通訳ガイド当校合格者西脇 久和さん
2009年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

今から10年ほど前に3年間、海外(英語圏)に駐在員として勤務していました。
駐在員の仕事は本来の業務のほかに、日本の本社などから出張してくる方々や取引先の顧客の旅程管理やアポイントの取り付け、現地での案内、レストランでの会食の設定などもかなり大きな比重を占めます。多分、多くの海外駐在員は同じ仕事をしているのではないでしょうか。携帯電話片手に顧客を引率して、タクシーや公共交通機関を乗り回し、現地の名所旧跡や顧客の好みそうなところを案内して回る仕事はとても楽しいと感じていました。
帰国後、全く分野が違う部署で働くことになりましたが、年に数回は頼まれて海外からの訪問者に都内のアテンドをしています。ある日、これは、まさに料金をいただいていないだけで、まさに通訳案内士と同じ仕事であることに気がつきました。
当時は勤務先の本社が四谷にあったので、富士アカデミーの夜間コースに通うことに決めました。

1.1次試験英語対策

毎週火曜と木曜の夜間1年コースに2005年の秋から休まず通いました。ビジネスではあまり使わない状況を想定した英作文や毎週の単語テストに着いていくのは大変なことでした。振り替えで参加した土曜日のコースは遅刻すると椅子が足りないような混雑状況でしたが、夜間コースは数人の時もあり、回答の順番が回ってくるのが早くて緊張しました。年も明けた頃に、試験制度についての説明があり、英検1級他の試験に合格していると、1次試験のいくつかが免除になることを知りました。早速、英検1級を受けたところ、ガイド試験よりは自分の特性に合っていたのか、一度で合格することができました。
英検2次試験の会場(上智大学)でまさに中山先生が2次試験面接会場に入ろうとしているところで偶然にもお会いし、英検1級二十数回合格を目撃してしまいました。通訳ガイド試験一次英語の免除を申し出るには前年度の1月の試験までに合格している必要があり、2006年度はすべての科目を受験しましたが、英語は不合格でした。(翌年度からは英語は免除となりました。)  通訳ガイドコースで英検1級の合格の実力を付けていただき、想定外の感謝をしております。

2.1次試験社会科対策

ビジネスマンにとっては新聞を読んでいれば地理と一般常識は合格点に達するのはそれほど難しくはないかもしれません。試験免除制度があることを富士の説明会でお聞きし、地理の試験に不合格だったときのことも考えて9月の国内旅行主任管理者試験を受験し合格することができました。(ガイド試験の地理より簡単です。)ただし、日本史は高校では選択しなかったので、殆どゼロからのスタートでした。任天堂DSの日本史検定のゲームや小学生向きの参考書を何冊か購入し通勤時に学習するように勤めました。後に気がついたのですが、今までなんとなく見ていた時代劇や街の景色の見方が変わりました。
富士の日本語3科目コースを受講しましたが知念先生よりも更に厳しい中山先生の講義にはかなり緊張しました。

3.2次試験対策

2007年度、2008年度の夜間、週1回の2次試験コースを受講しました。結局、2次試験は2007年度以降、連続受験3回目でやっと合格することができました。最初の2回の面接試験では英語に詰まることも無く、聞かれたことにも的確に答えられたつもりでしたが、結果は2年連続の不合格でした。2009年度は、不合格は自分自身の性格の問題と心得て特に受験勉強はせず、2次直前の1週間に毎晩、富士の模擬面接に通い合格することができました。
合格できた2009年度と不合格だったときの試験の状況の違いは以下の2点でした。
1)不合格の年は、2次試験の時には辺りは真っ暗でした。試験官もかなり疲労されていたようで殆ど意識のない試験官の方や不機嫌な方もおられました。2009年度は一次試験免除者から時間が設定されていたようで、朝一番の受験でした。
2)不合格の年は、試験の雰囲気がビジネスシーンで課題について討論しているような雰囲気でした。
2009年度は、喫茶店で試験官と雑談をしているような和やかな状況でした。

4.これから受験される方へのアドバイス

2次試験の合格率は60%以上です。合格に必要なのは流暢な英語や豊富な日本文化の知識ではないようです。
2次コースでこれらの習得にかなり努力されていた方々も次々と合格されていきました。
2008年の2次コースのHeather先生が、しつこく「スマイル!」と、繰り返されていた意味がやっとわかりました。
特に、会社や官公庁勤めのビジネスパーソンの受験生の方々へのアドバイスです。

ただし、これを通訳ガイド2次面接でやってしまうと、永久に合格できないかもしれません。

5.富士のよかったところ

どこの学校に通っても、自分でこつこつと勉強しなければ合格はできません。
適度な緊張感と競争意識、クラスの仲間意識を持続させてくれる寺子屋の雰囲気が富士アカデミーの最大の特徴です。