通訳ガイド当校合格者小口 陽子さん
2006年12月開講大阪校受講生
2007年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

通訳ガイドは長年の憧れでした。実は十数年前に一度受験を試みたことがあるのですが、あまりの範囲の膨大さに何から手をつけてよいのが途方にくれ、結局は放り出してしまった苦い経験があります。その後ガイド試験は自分には敷居が高すぎると敬遠し、その代わりに英検やTOEICなどの試験に挑戦しながら英語の勉強を続けてきました。何度目かの挑戦の末ようやく英検1級に合格できた頃から、再び通訳ガイドの夢が自分の中で徐々に大きくなってきました。そして一昨年、英検1級保持者は1次の英語試験免除という制度が始まったことを聞きつけ、富士アカデミーに思い切って飛び込みました。

1.1次試験社会科対策

日本人でありながら日本史や地理に自信がないことが長い間コンプレックスでした。今回のガイド試験は日本人としての知識を身につける願ってもないチャンスだと思って取り組みました。まず日本史は基本的には富士アカデミーの授業と社会科テキストで骨子を掴み、詳細は山川の教科書で枝葉をつけていきました。授業では知念先生が過去問で出た箇所などを丁寧に説明してくださるし、毎回の小テストは重要事項が凝縮されているので自宅学習の際に大いに役立ちました。勉強で使用したものは基本的には授業と富士のテキスト、それに山川の教科書だけでしたが、補助手段としてテレビの歴史番組(NHKの「その時歴史が動いた」等)を積極的に見ました。活字だけだと分かりにくい歴史がより身近に感じられ、取り上げられた時代周辺の事項が頭に入りやすくなりました。日本史の試験と言っても、基本的にはガイドとして必要な知識が中心だと思いますので、それほどマニアックな知識は必要ないと思います。まずは教科書を数回通読して歴史の流れを頭に入れることが重要だと思います。地理対策で使用したのも富士のテキストだけです。国立・国定公園は徹底的に頭に叩き込み、白地図を利用して主な河川、山脈、火山、湖、半島、温泉地などを書き込んでいきました。部屋のあちこちにテキストのコピーをはりつけ、家事の合間などを利用して暗記に努めました。実際の試験を受けて思ったのは、これまでしてきた国内旅行がとても役に立ったということです。実際の試験では知識からではなく経験から答えが分かった設問が多かったのです。日ごろから旅行計画を立てるつもりで旅行会社のパンフレットを眺めたり、他県の友人から情報を得たり、地域の史跡を訪ねたり…と何気ない積み重ねが有益であることを実感しました。一般常識では、富士のテキストをとにかく熟読しました。その他は皆さんおっしゃっていることと思いますが、日ごろから新聞をよく読んでニュースに耳を傾けることです。私は直前に自分の知識を再確認するつもりで大学生用の一般常識のテキストを買っておさらいをしました。

2.2次試験対策

スピーキングは富士の月1回の授業のみが頼りでした。ブラウン先生の指導は楽しい雰囲気の中にも緊張感あふれるもので毎回身が引き締まりました。ブラウン先生の日本事象の説明は目から鱗が落ちる思いがするほど簡潔かつ要点を得たものでした。ところが私の説明ときたら、指名される度に緊張のあまり自分でも何を言っているのか分からなくなり、何度も同じことを言ったり、まるで見当違いな方向に話がそれたり。自分以外の受講生が全員上手に思えてかなり落ち込んだこともあります。しかし気落ちしているだけでは一歩も前進しないので、自分なりに日本的事項のQ&Aをノートにまとめ、それをお風呂の中でぶつぶつと口に出して暗記に励みました。暗記しておけば落ち着いて話せると思ったからです。授業は毎回密度が非常に濃く、帰宅する時はぐったりするほどでしたが、そのおかげで本番ではあまり緊張せず答えられました。

3.これから受験される方へのアドバイス

通訳ガイドの試験は若い人だけでなく、年齢を重ね経験を重ねてきた人にも向いている試験ではないでしょうか。長年悩んでいる方がいらしたら是非トライされるようお勧めしたいと思います。大阪での富士の授業は月1回なので心配される方もおられるかもしれませんが、授業をペースメーカーとし、少しずつコツコツ勉強を続けていけば必ず良い結果が得られると思います。知念先生がとにかく丁寧で親切です。また私の場合は友人と一緒に入学したこともあり、お互いに励ましあうことができたことも大きかったように思います。

4.富士のよかったところ

富士ガイドは今時珍しいほど良心的な授業料なのに、試験に必要なことは全てカバーしてくれる頼りがいのある学校です。