通訳ガイド当校合格者豊嶋 操さん
2009年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

私と英語との出会いは小学校入学時でした。毎週土曜日にニュージーランドからの留学生に英会話を習うということが英語に興味を持つきっかけとなり、以後中学・高校とその興味は途切れることはありませんでした。しかし、大学が家業の関係で薬学部に進学しましたので、英語と薬学という2ジャンルを生かせる仕事は無いかとお思い、社会人になってからは英系医学出版社にて国内外の学会を取材する記者として業務のごく一部の中で英語を使用する状況に留まっていました。その後、米系コンサルティング会社の東京オフィスマネージャーとして仕事の多くの部分で英語を使用する機会があり、この時同時にヘッドオフィスや海外のオフィスからのスタッフが来日した際にアテンドをしたり、外出に同行する例も頻繁にありましたので、これはなかなか有意義な仕事だなぁと実感するに至りました(留学経験のない私にとっては、文化の違いからくる難しさも多く感じましたが...)。

1.1次試験英語対策

2009年4月後半に入学しましたので、8月末の1次試験まで計4.5ヶ月です。この間にどうしたら、効率良く実力を伸ばせるのかまず考えました。そこで、1.単語、2.読解、3英作文という3つの柱に分け、それぞれを強化する方針としました。
まず1の単語ですが、アカデミーでいただいた単語集と時事単語集をできるだけ早い時期に一通り終えようと思い、とにかく書いて書いて・・そして忘れては書いて・・を入学と同時に開始しました。 入学時には本の半分くらいしか意味がわからなかったので、知らない単語は真っ白なA4の紙に全て書き出し、それを覚えた!と思えた時点でセルフテストします。更にここで分からなかった単語を別の紙に写して・・という要領で不明な単語がゼロになるまで繰り返しました。
ただ、今になって思えば時事単語までやりきれなかったのはちょっと試験当日の大きな不安要素となってしまったのでこちらも早めにやるべきだったと反省しています。
次に読解ですが、これは学校でいただく教材の予習・復習に尽きると思います。ついこの前にメディアに出た文章を選んで下さり、内容も政治経済といった堅めのものから日本での流行などソフトなものまでガイドとして知らなければいけない最新の事柄について楽しく学ぶことができました。校内模試にもここから出題されますので、模試に備えた勉強を兼ねて復習はしっかり行う方が良いと思います。
最後に英作文ですが、こちらも毎回の授業中に行われる小テスト内の英作文のパートをしっかり復習すると良いと思います。回答も1つではなく、訳の忠実性を重視したもの、少し発展的なものとバリエーションをつけてご指導いただけるので本当に参考になりました。私は特に英作文が苦手でしたので、加えて天声人語の英訳を半年分追加しました。

2.1次試験社会科対策

英語に相当時間がかかるなぁと当初から思っていましたので、そこで問題となるのは社会3科目をどこでどう勉強するかです。地理、歴史、一般常識のうち、私にとって最大の鬼門は歴史でした。7月の模試までに3科目ともなんとか80%くらいまで仕上げて、試験直前の8月後半の2週間で年号などの暗記箇所をひたすら詰めこむ作戦としました。3科目とも学校で頂いた教科書がとてもコンパクト且つ重要ポイントを逃さず網羅していますので、基本はそれを全て覚えました。
加えて地理は白地図にトレーシングペーパーを重ねて「峡谷」「山」「川」というように各項目ごとに書き込んで覚えました。
歴史は写真問題もありますので、山川の教科書内の写真や歴史図録(こちらも山川書店発行)とを併せて目から覚えるようにしました。
一般常識は、学校で教科書以外に配布して下さる各種データ表が大活躍で、これプラス毎月発行の新聞ダイジェストという雑誌を2008年10月から2009年5月分まで目を通しました。

3.2次試験対策

入学当初に2次対策は早い時期から始める方が良いとお聞きしていましたので、特に耳に自信のない私は4月の2次クラス開講と同時に始めました。早い時期からボリュームのある2次テキストを読み込んでいけるという点でも先輩のアドバイス通り、これが非常に効きました。1次合格後は実践に重きを置き、直前講座の2週間は間を空けず連日出席しました。特に土日に1日6時間以上話すことを経験すると脳内がしっかり英語になっているのを実感できましたし、予想外の質問が来た場合にも対処が楽になるのでこれは特にお勧め致します。
また、グラスバーガー先生・タントラム先生など教授法やアクセントがバラエティに富んでおり楽しく経験を積むことできる上、且つ共通事項として修正すべきポイントを的確に教えて下さる先生ばかりですので、短い期間でもとても多くのフィードバックを得ることができました。

4.これから受験される方へのアドバイス

私は夜間クラスに通学させていただきましたが、やはり仕事と並行して勉強する方共通の悩み、即ち勉強時間の確保に苦心しました。また非常に疲れていて授業に出るのがつらいなぁと思ったことも多くありましたが、そんな時に大きな力になった事が2つあります。
ひとつはクラスの友人です。お友達から「もうここまで勉強した」といった話を聞けばやはり「これは負けてはいられない」という気持ちになりますし、常に行き帰りの何気ない会話の中から叱咤激励を受けることができていたのだと思います。
もうひとつは何度か行われる模試です。長期間にわたる勉強においては模試というペースメーカーはとても重要で最初の模試である順位を記録したら、次はそれより下がらないようにしようと考える事にしました。
単純ですが、数値で表れるわかりやすい目標はとても大切だと思います。

5.富士のよかったところ

前述のお話と少々被ってしまうかもしれませんが、一番の特筆事項は先生・クラスメートさらには事務局の方の心の距離がとても近い事です(教室での距離も近いですが!)。 かつて大学などの大教室で授業を受けては寝てしまっていた私ですが、富士アカデミーは少人数制で、一番後ろに座っても当てられてしまう状況ですから緊張感をもって授業に臨むことができました。それと同時にたとえその一番後ろの席であっても授業中、疑問点があれば気軽に先生にその場で質問できるスタイルは最大のメリットだと思います。
更に冒頭で述べた「心の距離の近い」授業は、かけがえのないクラスメート(苦楽を共にしますので確実に将来の良い仕事仲間となります)を得る機会を与えてくれる絶好の環境です。 間違えた時も的確なアドバイスと共に必ず励まして下さる知念先生のご指導方法と時間のない私の虎の巻であった教科書、そして頼れる友人のお陰で何とか合格にたどり着けたのだと痛感しています。