通訳ガイド当校合格者栗山 靖子さん
2012年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

大学では国際関係学科に進み、英語を学びつつ社会科学系の勉強をしていました。その後、仕事で英語を使うことはありましたが、特に専門的な英語を学ぶ必要性はありませんでした。
数年前、富士通訳ガイドアカデミーの本校の説明会に行ったことがあります。その時、「通訳ガイドになりたい」という明確な希望はなかったのですが、しばらく英語とは無縁の生活をしておりましたので、何かにチャレンジしたいという思いはありました。説明会では、知念先生が丁寧に英語の模擬授業をされていたのを覚えています。「通訳ガイドの試験には、こんなに細かい問題が出るんだなぁ」と驚いたのを覚えています。
しばらくしてシンガポールに引っ越すことになり、ガイド試験の受験については、すっかり忘れていました。現地では、国立博物館のボランティアガイドになるためのトレーニングを受け、実際に世界各国のお客様を館内の1時間ツアーにご案内することができるようになり、とても楽しい時間を過ごしました。トレーニングチームの同期生にカナダ人女性がおりましたが、彼女は、個人旅行で何度も日本を訪れたことがあり、旅行の度に、通訳ガイドを利用していました。私の帰国が決まった際、「日本に帰ったら、通訳ガイドになってみたら?きっと向いていると思う」と薦めてくれ、彼女のおかげで「通訳ガイドの試験を受ける」という明確な目標ができました。
帰国は2012年の4月初旬。帰国の2週間後には富士通訳ガイドアカデミーの大阪校の説明会に出席し、その翌週から授業が始まりました。1次試験の受験までは4か月しかなかったのですが、知念先生のおっしゃるポイントに従って勉強をすれば、なんとかなるような気がしていました。

1.1次試験英語対策

「精読用英文」では、大意をつかむだけではなく、その名の通り「精読」することに留意しました。授業では、知念先生が文法解釈に基づく細かなニュアンスの違いなども教えてくださいます。それまでは英語を斜め読みする癖がついていたのですが、本番は記述試験で、和訳も細かく採点されます。この「精読用英文」を予習し、また授業を受けることにより、「精読」の癖がつけられたように思います。
「単熟語集」「時事単語集」は、自分でひとつひとつの単語について例文を辞書で引き、それをノートに書き出し、実際に声に出して読むことにより、定着をはかりました。また、携帯電話の録音機能を利用して、自分の声で例文を録音し、家や電車の中で聞くようにしていました。

2.1次試験社会科対策

【日本史】
高校では世界史と地理を選択したため、日本史は中学以来、まったく無縁でした。そのため、日本史にはかなりの時間を費やしました。山川出版の高校教科書の中で、試験に頻出する頁をあらかじめ教えていただいていたので、そこだけに集中しました。自宅の御手洗の壁に暗記事項も貼りました。カバーする範囲がとにかく広かったので、こちらも携帯電話の録音機能を利用して、耳からも覚えるようにしました。また、NHKの歴史番組はできる限り見ていました。
【地理】
配布していただいた国立・国定公園、世界遺産などの掲載された白地図を自分なりに色をつけて、こちらも御手洗の壁に貼って覚えました。国立・国定公園の特徴をコンパクトにまとめた説明文も配布されましたので、こちらも携帯電話の録音機能を利用しました。
【一般常識】
カバーしなければならない範囲が広すぎたので、配布された教材の暗記と、新聞・ニュースのチェックだけに力を入れました。

3.2次試験対策

毎回、予習するべきいくつかのテーマについては、インターネットなどを利用して、キーワードを準備しておくことに努めました。2次面接対策の前半では、テーマごとにブレーンストーミングやディスカッションが行われ、幅広い知識をクラスメートと共有することができました。大阪校のデニス先生は、在日数十年のアメリカ人で、日本文化にも造詣が深く、日本人では気付かない事柄についても私たちに質問をしてくださり、そのことで考えをより深めることができました。授業の中で、脳内がどんどん活性化されるような気がして、充実した楽しい時間でした。
2次試験直前の講座では、ひとつの質問について「一文で端的に説明する」という訓練をしていただきました。それまでの「知識を広げる」という作業から、「最重要ポイントのみを端的に説明する」という作業に移りました。実際の面接を想定し、デニス先生に1対1で模擬面接をしていただいたのですが、これもとても役に立ったように思います。

4.これから受験される方へのアドバイス

私は受験までの時間が限られていたため、文字通り寸暇を惜しんで勉強するように努めました。受験を決めてからは、ニュース、日本事象、歴史、英語に関するもの以外のテレビ番組は見ないようになり、その分の時間を勉強に費やしました。
知念先生から、受験生全員あてに「励ましの言葉」という手紙が送られてきたことがあります。その中に「締切効果・・・人間は締切があるからこそ(時間の制約があるからこそ)頑張れる」というような言葉がありました。そのお手紙をリビングの壁に貼って、自分自身を励ましました。皆さん、それぞれ環境が異なり、長期計画を否定しません。でも、ご自身で締切を作り、自らを追い込んで勉強をされると、効果はぐんと上がるのではないかと思います。

5.富士のよかったところ

知念先生のお人柄が醸し出す大らかな雰囲気のおかげで、楽しく授業を受けられることです。授業の中で、時折、ガイドとしての楽しみや醍醐味などのお話もしてくださったので、自分の将来像を描きながら授業を受けることができました。
先日、関西新人ガイド研修に参加させていただきましたが、卒業生で現役ガイドの伊集院先生のガイドはプロフェッショナルで素晴らしいものでした。知念先生、伊集院先生のはからいのおかげで、東京本校の卒業生の方々とも仲良くなることができました。アットホームな雰囲気もこの学校の魅力だと思います。
そして、受講料が良心的なことも非常に助かりました。
これまで親しくしてくださったクラスメートの皆様、お世話になりました富士通訳ガイドアカデミーの先生方、職員の皆様に感謝申し上げます。