通訳ガイド当校合格者田川美沙さん
2014年度通訳ガイド試験当校合格者

<自己紹介>

「将来は国際人になるぞ」と強く決意したのは中学生の時です。町の国際交流プログラムでアメリカのサンフランシスコを訪れた際に、田舎者の私にとっては見るもの全てが映画のようで強いカルチャーショックを受けました。高校生になりアメリカのフロリダ州へ交換留学した際に、今度はまた違うカルチャーショックを受けます。日本は先進国の仲間だと思っていましたが、実際は日本のことなど何も知られていないことを知りました。
現地の高校生に聞かれたことを今でも覚えています。「侍はまだいるの?」「中国と日本て何が違うの?」
この時、「日本には素晴らしいものがいろいろあるのに!!」と思いながらうまく伝えることができず悔しい思いをしました。
新卒で旅行会社の営業職に就きました。これも巡り合せだと思いますが、通訳ガイドの依頼をする機会が多々ありました。主に学会を手配、運営する部署で、来日するドクターに同行するガイドさんが必要だったからです。私はデスクで行程を作るだけでしたが「私がやりたいのは手配じゃない!現地でお客様とご一緒する仕事がしたい!」とこの時通訳ガイドを目指す決意をしました。またまたこれも巡り合せだと思いますが、そんな時フラフラと入った古本屋さんで、富士通訳ガイドアカデミーの合格体験談の冊子を手にしました。そこに載っている合格者は雲の上の存在で、神様のように見えました。

1.1次試験英語対策

私は土曜日の集中コースに参加していましたが、2時間分の授業の宿題をこなすのに精一杯でそれで一週間があっという間に終わるという感じでした。宿題は単熟語、時事単語の暗記、精読用英文の予習、日本事象の予習がありました。
自分で計画通りに宿題を進めないと、あとで大変なことになります。学習することは膨大で大変でしたが、授業に出るためにさぼることはありませんでした。きっと独学で学習していたら「今日はいいや、明日やろう♪」と自分に甘くなると思うので、お金を払ってでもスクールに通う意義は大きいと思います。


<単熟語、時事単語暗記>
単熟語は1日確か2~3ページ分を単語帳に書いて覚えました。電車でも、病院でも、単語帳はいつでもどこでも一緒でした。全部は覚えきれませんでしたが、単語帳に出てくる単語は通訳ガイドレベルの英文を読むのに必須だと感じました。


<精読用英文>
授業の予習として、英文をノートに書き写し日本語訳を考えました。正直難しい英文を日本語訳したことがなく、苦労しました。教材の内容が日本文化に関するものが多いので、例えば「行動様式」など日本文化の説明でお決まりの訳し方などを学ぶことができました。


<日本事象>
日本文化などについて書かれた冊子を予習して、授業の小テストでは予習した項目を英語で書く問題が出ます。(例えば花見、茶道についてなど)実を言えば苦手で後回しにしていた項目です。
今思えば、試験でも必ず作文問題は出ますし、二次試験でも自分で言えなくてはいけないので日本事象について英語で勉強することは「マスト」だと感じました。これは反省点です。

2.1次試験社会科対策

3教科とも基礎や出るポイントを授業と自分なりに学んだあとはひたすら過去問を解きました。6月くらいまではまだまとめの作業をしていて、過去問に集中し始めたのは6月過ぎからでした。過去問は確か7、8年分解きました。


<歴史>
歴史の流れを写真などの資料と照らし合わせながら、絵を書いたりしてひととおりノートにまとめました。また子供向けの歴史のマンガを読んだりしました。過去問を解くとどんな問題が出るかだんだんわかってくるので、単語帳や受験生向けの教材を利用して暗記に励みました。


<地理>
授業で配布された国立公園と国定公園がまとめられた冊子を活用し、自分なりに要点を大きめの単語帳に全て書き写しました。新聞で「ジオパーク登録」などの試験に出そうな記事を切り抜きし、あとはひたすら過去問を解きました。


<一般常識>
授業で配布されたプリントの問題を解きました。他は、山川出版の「もう一度よむ政治経済」をノートにまとめ一般常識の基礎をつくりました。また就活生用の時事問題の本を数冊買い2度くらい読みました。

3.2次試験対策

1次試験合格発表後、モチベーション維持のためにも週に1度2次試験対策の授業をとりました。ブルース先生の授業はとても良かったです。質問があると丁寧 に答えてくださり、何よりも「話す勇気」を与えて下さった気がします。自分が話した文法が不安で質問をすると、回答を教えて下さったあとに言った言葉が印象的です。「文法も大事だけど、伝えたい内容がきちんと伝わっているから心配をすることはないよ。」と言って下さいました。この言葉に大変勇気づけられました。
2次試験対策は、日本の文化や風習について予習をするので知識をつける意味でも大変ためになります。

4.これから受験される方へのアドバイス

今回やっと3回目で試験に合格することができました。
「試験に受かりたい」という気持ちが強すぎて、力みすぎて空回りしたこともありました。合格までに時間がかかった私から皆様にお伝えできるのは、「落ちたら落ちた分だけ勉強する時間がある、何度も勉強した分知識が身につく」ということです。
実際、前年に勉強したことを再度教科書を開くとほとんど忘れていてショックを受けたことが何度もあります。
どうせガイドになっても必ず勉強は必要になるので、今から知識を積むことは決して無駄にはならないと信じています。
今振り返って思うのは、結果が思うように出ず感情的になりつらい時もありましたが、その分倍で合格の喜びが返ってきました。目標に向けてがむしゃらに突っ走るのも今となっては良い思い出です。
今はやっとスタートラインに立てたことが嬉しく、これからが本番の勉強の始まりだと感じています。
これからどんなお客様に会えるのか、どんな経験ができるのかとわくわくしています。

5.富士のよかったところ