイドの喜怒哀楽
ガイド試験情報
通訳ガイドの意義
試験施行要領
試験日程
試験データ
試験傾向と対策
1次英語攻略法
1次社会攻略法
2次試験攻略法
ガイド試験問題
英語1次試験問題
社会1次試験問題
2次レポート
他外国語1次
使用テキスト
講師のご紹介
通訳ガイドの喜怒哀楽

私の通訳ガイド奮戦記(第7話)     

 |  第1話  |  第2話  | 第3話 | 第4話  | 第5話 | 第6話 | 第7話
 |  第8話  |  第9話  |  第10話  |

高宮 暖子さん
(2002年度当校合格者)

フリー通訳ガイド

私がホステスに変身した日

もう時効だから書こう。4ヶ月近く前、私は初めてプライベートガイドなるものを経験した。お客様は欧米人ドクターおひとりさま。シングル男性である。観光スポットはよりによって、海辺にキラキラ輝く福岡タワー、ホークスタウン(村上龍の「半島を出よ」の舞台にもなっているお台場風なショッピングモール)、そして桜が満開の舞鶴城跡。デートスポットのフルコースである。

大勢のバスツアーとはまったく別の緊張感が全身を襲った。通訳ガイド仲間には、きわどいねぇ〜とからかわれ、本当にそうかもしれないと思った。何を着ていこうか悩んだ。リクルート風スーツではあまりに素っ気無いだろう、かといって着飾ってもおかしい。結局、優しいイメージを演出しながらも仕事風にみえるよう、パステルカラーのジャケットとスカートを合わせた。

それらは全て杞憂だった。Tシャツ姿で現れたお客様は、底抜けに明るくフランクな方で、会話も弾んだ(ウィットに富んだ方だったので、非常に頭脳を使わされたが)。ハイヤーのドライバーさんは私たち2人をVIP待遇し、乗降のたびにドアを開けてくれた。観光を終えた後はお客様のご招待で、ホテルのエグゼカティブ・フロアのバーで軽食を共にした(仕事でもない限り縁のない場所である)。まだ続きがある。なんとお客様は、保育園に預けていた娘の迎えに一緒に来られ(子供たちは大喜びでまとわりついた)、私たちを見送ってくださったという・・・こうして、優雅で健全なデートは無事終わった。

先日、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の通訳ガイド関連コミュニティで、将来通訳ガイドになりたいが旅行会社に勤めたほうがよいかどうか、と学生同士が討議をしているのを偶然見つけた。気になった私は、もちろん旅行会社もいいけれど、あらゆる社会経験は何らかの形できっと糧にできるから、分野にこだわり過ぎず、目の前のことを精いっぱいやるといいですよと、アネゴ気取りでコメントを入れてみた。

通訳ガイドを志す前、私は5年間、IT企業に勤めていた。そこで経験したことのうち、ガイドになってから最も役立っているのは、コンピュータの知識でも業界情報でもなく、接待である。大抵の女性社員が嫌がる接待を私は喜んで引き受けた。管理職クラスのおじさま達に連れられるままに、食べて飲んでお酌して、たくさん会話を重ねた。そこから学んだことの、なんと多いことか。

今日はただ頷いて話を聞いて欲しいんだなとか、褒めて欲しいんだなとか、私らしい率直なコメントが求められているなとか、男だけの話になってきたからそろそろ失礼しようとか・・・そういう心の機微を読み取る技は、幾ら本を読んだところで実践できるものではない。知識よりもセンスであり、センスを磨くのは経験である。といっても私はまだまだ。仕事あるいはプライベートで、料亭のおかみさんやホテルマンなどサービス業のプロを観察するたびに、ああ比べ物にならないなと反省させられる。

それでも私の得意分野は語学力でも知識の広さでもなく、やはりおもてなしに落ち着くのだろう。相手の表情を読み取って、相手が喜ぶリアクションを返す。相手にとって心地いい空気を作る、演出する、ちょうどよい距離感を保つ・・・そういったすべてのこと。マザーテレサのように、寄り添うだけで感激の涙を流されるまでにはとてもとても至らないけれど、これからもおもてなしにこだわって、相手の心に働きかけながら、仕事をしていこうと思う。

このページのトップへ▲

Copyright(C) FUJI ACADEMY. All Rights Reserved.
一覧に戻る