通訳ガイド当校合格者松井 祥子さん
2007年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

子供の頃から外国と外国人への憧れが強く、英語を使って外国とのかかわりのある仕事につくことが将来の夢でした。
就職先は通信会社。最初の配属先は大阪国際電話局(国際電話オペレーター)でした。その後いろいろな部署を経験し、今日に至りますが職場では英語とはほとんど無縁の環境にいます。このまま仕事を続け日本で暮らしている限り英語ができなくても日常生活に差し支えることはありません。育児とフルタイムの仕事を続けていくうちに子供の頃の夢はどんどん遠ざかって行きました。子供たちが成長すると会社と家との往復だけの生活は少しもの足りなさを感じるようになりました。
東京への転勤を機に英語の勉強をする!と決心し通訳学校の試験を受け、会議通訳入門コースに通うことにしました。通訳を目指して通訳学校の上のクラスに進級して行けば、そのうち通訳ガイドの試験も受かるだろうと今にして思えば大きな勘違いをしていました。通訳学校に通いつつ試験を受けましたが、1次敗退。翌年も不合格でした。
ガイドの試験に合格するためには、試験に特化したスクールに通って対策をするしかないと実感し、通訳学校から富士に転校し、ガイド試験に向けての勉強を開始しました。

1.1次試験英語対策

ガイド試験の単語は英検1級より難易度が高くありませんが、ガイド試験特有の単語が多いです。知っていれば確実に点数が取れるので時事単語集は必ず覚えるようにしました。精読用英文は読んでみるとなんとなく意味は分かるのに日本語に訳そうとすると日本語として変な訳出しかできません。授業の中で先生が訳される訳を聞いて日本語らしい日本語を書くコツをつかむようにしました。フルタイムの会社員なので時間に余裕がなく、予習や復習にあまり時間をかけることができませんでした。仕事が非常に忙しく遅刻することもありましたが、とにかく授業に出る。授業に出ている間は集中するということを心がけました。

2.1次試験社会科対策

地理は元々大好き。全国各地を旅行して、遺跡や美術館めぐりをしていたのであまり不安はありませんでした。
一般常識は対策をするにしても範囲が膨大なので、過去問と富士でいただいた資料をとにかく覚えることにしました。最大の関門は日本史です。英語大好き、外国大好きの私は高校では当然世界史を選択しました。日本人の(漢字の)人の名前は覚えられないし、宗教も無理。時代劇すら見たことがありませんでした。いくら英語と世界史が得意でも日本の歴史を知らないのでは通訳ガイドにはなれないと実感し、興味のなかった日本史を基礎から勉強することにしました。まずは富士でいただくプリント。それから先生お勧めの高校の日本史の教科書(山川出版)。高校生用の日本史の学習参考書と問題集も併用しました。大半の勉強時間を歴史対策につぎ込みましたが、勉強していくうちに日本史も面白くて大好きになり、今では自他共に認める「歴女」になってしまいました。

3.2次試験対策

2次面接で心がけたことは通訳ガイドになりきろうということです。
外国からのお客様をガイドしているつもりで笑顔とホスピタリティで楽しませてあげようと務めました。もちろん想定問題の回答は準備しましたが、模範解答丸暗記よりも自分の言葉で説明したいと思いました。ガイドブックや対策集に書いてある説明通り立派に言えたとしても判で押したように同じ説明では面接官はたいくつするかも知れません。温泉について聞かれた時は、「温泉はあらゆる病の治癒効果があります。恋の病以外は」と言うと面接官全員笑ってくれました。
ガイドはエンターティナー。お客様が笑ってくださるとこちらも楽しくなりどんどん楽しませてあげたいという気分になります。

4.これから受験される方へのアドバイス

勉強は時には辛く苦しいものと思いがちですが、通訳案内士試験に関してはとても楽しかったというのが実感です。
学べば学ぶほどまだ知らない知識欲が刺激されます。学生時代と違い、誰に押し付けられた訳でなく、何の義務もなくただ自分が好きで勉強する。その勉強は合格してガイドをする時には必ず役立ちます。スクールに通わなくても合格できる実力がある人もいるでしょう。でも資格試験ですので合格するためには対策やテクニックも必要です。孤独な勉強で合格までモチベーションを維持し続けるのは容易ではありません。同じ目標に向かってクラスメイトと一緒にゴールを目指す方が励みになります。効率よく勉強して少しでも早く合格するためにも富士に通うことをお勧めします。
私はこの勉強を通じて、学ぶことの楽しさと諦めないことの大切さを学びました。全く興味のなかった日本史と日本文化も大好きになっていました。合格してもスタートラインに立てただけですが、気が付いてみると新たな人脈が広がり、知らなかった世界が増えていました。これからも大好きな日本を紹介するために勉強を継続し、成長して行きたいと思っています。夢は見るものではなく叶えるものです。諦めない限り夢は叶います。知念先生を信じて、効率よく楽しく勉強。弱点を克服しましょう。合格は百点満点でなくてもいいのですから。

5.富士のよかったところ

クラスメイトはライバル、先生は怖い。というイメージとは対極で暖かくアットホームは雰囲の中で学ぶことができます。予備校形式でひたすら授業を聞くのではなく、時々当てられるので適度な緊張感もあります。授業の振替やテープの貸し出しもあり事務局の方々も大変親切です。クラスメイトの方々も優秀かつフレンドリー。
また他校と大きく違うところは「合格させて終わり」ではなく新人研修の実施と付属の派遣会社を通じてのお仕事の紹介という点です。合格するまでではなく合格してからも面倒みのよいスクールです。