通訳ガイド当校合格者羽中田 雅弘さん
2008年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

簡単な自己紹介として、私の英語遍歴の始まりを述べさせて頂きたいと思います。
大まかに言って二つあると思いますが、一つは、25年以上前個人的に中央高速をドライブしていて、談合坂レストエリアに立寄った時、国際観光バスに置き去りにされた米国人夫妻に遭遇した時でした。そこのインフォーメーションセンターへ案内して事情を話したら、バス会社と連絡がとれて、河口湖インター出口で待ち合わせることになり、無事送り届けました。それ以来今でもこの夫妻と文通が続き、New Yorkの自宅へも遊びに行き歓待されました。最近の手紙でも「富士山の近くでsaveして貰ったのは、忘れられない」と言って感謝されています。この経験を通じて、外国の人たちとの交流には親切・積極性・継続性が如何に大切かを学びました。
二つ目は日本企業の海外支店勤務をした時でした。その米国ロサンゼルスに於ける生活で、色々な国の人たちに会い、相手に自分の国の文化・習慣・歴史や観光地について説明しようとしても、とても難しいという事でした。その時に自分の国の事をもっと知りたいと思うと同時に、異文化交流に興味を惹かれました。こういう背景があって、偶々、NHKラジオ英会話テキストに通訳ガイド試験について書いてあるのを見て、受けてみようと決心しました。

1.1次試験英語対策

一次試験英語攻略法については、先ず第一にやはり、出題傾向を把握しそして如何に勉強していくか、その対策を早目にたてる事が大切だと思います。近年観光立国の重要性が認識されて以来、出題傾向も大きく変わり、それに伴いどの様に勉強していくか、そしてどういう点に重きを置いて勉強していくかは、合否を制する位に重要になっていると思います。その点で富士アカデミーの一次対策教材の時事単語集や精読用英文で実際の試験の流れをつかみながら、勉強していきました。又、日本事象についてエッセイを書く問題は、傾向の把握がまさにポイントになりますが、知念先生はこの把握に関して優れた感性をお持ちの様で折にふれて暗示があり、実際に試験の際助かった生徒は多いと思います。
次に英作文も独特の傾向があり、英作文の出来、不出来の差は大きい様ですが、富士アカデミーでは毎週、英作文の小テストや宿題があり、ネイティブの講師によって丁寧に添削されて戻ってきます。英作文は独学では中々実力アップが難しい分野ですので、尚更効率的だと思います。更に近年制度上の大きな変更として挙げられるのは、英検1級を持っていれば、通訳ガイド試験の英語一次が免除される事です。そして、ガイド一次はパスしても翌年一回しか一次免除にならないのに対し、英検1級は、変更にならない限り、ガイド英語一次は免除ですから、非常に有利と言えます。そういう意味でも、富士アカデミーでとても充実した英検1級受験用講座が同時に受けられるのは、他の学校にない利点だと思います。特に英検1級担当講師の山中先生は、毎回御自身英検1級を受け続け、現在26回連続合格を果たし、試験の傾向も現実も熟知されていて、尚且つ、受験生の目線で指導されるので、生徒として非常に勉強し易いと思います。特にリスニングに関する小テストは、苦手な 私にとって、実力向上に有意義でした。

2.1次試験社会科対策

社会科攻略法についても○×回答方式ではあっても、出題傾向をつかんでおく事は重要です。
近年日本史や地理で、仏像やカルデラ等結構沢山の写真が出題されています。山川日本史教科書、国内旅行地理検定試験等のテキストた標準高等社会地図帳等で勉強しましたが、年によってかなり出題傾向が違います。
例えば、日本史では藩校やロンドン条約の全権大使の名前等細い出題があったり、地理では解答に直接関係ないのに長い文章の問題が出て、丁寧に読んでいると時間切れになったりと、トリッキーな点で足をすくわれない様気をつける必要があります。実際に富士アカデミーで小学社会白地図まとめノートを紹介されて、内心「小学校の教科書!?」と半信半疑で手に入れて通読しましたが、写真や特産品で実際の受験に役立ちました。
受験のプロの助言は、取捨選択して自分のものにすると、とても役立つと思います。
特に一般常識の試験は範囲が広すぎて、とりとめがなく、日頃新聞を良く読んでいても不安だと思います。その点、富士アカデミーの社会科テキスト(一般常識)や社会科模擬試験等に頼るという事は適切な勉強方法の一つだとお勧めします。

3.2次試験対策

近年二次面接の質問内容が非常に変化してきており、カバーされる範囲も広範で、内容も多岐に亘り、且つ細い質問も目立つ様になっていると思います。実際に、”へえ~そんな質問が出るの?”と思う様な質問、例えば、”日本には沢山方言があるが、一番有名な方言は何か?”というのが出ています。この様な場合、決まった解答はなく、どの様に話を進めるかになると思います。如何に勉強をしていくかについては、最近の出題傾向を調べ、過去問に対して自分で平易な単語を使って英文を書き、それを声を出して話してみる事が大切です。その様な過程で、富士アカの直前2次対策クラス或いは2次対策集中セミナーは、実践面で非常に効率的でした。例えば、どんな質問でも沈黙はしない事、直接関係なくても一寸関連している例を持ち出して、自分の考えを述べる事を学びました。こういった勉強法を進める際に、プロパー先生やグラスバーガー先生のご指導はとても助かったと思います。例えば一つの考え方を平易な単語や文章で言い換えたり、又関連する事例をsuggestしてくれたりしました。次に英語の面接では、色々なテクニックがある事を学びました。例としては、(イ)頭に浮かぶ単語が中々口に出て来ない時、(ロ)単純に「分りません」と言わずに、何と言うか、(ハ)つまった時、どうすればよいか・・・・等々。こういう時、英語で言うべき言葉を覚えておくと、パニックを起こさずに、随分助かりますし、そう言っている間にその単語を思い出したり、言うべきアイディアが浮かんできたりします。
二次面接の対策としては、やはり指導者がいた方が、ずっと効率的であると思います。
そういう点でも、ガイド試験や英検1級の二次面接対策として、富士アカデミーは講師陣、システム又良心的な授業料等納得のいくサービスを提供してくれていると思います。

4.これから受験される方へのアドバイス

後輩に対する合格の為のアドバイスとしては、「敵を知り、己を知る事が大切」という事です。特に通訳ガイド試験の様に競争率が高い資格試験の場合、時として落とす事を目的とした出題があります。
例としては、2006年の地理の問題の様に、解答に直接関係のない非常に長い文章の設問があり、丁寧に読んで解答していると、全問仕上げない内に時間切れになったりします。つまり時間管理が重要です。その為に、10問終わったら、何分使って残り何分かをチェックし、そしてそれを、繰り返していくべきです。
次に、その落とすという目的の為に、ヒネくれた、あげ足取りの問題も出たりします。正解率も60%未満なので、絶対不合格と思っていたら、全体的に正解率が低くて合格したというケースもあります。二次試験迄時間は短いですが、落ちたと思って準備を怠ると危険です。更に、二番目の「己を知る」に関しては、模擬試験などで添削された答案が帰ってきた時によくチェックして悪い所は研究する必要があります。自分の弱点をよく知り、特に英作文は点差が大きくなりがちな分野なので注意すべきです。
アドバイスの最後として、合格後の事について考えるのは、「合格するかしないか分らないのに、考えても無意味」なのかも知れませんが、私としては、合格後の事について少し触れてみたいと思います。もし、インバウンド業務(海外旅行者を日本国内の観光地に案内する事)にコネがあれば、空港-ホテル間のトランスファーや簡単な都内観光から始まって、少しづつ慣れていき、全般的な観光ガイディングに足を踏み込んで行けると思います。
ここで認識しなければならない点は、通訳ガイドを始めたと言っても、通訳と観光ガイドは全く別個の分野である事です。
又観光ガイドをどの様にして始めるか、収入はどの程度期待出来るかは、本当に千差万別の様ですので、少しは前もって知っておく方が良いかも知れません。

5.富士のよかったところ

富士アカデミーをお勧めする点について、今迄にも若干触れて参りましたが、色々あると思います。しかしここでは特筆されるべき点につき、述べさせて頂きます。
第一に、富士アカデミーには、通訳ガイド試験一次対策、二次対策或いは英検1級一次・二次対策等色々な講座が備わっていますがそれらが有機的に繋がっているので、個々の講座を取り易い事と、それぞれの授業料体系が非常に良心的に出来上っている事だと思います。
次に、富士アカデミーの傘下に”外国人旅行客の為の観光スポットツアー”を運営する部門があり、受験生や新人卒業生がこのツアーに参加する事によって、生の英語に接したり、実際のガイドを身近に体験する事も出来ます。又こういったツアーで活躍する卒業生ガイドが、合格した生徒を対象に学校が企画する新人研修会に参加して、実地ツアー研修も含めて、指導してくれる機会があります。これらを通じて交流の輪が広がり、実践面でも幅広いネットワークを持つ富士アカデミーは、合格後のガイディング準備やガイドの活動そのものに於いて、非常に有益です。
更に、富士アカデミーの少人数システムは、講師から生徒への単なる一方通行ではなく、先生から生徒個人への問いかけや、逆に生徒から先生への質問もあり、授業が活性化され、理解を深めるのに役立っています。
知念先生・山中先生、プロパー先生・グラスバーガー先生等外国人講師陣及びスタッフの方々の受講生に対する温かなアプローチは、私達の孤独感を追い払い、やる気を起こしてくれました。この紙面を借りて感謝致します。