通訳ガイド当校合格者平川聡子さん
2014年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

父の仕事で海外生活を計10年間送りました。日本からのお客様に上生菓子をお土産に頂き、そのあまりの美しさに感動しました。このお菓子の出会いが、日本文化に対する興味を持った始まりでした。帰国後も歌舞伎やお能の鑑賞、知人が催したお茶会への参加、神社仏閣巡り、民芸品の収集を通じて日本文化の持つ独特の魅力にはまっていきました。そしていつしか多くのジャンルで外国の方に日本文化についてお話が出来たらCoolだろうなぁと考えるようになりました。それには通訳ガイドの試験を受けてLicenseを取得するのが良いとは聞いていましたが、司法試験並みの難しさと周りで言っていたので、その噂に尻込みしてしまいました。
その後も時々思い出したように考えていたのですが、チャレンジするまでには至りませんでした。それから更に歳月が流れ、自分が自分らしくある為に何が出来るか、何がしたいのかを考えるようになり、「やはり通訳ガイドかな」という答えにようやく辿り着き、富士通訳ガイドアカデミーの門を叩きました。

1.1次試験英語対策

基本は「精読用英文」の予習と復習でした。予習ではなんとなく意味はつかめているけど、ピッタリの日本語が出てこないことが常時でした。その授業の度に先生方がなるほどと思える言葉に当てはめていかれるので、その「術」には驚かされていました。特に岩渕先生は原文と日本語の距離感の大切さを繰り返し言われて、訳文は大変勉強になりました。又、文法があまり得意ではない者にとって常にポイントをかみ砕いて解説して下さったので、文法を学ぶ重要性を教えてくださったことには感謝しています。
精読用英文の予習・復習で時間がとられてしまったので、小テストの見直しは関心のある題材を優先にやりました。
単語はすき間時間を使ってお経を唱えるように言ってみたり、家庭用の白板で書いたりの反復練習をやりました。
なかなか覚えられないものも多くありましたが、知念先生からの「回数を重ねれば自分のものになります」という励ましの言葉を思い出して、踏ん張ることが出来ました。 日本事象は子供が漢字練習帳に何度も同じ漢字を書いて覚えるような要領で、広告の裏やレポート用紙に言いながら書くことをやりました。声に出して言うことが効率的であったように思います。

2.1次試験社会科対策

1年目で3科目とも合格した。全て選択問題なので、記憶もさることながら、案件ごとにGoogle等を使って幅広く「知っておく」事が重要だと思う。英語1次試験で触れたように、何回丸暗記しても定着しないので、理解を元に構造的に関連付けていく手法を取った。

<地理>
教材と並行して市販されている地図帳を利用しました。イラスト・写真がふんだんに掲載されていたので、村岡花子さんではありませんが「想像の翼」を広げて各地を巡るような感覚で学べました。勉強の大変さも少しだけ忘れることができたことがよかったです。

<歴史>
時代の流れは大旨つかんでいたので、教材に記されていたポイントを確認しながら山川出版の日本史の教科書の文化関係を中心に読みました。試験では写真や絵を使った問題も出るので、教科書に載っていたものは何度も見て、刷り込みように心がけていました。

<一般常識>
最もやりづらかった教科でした。まず何を持って一般常識というのかがわかりませんでした。
教材をベースにどのように学習を進めていいのかを先生方に尋ねてみました。
知念先生は新聞の大見出しや見出しを追ってまず世の中の流れをつかむことから始めるようにと教えてくださいました。
普段から経済面は飛ばしていたのですが、そこからよくわからないなりに読み続けました。
又、岩渕先生からは中学生が使う公民の教科書もしくは参考書の活用を進めてくださいました。
憲法・選挙関連を中心に読みました。 あとは、TVのニュースで「ここが大事かもしれない」と思ったものを簡単なメモにしてみました。 一般常識には文化的な問題もきかれ、公共交通機関の広告にあった言葉が答えになった試験問題が2014年度に出題されていました。広告も1つの資料になることもありますので、そうしたものにも気にかけることも学びの1つかなと思いました。

3.2次試験対策

1次試験の後に、2次試験対策のクラスが2ヶ月ほどありました。とても活気があり、皆さんとやりとりができたことが弾みをつけてくれました。通訳の練習ではポイントがつかめず試行錯誤していたところ、Nigel先生が「一語一句訳すのではなく、ポイントをつかんで情報発信するように」とアドバイスをくださったことで気持ちが楽になりました。
実際の2次試験当日、通訳の問いが難しかった上に、日本人の試験官の話すペースが速く感じられ、頭の中が一瞬真っ白になりました。そこでNigel先生の言葉を思い出して臨みました。
プレゼンテーションは授業中に行うDiscussionの時間の情報交換が、とても有意義でした。特に印象に残ったものはメモをして、肉づけしていくようにしました。沢山の豆知識を頂けたことが収穫でした。2分間という制限の中で、そのものの辞書的な定義を紹介するだけではなく、締める前に仕入れた豆知識や意見を少し入れてみると印象がよくなると思います。

4.これから受験される方へのアドバイス

この勉強を始めたのは人生の折り返しに入ってからでした。
最後までやり通すことが出来るのだろうかと始める前は不安がありました。しかし知念先生の大らかさと岩渕先生のピリッとした、でも絶対飽きさせないご指導のもとで関門を通過することができました。
勉強を始める前の説明会で合格された方のお一人が「やり続ければ、必ず合格できますから諦めないでください」と力強く言われたことに勇気をもらったことを記憶しています。
消化しなければならないことは数多くありますが、知念先生、岩渕先生、そして外国人の先生を信じて学べば実を結ぶことが出来ると思うので、ご自分のペースを守ってTryしてみてください。

5.富士のよかったところ