通訳ガイド当校合格者時友 なぎささん
2005年11月開講受講生
2007年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

外資系企業にて外国人の同僚や上司に囲まれて英語で仕事をすることになり、はじめて英語の必要性を感じました。一年休職してアメリカにて英語を学びその後復職してからは、会議、メール、電話などを英語でこなすべく必死でがんばりました。海外にある本社、支社の社員の訪問を受けることも多々あり、仕事の合間に観光やショッピングなどのお手伝いもしました。その後知人から通訳案内士の方の話を聞いて、大変興味を持ち即チャレンジを決めて2005年11月富士通訳ガイドアカデミーに通学し始めました。そして2006年に社会科三科目合格、2007年英検一級合格、そして本年度二次試験に合格いたしました。現在は、新人ガイド研修を受けながら、憧れの通訳案内士としての一歩を踏み出そうとしているところです。

1.1次試験英語対策

週二回通学コースを選び、ほとんど休むことなく知念先生のクラスに通いました。精読用英文の予習はかかさずやりました。予習をこつこつやる地味な作業が結局は、学力の向上につながったと思います。単熟語集の暗記は覚える、忘れる、覚える、忘れる、、、の繰り返しでした。合格した今でもあの水色の表紙の本はいつでも見れるように部屋においてあります。出かけるときは必ず持ち歩いて電車のなかでひとつでもいいので覚える。ぱっとひらいてみたページの単語を覚えるなど、暗記しようと気負わないでいつも身近においておくことをお勧めします。時事単語集はガイドの仕事においても実践的に使えそうな単語がたくさんのっています。また読売新聞の夕刊には「ニュースの英語」というコラムでデイリーヨミウリから、まさにタイムリーな時事英語が例文とともにのっているので、これも必ず毎晩チェックしました。今思い返すと一次試験攻略に関しては、この通学コースの教材と、2006年の冬に通った同じく富士の英検一級コースの教材しか使っていません。幸いなことに英検一級コース(山中講師)を一回受講し、合格いたしましたので2007年の英語の一次は免除となりました。この一級コースでも休まず、地道に予習を続けていきました。予習だけで数時間かかることはざらでした。富士の講座を信じて、一次試験あるいは英検一級に必要な実力を得ることができました。どちらのクラスでも先生に名前を覚えていただいて声をかけていただいたことも勉強を続ける上で大きな励みになりました。

2.1次試験社会科対策

これらの科目に関しても基本的に富士の教材が中心です。ただ歴史にしても地理にしても「暗記」が弱点でしたので忘れにくくするために同時に手を動かすなどの工夫をしました。たとえば歴史では、山川出版から「小説 日本史書き込み教科書」というのが出ています。これはテキストである山川の教科書のなかの重要な項目が白抜きになっていて自分で書き込んでいくものです。一冊書き込みを終えるとかなりの達成感があり、また、書き込むためにいろいろと調べたり字を確認したりするので記憶に残ります。また全体的な社会科の知識をおさらいするために、国立・私立中学受験用の学研の「丸まる要点ノート 社会」(やはり書き込み式)を使いました。これで大まかな地理、歴史、政治などのイメージをつかみました。地理は、テキストの白地図の無地を拡大コピーして、そこに主要な山、川、湖、観光地などなど色鉛筆で色分けしてどんどん書き込み自分の白地図を作りました。山や観光地の位置など書き込もうとすると以外に場所がわからなくて調べなければならず、作成にはかなり時間がかかります。そのせいか、記憶に残りやすいのでぜひ、「どうも覚えられない、地理が苦手」という方はやってみてください。旺文社の「中学入試でる順 白地図ノート」も書き込み式ですので、苦手な地方だけやってみるのもいいと思います。一般常識は日頃から新聞を読む、ニュースを聞く以外は、時事用語集を一冊購入して読み、あとは富士での講座、プリントのみで試験に臨みました。おかげさまで、これら三教科は、試験に初めてチャレンジした2006年に合格することができました。この年は英語は力及ばず、その年の年末の英検一級合格で、翌年英語一次は免除となるという幸運に恵まれました。

3.2次試験対策

どの先輩方の体験談を読んでも二次の対策は早いほうがいいということでしたが、やはりわたしも経験からそう思いました。わたしは2007年の4月から毎週土曜日ブラウン先生の二次試験対策クラスに通いはじめました。ブラウン先生は日本の文化に対して深い知識をお持ちの方です。また自分の意見をおっしゃるときもインターネットなどでその統計的な数字を調べていらっしゃったりと、その姿勢そのものから学ぶことの多い先生でした。また、限られた面接の時間のなかで、どう自分の意見を筋道たてて話していくか、どう自分の意見や経験を折り込んでいくかにつき、徹底した指導をしていただきました。ブラウン先生の模擬面接で、最初はだらだらと思いつくままに答えていたわたしも、後半はどうにか、まずは質問に答え、その理由や、具体例などを2、3つ、項目だててわかりやすく話すということが心がけられるようになりました。それでも予想もしないようなブラウン先生の質問につまってしまうこともしばしば。ほぼ毎週、顔が赤くなるような失敗やいい間違え、こう言えばよかったとの後悔の念などつらい思いもし、「来週こそがんばるぞ」と誓って帰途につきました。このクラスでは、他の生徒の方の質問やその返答も大変参考になります。ですので、自分の番以外でもメモの手は休めず、クラスが終わってから、自然に集まった生徒同士で、聞き取れなかったところをお互いに聞いたり、自分が調べたところを見せ合ったりと、時にお昼を食べたりお茶をしながら、自主的に勉強をしました。このメンバーで、二次直前では、タイムをはかりながら、二次の質問を想定して「模擬面接」をおこないました。二次の直前の時期はセミプライベートレッスンもありますので、体力的にも精神的にも一番つらい時期です。その中で、どうにかがんばれたのは、この志を同じくする富士の生徒の皆さんの存在のおかげでした。実は二次の試験当日も早めに会場近くの駅に集合して、面接前の口ならし(模擬面接)をお互いにしました。二次対策講座では、生徒どうしの距離がいっきに縮まりますので、ぜひ皆さんにも共につらい時期を乗り越えられる友人との出会いがあればと思います。 富士の教材のほかには、気分転換もかねて下記の本をよく読みましたのでご紹介します。

別冊宝島  「巽一朗の日本を伝える英語フレーズ」
アスコム 「NHK COOL JAPAN 外国人が感激したニッポンの魅力」
講談社  「イラスト日本まるごと事典」
中経出版  「英語で答えるニッポンの不思議」

また、交通会館(有楽町)にあるJNTO(国際観光振興機構)で「Hello Japan」という小冊子をもらうことができます。外国人の方に日本の地理や文化、観光などを楽しんでもらうためのもので、英語、中国語、日本語で表記されています。JNTOは通訳案内士試験の実施団体でもありますので、ぜひ一読してみてください。 二次対策は、残念ながら授業に出れば合格というわけにはいかないと思います。自分なりの情報収集と、家での練習(必ずタイマーを使ってみてください)が合否を分けると思います。そして、その自分の返答を、富士のネイティブの講師の皆さんに聞いてもらい、コメントをもらえる願ってもないチャンスです。わたしはグラスバーガー先生には、主に文法の誤りを指摘されてはじめて気づきましたし、自分の体験談などを話すことの大切さをプロパー先生から学びました。ぜひいろいろな先生の講座を受けて、たくさん恥をかいて本番に臨んでください。試験当日は、会場前に岩淵先生のお姿を見つけました。励ましの一言をいただきどれほど勇気づけられたことか。本当にありがとうございました。

4.これから受験される方へのアドバイス

二年間の受験生活を通して一番感じたのは、学生時代と違って、集中力も、暗記力も格段に落ちてきているという事実でした。また、学生の時のようにまとまって勉強時間をとれないことも多々あります。これを補うには、やはり通学時間、移動時間、就寝時間前、など細切れの時間を使って勉強するしかないということです。それらを積み重ねて、反復して、ときに五感に訴えて、覚えるべきことをなるべく忘れない状況を作っていくしかないと思います。どうぞ、いろいろと試行錯誤して、皆さんなりの勉強方法を見つけてください。

5.富士のよかったところ

二次試験の準備のなかで、なかなか思うようにしゃべれずあせっていたわたしに、知念先生は、「しゃべれてるよ。あとはいろんな知識をたくさん蓄えていきましょう」と声をかけてくださいました。また、山中先生は、一級の二次試験の前日、やはり不安いっぱいのわたしに声をかけてくださいました。ぜひ、受験勉強の中で不安があれば先生方に相談してみてください。皆さんの様子を見てくださっている富士の先生ならではの、暖かく時に厳しいアドバイスがもらえると思います。また、勉強の合間に、富士アカデミー主催のウオーキングツアーなどに参加して、自分たちが目指しているガイドという仕事のイメージをつかんでおくのはどうでしょうか。わたしはウオーキングツアー初回、知念先生のガイドで、皇居などを見て歩きました。