通訳ガイド当校合格者独活山 靖司さん
2008年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

富士アカデミーの門を叩いたのは1999年11月で2007年度に英語1次試験に合格し、2008年度に2次試験の面接に合格。努力は必ず報われます。安心して下さい。
私が退職後の人生を考えるきっかけとなったのは、50歳になったとき、会社の人事部から”退職後のニューライフの設計”セミナーへの招待状でした。それで今までの人生を振り返り、今後何をするかを考えるセミナーで、当初は介護福祉士、海外関連の仕事などを考えていましたが、福祉士のセミナーに参加して親以外の人の面倒は見切れないと悟り、海外関連のマーケティング業務は自社内調達で求人がなくGive Up。そこで常々自分が好きで、とことん打ち込めるものは何かを熟考した結果10年間の海外販促業務で知った人と人との交わりや日本のことを聞かれても仕事以外の単語や文章は頭のなかからでてこない。周りの同僚・上司は仕事・酒・カラオケ&ゴルフのみ。従って昼食時やディナー時は話題が途切れることもあった。このようなことを考えていると、営利志向のビジネスの世界で自社製品の販促活動ではなく、非営利で日本文化の良さを世界の人々に紹介し、日本大好き人間の輪を世界中に広げ、世界平和にささやかでも貢献したいと思うようになりました。
この目標を設定したおかげで、スクーリングが終わった後、皇居一周・浅草・向島百花園・六義園・飛鳥山公園などを歩き回ったりして新しい発見がいくつもありました。また日本の伝統芸能である歌舞伎や文楽が今では生活の一部になっています。
従って今後の人生を切り開くためには英語ガイド資格の取得が必須だったのです。
こうして8年間は東京下町や江戸の人達が愛した場所は殆ど歩き、実に有意義な期間でした。
将来ガイドの職人ではなく、日本の良さと現在に残る江戸文化を世界に広めるガイドになりたいと思っています。

1.1次試験英語対策

私が2008年9月の英語1次試験に合格したときの方法に限定して説明します。
すべてパソコンを使って検討しました。
(1)模擬試験で10番以内に入る、特に公開模試で達成することを目標に設定
(2)予習3割、復習7割という配分にする。
(3)英文和訳は、精読・小テスト・模試すべて解説前に全訳し、随筆の趣旨のみについて、自分の解釈に対するコメントを貰いました。復習のときに模範訳文と自分の訳を比較検討し、模範解答に近づくように検討した。
(4)和文英訳は模試を中心に模範解答と日本文を比較し、英文が作成できるように日本文を並び替え、さらに原文の日本文をどう解釈すれば、模範解答の英文が書けるかを徹底的に検討する。
(5)単語・熟語・時事英語は教材を英語を隠して、日本語を;逆に日本語を隠して英語を言えるかを各ページでほぼ言えるまでページはめくらない。最初3ケ月で1回読破、2回目は2ケ月で読破、最後は1ケ月ということで3回は完了させるという目標でやった。サインペンは使わず、常にきれいなページで勉強すると、あれこれ覚えていないとあせる気持ちが励みになって、最後にはお馴染みさんになるまで頑張る。他の本で日本の風物・昆虫などを多少追加した。
(6)要約記述でも行間か余白部分に全訳し、100字になるように纏める練習を繰り返した。
上記の目標で実行すると、趣味の囲碁、ハイキング、釣りなどは6月以降ほぼゼロにせざるを得なかった。

結論から言えば、富士の教材を徹底的に研究し、知念先生の足元に少しでも近づけば合格ラインは向うから近づいてくる。”量より質”、”訳し方のレベルの向上”が必須だと感じています。

2.1次試験社会科対策

(1)地理
富士の教材と過去問題を少なくとも2回は読破する。高校用の地図を片手に国立公園・国定公園を確認し、地図上に赤のサインペンでマーキングし、教材と過去問題の説明文を見ながら理解することに主眼をおいた。単なる丸暗記だと忘れ易い。理解していると繰返しやっているうちに頭に入ってくる。また最近は写真がでて、ここがどこかを当てる問題もあり、テレビの旅番組は比較的良く見た。また我が家は温泉好きなので、あちこち行っているので、写真だと”あああそこだなあ!”とピンとくるものがあった。机上の勉強だけでなく、気晴らしに旅にでてもいいのでは・・・??このときも教材はきれいな状態で使い、覚えていないとあせる気持ちを励みにしました。
(2)歴史
ひたすら山川のテキストを読み、過去問題をやって理解した。このときも英語や地理同様教材はきれいな状態で、覚えていないとあせる気持ちを励みにした。
(3)一般常識
教材・過去問題以外に毎日配達される新聞をくまなく読み、文化・政治・経済などで過去に出題されたテーマがあると、パソコンに入力した。

3.2次試験対策

昨年初めて富士の2次面接をすべて受講して臨み、内容はともかく何とか答えられたかに見えたが結果はNGでした。あとでガイド用テキストを読むと、ガイドの品格に相応しい言葉遣いや表現も求められていることが分かりました。
また昨年の面接の経験では日本固有の文化・風俗・習慣などに関心をもっている初めて日本にきた外国人が試験官で、自分はガイドという設定という感じがした。またどんな外国人にも対応できるようにするためにはヒアリング能力のレベルアップや再確認の方法習得が必須と考えて下記のことを実行した。

(1)日本の固有文化・習慣・風俗をガイドとして簡潔に2分以内で説明できること
→「英語で話す日本Q&A」(講談社インターナショナル編)を活用した。単語集を覚えるのと同様一切サインペンやボールペンを使わず、全項目について”日本語の表題を見て、英語で説明できると思うまで繰り返す”。また逆に”英語の説明文を日本語で言ってみる”。必ず大きな声で、自分なりに強調点を工夫してイントネーションをつけて言うことが肝心。こうしないと眠くなるだけで捗りませんでした。1冊の本を3回繰り返す目標を立てる。小生の場合、1回目は3ケ月、2回目は2ケ月、最後は1ケ月を目標に頑張る。この本を使ったのは対訳が付いているので、日本語をどう英語で表現できたかを研究するのに便利である。逆に英語から日本語を見て、こういうように言えばいいんだと得心すること。
(2)日本の主要な観光名所をガイドとして簡潔に2分以内で説明できること。
→日本通訳協会発行の「ガイドテキスト」を読んだ。これはガイドとしての心構えが書いてあり、かつ項目ごとにどの程度まで説明できればいいかが分かる。けれども面接用には自分で纏める必要がある。それで模試での問題を中心に勉強した。パソコンに3-4年分は入っているので、このデータベースを活用した。この意味でもパソコンを活用するのが便利です。
(3)ヒアリング能力の改善を図る
→ヒアリング能力改善にはNHKのテレビとラジオの英語講座をフルに活用した。
ラジオ番組:トレーニング英会話、ラジオ英会話、ビジネス英会話、チャロ テレビ番組:チャロ、赤毛のアン、中学レベルの英語で英会話、新感覚英会話、アメリカ留学など 以上のように朝、昼、午後と毎日テレビとラジオを聞いて1週間英語漬けにしているうちに、かなり長文の会話を聞いて質問に答えることも可能になります。各番組は15分です。私はパイオニア製のラジオサーバを買って番組を録音して練習しました。
こうやって面接に臨みました。私の場合は、”川崎の名所は?”、”趣味は?釣りと答えると試験官も釣り好きで東京湾で何がつれるか?”と続き、”草津温泉もよくいくというとあそこは熱いのでどうやれば入れるか?”とか”明治維新とは?”などとこちらの土俵で対応できたので合格できたのかなあ、運が良かったと思っています。

4.これから受験される方へのアドバイス

英訳については、自分の訳と模範解答を見比べて、遜色なければ合格は間違いないでしょう。
従って、自分の訳が劣っていると考えられる場合は、自分のどこがまずいのか検討し、それでも腑に落ちない時は先生に自分の意見を言って、コメントを貰えば良いと思います。ただ私の経験では、”ここはそう訳すんだ”と理解したほうが訳文がこなれてくると思います。この意味で予習3、復習7という割合だと思います。和文英訳も同様です。教科書に書き込みやサインペン、ボールペンで塗ったり、下線を引いたりしないほうが勉強になります。常にそのページを開くと、”お初にお目に掛かります”という気持ちと”やってないんだ”とか”覚えていない”とかのあせりをバネにして頑張るほうが成果は大きいと思います。私のように、何か書き込みがあると、”覚えるよりも、ここはやった”という安心感で満足してしまう類の人間には、この手法が効果的です。そのうち必ずおなじみさんになってきます。”一見の客ではなく、足繁く通う客がおなじみになる”のと同じことです。 NHKの英語番組に”Little Charo”というのがあり、ニューヨークに”翔太とお父さんと一緒にきたが、帰るときに、どういうわけかニューヨークで迷い犬になって、さまざまな試練を乗り越え、さまざまな人や犬に助けられて日本に戻るストーリー”です。この中で、”Believe in yourself,and your dream will come true”という言葉が一番印象に残り、この言葉を座右の銘としてガイド試験に合格したと思っています。これからも新米のガイドですが、自分が目指すガイドに向かって、”新しい夢”を描いて邁進していくつもりです。この思いを込めて、ガイド試験」合格を目指し、その後の人生を切り開こうと懸命に頑張っている皆様にチャロで学んだこの言葉を贈りたいと思います。
  ”Believe in yourself, and your dream will come true”
If you ever make a decision,a big decision,and can’t make up your mind, ask yourself: What is it that you really want?
Follow your heart and it will lead to the right answer.

5.富士のよかったところ

私は、この手の文章を書くのはあまり好きではありません。
勧めると言うよりは、私が富士で体験した思い出を語ることで、各自が判断すればいいことだと思慮しています。
富士では疑問・質問などが気楽にできる点が良いと思います。他校の教材を知らないので教材が優れているかはコメントできませんが、富士の教材だけで十分合格できることは私自身富士教材だけで1次の英語試験に合格できたことで自信をもって言い切れます。