通訳ガイド当校合格者石井 敦子さん
2008年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

大学時代は日本文学を専攻していましたが、友人からどこそこへ海外旅行に行ってきた、とかホームステイしてきた、とか話を聞いてるうちになんとな~く英語に興味を持ち始めました。しかし、特に英会話スクールには通わず、海外旅行も金銭的に余裕がなくて行かずじまい。就職活動が超氷河期だった為、なかなか内定がもらえず、結局卒業旅行にも行きませんでした。生まれて初めての海外旅行が、なんと20代後半!!(新卒で入社した会社では、有給を使って海外旅行をするような余裕はなかった為、その会社を退社してからやっと海外旅行が実現しました。)そのあと、アメリカとカナダへ短期のホースティを経験し、富士通訳ガイドアカデミーに通うまでは、特に他のスクールで勉強をしたことはなく、独学(洋画を観たり、英会話のCDを聞いてシャドーイングした程度)を続けていました。そのあと、何度か転職を経験し、ふと将来のことを考えた時、”やっぱり、何か資格とか技術とか身につけなくちゃいけない!”と思うようになり、あれこれ悩んでいた頃、”通訳ガイド”という仕事の存在を知りました。
”通訳ガイドなら、定年退職年齢を気にせず働ける!しかも、いろいろなお客様と仕事を通じて会える!これは、おもしろいかも…。”と思い受験することに決めました。仕事を続けながらスクールへ通おうと考えていた為、仕事が休みの日(月曜日)に授業がちょうど行われるので、富士に決めました。

1.1次試験英語対策

富士アカデミーに通うようになり、思ったことといえば、”私って、なんて身の程知らずなんだろう…”ということでした。なぜなら、他の生徒さんの発音のうまさ、単語の知識にすっかりうちのめされたからです。ちょっとホームスティを経験しただけの私と違って、海外で生活したり、仕事をされていたり、海外事情に詳しい方がゴロゴロいるわけです。本当に当時はショックでした。でも、もう通訳ガイドになるつもりで富士アカデミーに通うと決めたので、ここで辞めたらまたふりだしに戻ってしまう!と思いなおし、”通訳ガイド試験に受かる為には、今の私には何が足りないのか?”と考えるようにしました。(今思うと、何もかも足りなかった気がしますが)。最大の弱点は単語でした。富士の単熟語集・時事単語集を見ても、情けないくらい知らない単語が多すぎました。”単語・熟語が分からなかったら、和訳なんてできない!”と思い、とにかく覚えるように努めました。通勤・通学中・お昼休み・休憩時間・お風呂…と、すきま時間にはいつでも単語集を繰り返し繰り返し見ていました。時事単語も”実際の試験で解答できなかったらくやしい!”と思い、繰り返し紙に書いたりして覚えました。また、道を歩いている時も度々目についたものを、”これは英語で何と言うのかな?”と考えたりしていました。 精読用英文は、必ず予習して、ノートに和訳を自分で書いてから、授業にのぞみました。これは、今思うと非常に良かったと思います。和訳しづらかったり、どこをどうつなげていいか解りにくい英文を、実際に自分でノートに訳すことは、こなれた和訳をつくる訓練になります。1次英語試験の時に冷静に和訳に取り組むことができました。 毎回授業で行われる小テストの英作文も、限られた時間内で、自分の頭にある表現方法を工夫してこなす訓練になりました。最初の頃は”こんなんじゃ採点してくれる先生に笑われてしまう~”と苦痛に感じられた英作文でしたが、徐々に評価がFairからGoodの数が増え、時々Excellentを頂くようになると、”自分に実力がついてきたんだ!”と自信を持てるようになりました。 また、非常に私としてはありがたかったのが、毎年1次試験が近づく時に頂ける”通訳ガイド1次試験直前対策プリント・日本文化用語集””通訳ガイド1次試験直前対策・英作文演習”のプリント類でした。これらのようにプリントでまとめていただいた教材は、持ち運びに便利で日本文化用語はいつでも確認できます。また、英作文は試験前は必ず1日2~3問解くようにしていました。

2.1次試験社会科対策

日本史→日本史は個人的には好きで、大学受験の際も日本史で受験しましたので、教材は山川日本史教科書のみです。これを繰り返し読んでいました。
地理→私にとって地理は一番やっかいな科目でした。富士に入学して、地理白地図帳を見たとき、”うわぁー、これ全部覚えなくちゃいけなの!?”とショックを受けました。最初から地理に対して拒絶反応を起こしたおかげ(!?)で、1年目・2年目とも地理は合格点に達しませんでした。地理アレルギー(ガイド志望のくせに…)になりかかった時、”どうしたら地理を楽しく学べるのか? ”と考えるようになりました。どなたか、”旅行会社に置いてある旅行のパンフレットは無料だし、写真付きで楽しいよ。”とおっしゃっていたのを思いだし、さっそくどっさり旅行用のパンフをもらってきて、白地図と照らし合わせながら、地理と格闘し始めました。すると徐々に地理が楽しく感じられるようになりました。白地図だけだと味気なく、何となくつまらなかった地理が、ビジュアルを加えることにより、”わー、○○ってこんなキレイなところなんだ~”とか、”日本にこんなすごい景色があったんだ”とか新しい発見が次々にあっておもしろくなりました。個人的に、JTBさんのパンフレットがお気に入りでした。”にっぽんの世界遺産”とか”悠久の自然と歴史”とかガイド試験にふさわしい(!?)コースが用意されているし、観光地の写真も多く、見ていて楽しかったです。
一般常識→一般常識はテキストとプリントの他に、新聞をなるべくじっくりと読むように心掛けました。

3.2次試験対策

1年目は1次対策試験の授業しかとっていなかったのですが、やはり1次と並行して2次対策も勉強した方が良いと思い、2年目から2次対策の授業をとることにしました。私の場合、おもにお世話になった先生はプロパー先生です。プロパー先生から、”アイコンタクトを忘れずに””ジェスチャーも入れて”等の2次対策中のふるまい方から、”organized answer””with example”等といった質問への応え方に至るまで指導して頂きました。確かに、せっかくに2次試験本番で、質問に対してちゃんとした知識を持っていても、簡潔に応える話し方ができなければ、合格にはなりません。実際の2次試験の際、私はかなりあがってしまっていたのですが、とにかくプロパー先生から学んだことを思い出し、簡潔にまとまりやすく話すように心掛けました。テキストは富士の授業で使用していた2次試験対策テキストの他に、市販のテキストも購入し一通り読んでみて、”私だったらこんなコメントを付け加えてみよう”とか”こんなふうに説明したら、笑いがとれるかな?”とかいろいろ考えていました。直前2次対策クラスは、私は仕事の為あまり受けられなかったのですが、なるべく受けたほうが良いと思います。また、私はアメリカ英語ばかり聞いていたので、イギリス英語にも慣れておくべきだったと今更ながら反省しています。(2次試験本番は、試験官がイギリス人女性でした!焦りましたが特にヒアリングの問題はなく、質問が聞き取れなかったことはなかったので、不幸中の幸い(?)でした!)

4.これから受験される方へのアドバイス

私は2006年4月に富士に入学し、3度目の試験で合格できました。しかも、2年目の試験は1次試験全滅というハプニングにあい、3度目の1次試験で4科目全て合格し、2次試験もパスしてしまい、現在いささか信じられない気持ちです。(でもたった1度の挑戦でガイド試験にパスしてしまうすごい方達が世間にはいらっしゃるんですよねー。)去年の今頃はたしか気持ちも沈んでいたような貴がします。”やはり、自分にはガイド試験なんて無理なのかな?”というネガティブな考えが頭をよぎったこともあります。しかし、合格を頂いた現在、”あきらめなくて本当に良かった!!”と思っています。
この試験に合格したことによって得た自信は、とても大きいと思います。

5.富士のよかったところ

(1)校風
先生と生徒との距離が近いというか…とってもアットホームで、質問がしやすいです。(生徒さんは実際に授業中、授業後にビシビシと質問されてます。また、知念先生もそれらの質問に対してていねいに答えていらっしいます。

(2)サポート体制が万全
授業をやむを得ず休んでしまった場合、自由に振り替えができるうえ、それでも休んでしまったときには、授業のカセットテープで補うことが可能な点。あと良心的な授業料も魅力です。

私は約3年間、毎週月曜日の午前クラス(2次対策クラスをとっている間は午後も)を受講していました。やはり、時には気持ちがダレてきたり、”今年は通信にしようかな?”と悩んだ時もありました。そんな時、授業終了時刻をとうに過ぎているにもかかわらず、生徒からの質問にていねいに応じる知念先生や、一緒に授業を受けている生徒さんの真剣な姿を見る度に、”怠けてちゃダメだ。先生も生徒も必死なんだ。”と自分に言い聞かせていました。
このたび、やっとのことで合格できました。これはたぶん私一人で勉強していたら、とうてい不可能だったことでしょう。この恩返しは、いずれガイドデビューを果たし、一人前のガイドとして活躍することで成されるものだと思っています。(私の場合、それまでまだまだ時間がかかりそうですが…)
知念先生、富士のスタッフの方々、2次対策の講師の方々、一緒に勉学を共にしてきたクラスの方々、みなさんに感謝です。